国内外こくないがいから大勢たいせいの観光客かんこうきゃくが訪おとずれるイタリアのファッション中心地ちゅうしんちミラノで、市しがこのほど、人通ひとどおりの多おおい１２地区ちくの「静寂せいじゃく」を守まもるため、午前ごぜん０時以降じいこうはジェラートやピザといった持もち帰かえり飲食物いんしょくぶつの販売はんばいを禁止きんしする条例案じょうれいあんを発表はっぴょうした。

市当局しとうきょくはこの措置そちについて、住宅地じゅうたくちの騒音対策そうおんたいさくとして必要ひつようだと説明せつめいしている。さらに、平日へいじつは午前ごぜん０時半じはんから６時じまで、週末しゅうまつは同どう１時半じはんから６時じまで、飲食店いんしょくてんが屋外おくがいで食たべ物ものや飲のみ物ものを出だすことも禁止きんしするとした。

条例じょうれいが制定せいていされれば来月らいげつにも施行しこうされ、観光かんこうシーズンが終おわる１１月がつまで継続けいぞくされる。規制対象きせいたいしょうにはアート街がいのブレラ地区ちくや、おしゃれな店みせが並ならぶガリバルディ地区ちくなどが含ふくまれる見通みとおし。

しかし、世界最高せかいさいこうともいわれるジェラートで有名ゆうめいなミラノでこうした規制きせいは行いき過すぎだとして、反対はんたいの声こえも上あがっている。

小売業界団体こうりぎょうかいだんたいミラノ支部代表しぶだいひょうのマルコ・バルビエリ氏しは「通念つうねんに反はんする」と強調きょうちょうし、「イタリア人じんが家族かぞくでピザを食たべに出でかけた後あと、散歩さんぽしてジェラートを食たべればこの条例じょうれいに基もとづき罰金ばっきんを取とられる」と訴うったえた。

午前ごぜん０時じの販売終了はんばいしゅうりょうは早はやすぎるとも同氏どうしは言いう。ミラノの若者わかもののほとんどは、特とくに夏なつの暑あつい時期じきには午後ごご１０時過じすぎまでディナーに出でかけることなど思おもいもしないとバルビエリ氏しは話はなし、「ジェラートと水みずとピザは対象外たいしょうがいに。アルコール禁止きんしはそのままにしても、時間じかんをもっと遅おそくすべき」と主張しゅちょうしている。

もっとも法案ほうあんが成立せいりつする保証ほしょうはない。同様どうようの規制案きせいあんは２０１３年ねんにも提案ていあんされたが、市民しみんの激はげしい反発はんぱつに遭おって「ジェラート占拠せんきょ」の抗議運動こうぎうんどうが組織そしきされ、提案ていあんは撤回てっかいを余儀よぎなくされた。