離婚りこん後ごの「共同きょうどう親権しんけん」導入どうにゅうへ DVや虐待ぎゃくたいの懸念けねんなど払拭ふっしょくできるか

改正かいせい民法みんぽうなどは、17日にちの参議院さんぎいん本ほん会議かいぎで採決さいけつが行おこなわれ、自民党じみんとうや立憲りっけん民主みんしゅ党とうなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつ・成立せいりつしました。

共産党きょうさんとうやれいわ新選しんせん組ぐみなどは反対はんたいしました。

改正かいせい法ほうでは、離婚りこん後ごに父ちちと母ははのどちらか一方いっぽうが子こどもの親権しんけんを持もつ、今いまの「単独たんどく親権しんけん」に加くわえ、父ちちと母はは双方そうほうに親権しんけんを認みとめる「共同きょうどう親権しんけん」を導入どうにゅうするとしています。

父母ちちははが協議きょうぎして、共同きょうどう親権しんけんか単独たんどく親権しんけんかを選えらび、合意ごういできなければ、家庭かてい裁判所さいばんしょが判断はんだんし、DVや子こどもへの虐待ぎゃくたいがあると認みとめた場合ばあいは単独たんどく親権しんけんとなります。

制度せいどの運用うんようは、2年ねん後ごの2026年ねんまでに開始かいしされる見通みとおしです。

共同きょうどう親権しんけんをめぐっては、DVや虐待ぎゃくたいが続つづきかねないといった懸念けねんが根強ねづよく、国会こっかいの審議しんぎでも「精神せいしん的てき、経済けいざい的てきなDVや虐待ぎゃくたいもあり、証明しょうめいが非常ひじょうに困難こんなんだ」といった指摘してきが相次あいつぎました。

また、一方いっぽうの親おやだけで判断はんだんできる「日常にちじょうの行為こうい」や「急迫きゅうはくの事情じじょう」についても、「具体ぐたい的てきな行為こういがはっきりしておらず、子こどもの利益りえきを損そこねるおそれがある」といった意見いけんも出だされました。

さらに家庭かてい裁判所さいばんしょについては、業務ぎょうむ量りょうが増ふえることが予想よそうされるなどとして、国会こっかいが必要ひつような体制たいせいの整備せいびや職員しょくいんの専門せんもん性せいの向上こうじょうなどを求もとめています。

小泉こいずみ法務ほうむ大臣だいじんは「審議しんぎの中なかでさまざまな課題かだいを指摘してきされたので、法律ほうりつの施行しこうに向むけて、これまで以上いじょうにエネルギーを注そそいで課題かだいに取り組とりくむ」と述のべました。

国くには今後こんご、関係かんけいする府ふ省庁しょうちょうの連絡れんらく会議かいぎを設置せっちし、制度せいどの円滑えんかつな運用うんように向むけたガイドラインの作成さくせいなどを進すすめる方針ほうしんで、関係かんけいする人ひとたちの懸念けねんや不安ふあんを払拭ふっしょくできるかが課題かだいとなります。