海うみ自じヘリ2機き墜落ついらく事故じこ 向かい合むかいあう形かたちで接近せっきんして衝突しょうとつか

今月こんげつ20日にちの深夜しんや、伊豆いず諸島しょとうの鳥島とりしまの沖合おきあいで海上かいじょう自衛隊じえいたいのSH60K哨戒しょうかいヘリコプター2機きが、潜水せんすい艦かんを探知たんちする訓練くんれんの最中さいちゅうに墜落ついらくした事故じこでは、乗のっていた隊員たいいん8人にんのうち1人にんが死亡しぼうし、7人にんが行方ゆくえ不明ふめいとなっています。

海上かいじょう自衛隊じえいたいは2機きが空中くうちゅうで衝突しょうとつした可能かのう性せいが高たかいとしていますが、レーダーの情報じょうほうなどから、2機きは事故じこの直前ちょくぜん、向かい合むかいあう形かたちで接近せっきんして衝突しょうとつした可能かのう性せいがあることが関係かんけい者しゃへの取材しゅざいで分わかりました。

2機きは当時とうじ、別々べつべつに飛行ひこうしていて、同おなじ目標もくひょう地点ちてんに向むかおうとしたところ、衝突しょうとつしたとみられるということです。

海上かいじょう自衛隊じえいたいによりますと、通常つうじょう、哨戒しょうかいヘリコプターが複数ふくすうで飛行ひこうする際さいには、艦艇かんていなどから指示しじを受うけて目標もくひょう地点ちてんに向むかい、衝突しょうとつなどによる事故じこを防ふせぐため異ことなる高度こうどを飛行ひこうするよう指示しじが出だされるということです。

海上かいじょう自衛隊じえいたいは2機きに対にたいして、どのような指示しじが出だされていたのかなど、詳くわしいいきさつを調しらべるとともに、行方ゆくえ不明ふめいとなっている7人にんの捜索そうさくを続つづけています。

当時とうじの状況じょうきょうの詳細しょうさいは

海上かいじょう自衛隊じえいたいによりますと、今回こんかいの訓練くんれんは部隊ぶたいの技量ぎりょうを幹部かんぶが確認かくにんする「査閲さえつ」と呼よばれる検定けんていの一環いっかんで行おこなわれました。

「査閲さえつ」は個々ここの隊員たいいんの技量ぎりょうを向上こうじょうさせる訓練くんれんとは異ことなり、部隊ぶたいとしての高度こうどな戦術せんじゅつ判断はんだんや複雑ふくざつな部隊ぶたい運用うんようが必要ひつようで

▽墜落ついらくした2機きを含ふくめた哨戒しょうかいヘリコプター6機きと

▽護衛ごえい艦かんや潜水せんすい艦かんなど9隻せきが参加さんかしていたということです。

当時とうじは護衛ごえい艦かんの周辺しゅうへんに潜水せんすい艦かんがいるという想定そうていで、より詳細しょうさいな位置いちを特定とくていするため

▽長崎ながさき県けんの大村おおむら航空こうくう基地きち所属しょぞくの「16号機ごうき」と

▽徳島とくしま県けんの小松こまつ島とう航空こうくう基地きち所属しょぞくの「43号機ごうき」

▽それに別べつの1機きの合計ごうけい3機きがそれぞれ異ことなる護衛ごえい艦かんから飛び立とびたったということです。

関係かんけい者しゃによりますと、哨戒しょうかいヘリコプターには互たがいの位置いち情報じょうほうなどを共有きょうゆうし、接近せっきんした場合ばあいには警報けいほう音おんが鳴なる「僚機き間かんリンク」と呼よばれるシステムが搭載とうさいされていますが、墜落ついらくした「16号機ごうき」と「43号機ごうき」はこのシステムで結むすばれていませんでした。

一方いっぽう、「43号機ごうき」と別べつの1機きは「僚機き間かんリンク」で結むすばれていたということです。

「16号機ごうき」と「43号機ごうき」は別々べつべつに飛行ひこうしていましたが、潜水せんすい艦かんを探知たんちするため同おなじ目標もくひょう地点ちてんに向むかおうとしたところ、ほぼ同おなじ高度こうどを向かい合むかいあう形かたちで接近せっきんし、衝突しょうとつした可能かのう性せいがあるということです。

このとき、片方かたほうの機体きたいは、旋回せんかいするような軌道きどうで目標もくひょう地点ちてんに向むけて飛行ひこうしていたとみられるということです。

海上かいじょう自衛隊じえいたいは墜落ついらくした2機きの間まで「僚機き間かんリンク」が結むすばれていなかったいきさつについても調しらべています。