防衛省によりますと、30日午前6時13分ごろ、北朝鮮内陸部から複数の弾道ミサイルが北東の方向に発射されました。
このうち少なくとも1発は最高高度がおよそ100キロ、飛行距離がおよそ350キロ以上で、いずれも朝鮮半島東岸付近の日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したと推定されています。この発射による船舶や航空機などへの被害の情報はないということです。
北朝鮮は5月27日に弾道ミサイル技術を使用した人工衛星の打ち上げに失敗していて、弾道ミサイルなどを発射したのはことし7回目です。防衛省がアメリカや韓国とともに詳しい情報の分析と警戒監視を続けています。
韓国軍“北朝鮮 短距離弾道ミサイルと推定される約10発発射”
韓国軍合同参謀本部の発表によりますと、北朝鮮が30日午前6時14分ごろ、首都ピョンヤン近郊の国際空港があるスナン付近から短距離弾道ミサイルと推定される10発余りを日本海に向けて発射しました。
飛行距離は350キロ余りで、韓国軍はアメリカや日本と関連する情報を緊密に共有し、詳しい分析を進めているとしています。
韓国の通信社、連合ニュースは、今回発射されたのは、その飛行距離から北朝鮮が「超大型ロケット砲」と呼ぶ短距離弾道ミサイルと推定されると報じています。
また、ピョンヤンからおよそ350キロの範囲には韓国にある主要な空軍基地が含まれると伝えています。
北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射は5月17日以来で、このとき北朝鮮は翌日になって、戦術弾道ミサイルの発射実験だったと発表していました。
北朝鮮は5月27日、軍事偵察衛星の打ち上げを試みて失敗し、これに関連して北朝鮮の外務次官が打ち上げへの対応を協議する国連安全保障理事会の緊急会合に反発する談話を、30日朝の発射直後に発表しました。
岸田首相「弾道ミサイルの発射 強く非難」
岸田総理大臣は、30日午前7時15分頃、総理大臣官邸に入る際、記者団に対し「北朝鮮が弾道ミサイルを発射したが、日本のEEZ外に落下したとみられ、現在のところ被害は確認されていない。私からは国民に対する情報提供、安全確認の徹底などの指示を出した。北朝鮮の弾道ミサイルの発射は関連の国連安保理決議に違反し、強く非難する。すでに抗議を行ったところだ。引き続き情報収集と警戒監視に努めていくし、日米、日米韓の連携も緊密に行っていきたいと考えている」と述べました。
“短距離弾道ミサイルと推定の10発余を日本海へ発射”韓国軍
韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が午前6時14分ごろ、首都ピョンヤン近郊の国際空港があるスナン(順安)付近から短距離弾道ミサイルと推定される10発余りを日本海に向けて発射したと発表しました。
政府 緊急参集チーム招集 今後の対応を協議へ
政府は、総理大臣官邸に設置している北朝鮮情勢に関する官邸対策室で情報を集約するとともに、緊急参集チームのメンバーを総理大臣官邸に集め、今後の対応を協議することにしています。
岸田首相 迅速・的確な情報提供など指示
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことを受けて、岸田総理大臣は
▽情報の収集と分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと
▽航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、
それに▽不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。