新型コロナウイルスに
感染し、
極めて重い症状になった
患者の
治療に
使われる「ECMO」(エクモ)と
呼ばれる
人工心肺装置の
大幅な
小型化に
成功したと
国立循環器病研究センターが
発表しました。
今後2年間かけて
治験を
行い実用化したいとしています。
新型のECMOを開発したのは、大阪・吹田市にある国立循環器病研究センターのグループです。
ECMOは、人工呼吸器では救命できない症状が極めて重い肺炎や心不全などの患者に使う人工心肺装置で、体から取り出した血液に直接酸素を溶け込ませることで、肺の機能を一時的に代行でき、新型コロナウイルスの患者にも使われています。
一般的な装置は駆動機器やモニターなど、重さは合わせて30キロほど、組み立てると人の背丈ほどと大きく、長時間使うと装置の中で血栓ができるおそれがあるといった課題がありました。
新型のECMOは、重さは7キロほど、大きさは30センチ四方ほどで持ち運びができるサイズになったほか、ポンプの構造を工夫して血栓ができにくくなり、ヤギを使った実験では1か月連続で使用できたということです。
グループは今後2年間かけて治験を行い、人での安全性などを確認し実用化したいとしています。
センターの福嶌教偉移植医療部長は「重症患者の治療は難しいという現実の中で、ずっと開発に取り組んできた。治験が順調に進むよう努力したい」と話しています。