24日にちのロンドン外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは、アメリカ経済けいざいが堅調けんちょうでFRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいの利下りさげが遅おくれるとの見方みかたが広ひろがっていることなどから、日にち米べいの金利きんり差さが意識いしきされて円えんを売うってドルを買かう動うごきが強つよまっています。

円えん相場そうばは154円えん台だい後半こうはんでの神経質しんけいしつな取り引とりひきが続つづき、日本にっぽん時間じかんの午後ごご9時じすぎに一時いちじ、1ドル＝155円えん台だい前半ぜんはんまで値下ねさがりし1990年ねん6月つき以来いらい、およそ34年ねんぶりの円えん安やすドル高だか水準すいじゅんとなりました。

25日にちからは日銀にちぎんの金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうが開ひらかれ、市場しじょうでは政策せいさく変更へんこうはないだろうとの観測かんそくが出でる一方いっぽう、ことしはじめにはアメリカのFRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいが3月つきにも利下りさげするとの観測かんそくが出でていましたが、その観測かんそくが大幅おおはばに後退こうたいしており、ドルに資金しきんが集あつまりやすい状況じょうきょうとなっています。

市場しじょう関係かんけい者しゃは「日銀にちぎんの金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうの結果けっかが出でる26日にちまでは大おおきな動うごきはないと見みる投資とうし家かが多おおく、円えんを売うりやすい環境かんきょうになっている。日本にっぽん政府せいふ・日銀にちぎんによる市場しじょう介入かいにゅうへの警戒けいかい感かんは一定いってい程度ていどあるものの、金利きんり差さに着目ちゃくもくした取り引とりひきが優勢ゆうせいだ」と話はなしています。

円えん相場そうばの推移すいいと背景はいけいは

円えん相場そうばは日本にっぽんとアメリカの金融きんゆう政策せいさくをめぐる投資とうし家かの思惑おもわくからここ数すう年ねん、大おおきく動うごいてきました。

欧米おうべい各国かっこくの中央ちゅうおう銀行ぎんこうがインフレの抑制よくせいに向むけておととし以降いこう、急速きゅうそくに利上りあげを進すすめたのに対にたいして日銀にちぎんはマイナス金利きんり政策せいさくをはじめとした大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくを続つづけてきました。こうした日本にっぽんと欧米おうべいとの金融きんゆう政策せいさくの方向ほうこう性せいの違ちがいから円えん安やすが加速かそくします。

2022年ねん9月つき、アメリカのFRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいが大幅おおはばな利上りあげに踏み切ふみきった一方いっぽう、日銀にちぎんが大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわを維持いじ。黒田くろだ総裁そうさいの利上りあげを否定ひていする発言はつげんもあって円えん相場そうばは、1ドル＝145円えん台だい後半こうはんまで急落きゅうらくし、政府せいふ・日銀にちぎんはおよそ24年ねんぶりとなるドル売うり円えん買かいの市場しじょう介入かいにゅうに踏み切ふみきりました。

しかし、10月つきには、アメリカの利上りあげのペースが速はやまるという見方みかたから、再ふたたび円えん安やすが進すすみ、円えん相場そうばは、10月つき20日にち、およそ32年ねんぶりに150円えん台だいまで値下ねさがりしました。

日本にっぽん時間じかんの21日にち深夜しんやから22日にちの未明みめいにかけて1ドル＝151円えん台だい後半こうはんまで下落げらくしたところで、政府せいふ・日銀にちぎんが介入かいにゅうの事実じじつをあえて明あきらかにしない「覆面ふくめん介入かいにゅう」を実施じっし。円えん相場そうばは1ドル＝144円えん台だい半なかばまで一気いっきに7円えん以上いじょう円えん高だかが進すすみました。

ドル円えん相場そうば、2023年ねんは1ドル＝130円えん程度ていどでスタートしました。ただ、アメリカでインフレが長期ちょうき化かし、金融きんゆう引き締ひきしめが強つよまるとの見方みかたから、金融きんゆう緩和かんわを続つづける日本にっぽんとの金利きんり差さが拡大かくだい、じりじりと円えん安やすが進すすみます。

2023年ねん5月つきに1ドル＝140円えん台だい、6月つきには145円えん台だいまで値下ねさがりしました。日銀にちぎんは7月つき下旬げじゅん、金融きんゆう政策せいさくの運用うんようを柔軟じゅうなん化かし、長期ちょうき金利きんりの一段いちだんの上昇じょうしょうを容認ようにん。為替かわせ市場しじょうの過度かどな変動へんどうを抑おさえるねらいもありましたが、その後そのごも円えん安やすは進すすみます。

そして、2023年ねん11月つき、FRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいのパウエル議長ぎちょうが市場しじょうで広ひろがっていた利上りあげ終結しゅうけつの観測かんそくをけん制けんせいしたことなどから円えん相場そうばは11月つき13日にちに一時いちじ、1ドル＝151円えん92銭せんまで円えん安やすドル高だかが進すすみ、1990年ねん以来いらいの円えん安やす水準すいじゅんである1ドル＝151円えん95銭せんまであと3銭せんに迫せまりました。

その後そのごはアメリカの長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょう傾向けいこうが一服いっぷくし、日銀にちぎんが大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくを修正しゅうせいするのではないかという見方みかたも広ひろがったため、2023年ねん12月つきには140円えん台だいまでじわじわ円えん高だかが進すすみます。

ことしに入はいってからはアメリカでは根強ねづよいインフレを背景はいけいに利下りさげの時期じきが遅おくれるとの見方みかたが広ひろがり、2月つきには1ドル＝150円えん台だいまで円えん安やすが加速かそくしました。日銀にちぎんは3月つき19日にちにマイナス金利きんり政策せいさくを解除かいじょし、17年ねんぶりに金利きんりを引き上ひきあげることを決きめました。

利上りあげであれば一般いっぱん的てきには利回りまわりが見込みこまれる通貨つうかが買かわれ円えん高だかとなるはずですが、植田うえだ総裁そうさいが記者きしゃ会見かいけんで追加ついかの利上りあげを急いそがない考かんがえを示唆しさしたことで市場しじょうでは今後こんごも緩和かんわ的てきな金融きんゆう環境かんきょうが続つづくという見方みかたが広ひろがり、151円えん台だい後半こうはんまで円えん安やすが進すすみました。

そして3月つき27日にちに日銀にちぎんの審議しんぎ委員いいんの講演こうえんで、追加ついかの利上りあげについて踏み込ふみこんだ発言はつげんがなかったという受け止うけとめが広ひろがると、円えん相場そうばはおととし10月つきにつけた1ドル＝151円えん94銭せんより値下ねさがりして、1990年ねん7月つき以来いらい、33年ねん8か月かげつぶりの円えん安やすドル高だか水準すいじゅんとなりました。

その後そのごもアメリカでインフレの根強ねづよさなどを示しめす経済けいざい指標しひょうが公表こうひょうされるたびに円えん安やすが加速かそくし、

▽4月つき10日にちには消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうの発表はっぴょうを受うけて153円えん台だい

▽4月つき15日にちには小売こうり業ぎょうの売上うりあげ高だかの結果けっかを受うけて154円えん台だいをつけました。

さらに4月つき16日にちに開ひらかれたイベントでFRBのパウエル議長ぎちょうが利下りさげに踏み切ふみきるまでにはさらに時間じかんを要ようするという認識にんしきを示しめしたことを受うけて、円えん相場そうばは一時いちじ、1ドル＝154円えん79銭せんまで値下ねさがりして円えん安やすドル高だか水準すいじゅんを更新こうしんしました。

4月つき17日にちにワシントンで開ひらかれた日にち米べい韓かん3か国かこくの財務ざいむ相しょう会談かいだんでは、急速きゅうそくな円えん安やすや韓国かんこくの通貨つうか・ウォンの値下ねさがりに対にたいする懸念けねんが共有きょうゆうされ、共同きょうどう声明せいめいが公表こうひょうされましたが、円えん安やすの流ながれを反転はんてんさせるものにはなりませんでした。

4月つき19日にちにはイスラエルがイランを攻撃こうげきしたと報ほうじられたことでリスクを避さける動うごきが強つよまり、円えん相場そうばは、一時いちじ、1ドル＝153円えん台だい半なかばまで値上ねあがりする場面ばめんもありましたが、影響えいきょうは限定げんてい的てきとの見方みかたが広ひろがったことで再ふたたび円えん売うりドル買かいが進すすみました。