動植物の
生存にとって
重要な
酸素が、
宇宙誕生から5
億年から7
億年たったころに
急激に
増えていたことを
示すデータを
確認したと
国立天文台などの
研究チームが
発表しました。
酸素が138
億年の
宇宙の
歴史の
中でいつ
どのように
作られてきたかを
解き明かすうえで
意義の
ある発見だとしています。
国立天文台の中島王彦特任助教や東京大学などの研究グループは、去年から本格的な運用が始まったはるか遠くの宇宙の観測が可能な高性能の宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」を使って今から120億年以上前の138の銀河を対象に、それぞれの銀河で酸素が水素に対してどの程度存在するかを示す存在比を詳しく調べました。
この存在比を銀河の大きさなどにかかわらず比較できるように換算した結果、138億年前に宇宙が誕生してから5億年から7億年たったころの銀河では現在の半分程度で、それ以降の銀河では現在とほぼ同じ程度だったことが分かりました。
宇宙の誕生直後には存在しなかった酸素がいつどのように作られ、増えていったのかについて詳しいことは分かっておらず、今回の研究成果は少なくとも宇宙が誕生してから5億年から7億年たったころに酸素が急激に増えたことを裏付ける証拠だとしています。
中島特任助教は「酸素がなければ地球上の生命は誕生しなかっただろうと考えられている。その酸素がどのように作られてきたのかは究極の知的探究だと思うので、理解を深めることにつながる意義のある成果だ」と話していました。