しかし、都内でネットカフェを経営するオーナーは、遊興施設というよりは、住む家がないという理由や仕事や家庭の事情で家を離れざるをえなくなり寝泊まりする人たちがいるのが現実で、そうした人たちが居場所を失ってしまうと悩みを抱えています。
この店舗では、一晩2000円ほどで完全個室の部屋で過ごすことができるため長期で滞在する人たちを多く受け入れていて、この日は10人余りが寝泊まりしていました。
店を利用する53歳の男性は、建設関係の仕事をしていて2年以上、この店を生活の拠点にしていると言います。
男性は、都内が仕事の現場になることが多く、店が休業すると今の仕事を続けられるか不安を感じていて「行政には従わないといけないし、ネットカフェがたたかれているのも分かっています。でも、そんな急に言われても困ってしまいます」と話していました。
東京都によりますと、ネットカフェなどで寝泊まりしながら生活する人は1日当たりおよそ4000人と推計され、都は、こうした人たちに一時的な住まいとして民間のアパートや都営住宅など新たに400室を用意しようと準備を急いでいるということです。
店によりますと、これまでに利用者で感染を疑うような症状が出た人はおらず、店内の消毒や換気を徹底しているということで、利用者が新たな生活の拠点を確保するめどが立つまでは営業を続けざるをえないと話しています。
オーナーの男性は「皆さん、家もないし、行くところもない。そんな人たちに出て行ってくださいとはとても言えないです。臨時に泊まることができる場所はどこで、いつから入れるのかなど明確にしてほしいです」と話していました。