台湾で20
日、
民進党の
頼清徳氏が
新しい総統に
就任し、まもなく
就任演説を
行う予定です。
演説で
中国との
関係については、ともに
平和と
繁栄を
追求したいと
訴え、
それに
向けた「
善意」を
示す見通しで、
具体的にどのように
言及し、それに
中国が
どう反応するか
注目されます。
頼清徳新総統は日本時間の20日午前10時から台北の総統府で就任式に臨み、「憲法を順守し、忠実に職務に尽くし、人民の福祉を増進し、国を守る」と宣誓しました。
そして、新しい副総統に就任した蕭美琴氏とともに建物の正門に出て、2期8年総統を務めてきた蔡英文氏を見送りました。
蔡前総統は観衆に向かって手を振ってから車に乗り込み、総統府をあとにしました。
頼新総統はまもなく就任演説を行う予定です。
頼新総統は1月の総統選挙で当選したあとの記者会見で「対等と尊厳を前提とし、対抗に代えて対話を行い、自信を持って中国との交流と協力を進める」と述べています。
20日の演説はこれを基調とし、中国が台湾への軍事面や外交面など、さまざまな圧力を強めるなか、台湾が民主主義陣営の一員として地域の平和と安定を促進する役割を果たしていくという考えを表明するとみられます。
そのうえで、台湾の現状維持を強調するとともに、台湾海峡の両岸でともに平和と繁栄を追求したいと訴え、それに向けた「善意」を中国に示す見通しで、具体的にどう言及するか注目されます。
中国は頼新総統のことを「台湾独立派」として警戒し、「台湾は自国の一部だ」とする「1つの中国」という考え方を受け入れることを対話の前提条件としています。
中国側は、先週には「平和と発展、挑発と対立の、どちらの道を歩むのか、『台湾地区の新しい指導者』は明確に答えなければならない」と頼新総統をけん制していて、20日の演説にどう反応するか注目されます。
林官房長官 “協力と交流のさらなる深化を図る”
林官房長官は午前の記者会見で「頼清徳氏が総統に就任されたことに祝意を表したい。台湾は基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで、大切な友人だ」と述べました。
そのうえで「政府としては台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくとの基本的立場を踏まえ、日台間の協力と交流のさらなる深化を図っていく。頼総統のもとでの友情のさらなる深まりに期待している」と述べました。
米国務長官「台湾海峡の平和と安定維持 ともに取り組む」
アメリカのブリンケン国務長官は、台湾で頼清徳氏が新しい総統に就任したことを祝福する声明を出しました。
この中でブリンケン長官は「台湾の人々が改めて民主主義制度の強さを示したことにも祝意を示したい」としたうえで「われわれの共通の利益や価値観を推進するとともに、長く続いてきた米台の非公式な関係を深め、台湾海峡の平和と安定を維持するため、頼総統とともに取り組んでいくことを楽しみにしている」としています。