ことしの「春はるの褒章ほうしょう」を受章じゅしょうするのは

◆人命じんめい救助きゅうじょ活動かつどうで功績こうせきのあった人ひとに贈おくられる「紅綬こうじゅ褒章ほうしょう」が2人にん。

◆ボランティア活動かつどうで功績こうせきのあった人ひとに贈おくられる「緑綬りょくじゅ褒章ほうしょう」が7人にんと14の団体だんたい。

◆長年ながねんにわたってその道そのみち一筋ひとすじに打ち込うちこんできた人ひとに贈おくられる「黄綬おうじゅ褒章ほうしょう」が182人にん。

◆芸術げいじゅつや文化ぶんか、スポーツ、それに学術がくじゅつ研究けんきゅうの分野ぶんやで功績こうせきのあった人ひとに贈おくられる「紫綬しじゅ褒章ほうしょう」が19人にん。

◆公共こうきょうの仕事しごとで顕著けんちょな功績こうせきがあった人ひとに贈おくられる「藍綬らんじゅ褒章ほうしょう」が441人にんです。

このうち「紫綬しじゅ褒章ほうしょう」は

▽映画えいが「愛あいを乞こうひと」やNHKの連続れんぞくテレビ小説しょうせつ「ちむどんどん」など、数多かずおおくの映画えいがやテレビドラマに出演しゅつえんしてきた俳優はいゆうの原田はらだ美枝子みえこさん

▽連続れんぞくテレビ小説しょうせつ「ふたりっ子っこ」や大河ドラマたいがどらま「光ひかる君きみへ」など舞台ぶたいやドラマで幅広はばひろい役柄やくがらを演えんじてきた俳優はいゆうの段田だんだ安則やすのりさん

▽国内こくない外がいで活躍かつやくする日本にっぽん舞踊ぶよう家かの花柳かりゅう寿ことぶき楽らくさんらが受章じゅしょうします。

褒章ほうしょうの受章じゅしょう者しゃは、5月つき10日にち、13日にち、14日にちの3回かいに分わけて、皇居こうきょで天皇てんのう陛下へいかからお言葉ことばを受うけることになっています。

紫綬しじゅ褒章ほうしょう 原田はらだ美枝子みえこ（はらだ・みえこ）さん

紫綬しじゅ褒章ほうしょうを受章じゅしょうする俳優はいゆうの原田はらだ美枝子みえこさんは東京とうきょう都と出身しゅっしんの65歳さい。15歳さいで映画えいがデビューし、10代だいのころから情熱じょうねつ的てきな演技えんぎが高たかく評価ひょうかされました。

その後そのご、黒澤くろさわ明あきら監督かんとくの「乱らん」など映画えいが史しに残のこる名作めいさくに次々つぎつぎと出演しゅつえんし、1998年ねんに主演しゅえんした「愛あいを乞こうひと」では母ははと娘むすめの1人にん2役やくに挑いどみ、日本にっぽんアカデミー賞しょうの最優秀さいゆうしゅう主演しゅえん女優じょゆう賞しょうを受賞じゅしょうしました。

ドラマにも多数たすう出演しゅつえんしていて、NHKでは連続れんぞくテレビ小説しょうせつ「ちむどんどん」で自分じぶんの力ちからで道みちを切り開きりひらいた料理りょうり店てんのオーナーを演えんじたほか「透明とうめいなゆりかご」では主人公しゅじんこうを見守みまもる心こころ優やさしい看護かんご師し長ちょうを演えんじて評判ひょうばんを呼よびました。

受章じゅしょうについて原田はらださんは「とても嬉うれしいです。15歳さいで映画えいがデビューして、今年ことしで、ちょうど50年ねん目めになります。これまでは一ひとつ一ひとつの作品さくひんに対にたいする評価ひょうかをいただきましたが、今回こんかいは、この長ながい道みちのりを、生き方いきかたも含ふくめて評価ひょうかしていただいたようで、ふっと、肩かたの力ちからが抜ぬけた気きがします。一ひとつの仕事しごとを、かくも長ながく続つづけてこられたのは、出会であってきた方々かたがたと、巡り合めぐりあってきた作品さくひんのおかげです。ありがとうございました」とコメントしています。

紫綬しじゅ褒章ほうしょう 段田だんだ安則やすのり（だんた・やすのり）さん

紫綬しじゅ褒章ほうしょうを受章じゅしょうする俳優はいゆうの段田だんだ安則やすのりさんは、京都きょうと市し出身しゅっしんの67歳さい。20代だいから野田のだ秀樹ひできさんが主宰しゅさいしていた劇団げきだん「夢ゆめの遊眠ねむり社しゃ」で中心ちゅうしん的てきな俳優はいゆうとして人気にんきを集あつめました。現在げんざいもシェイクスピア原作げんさくの舞台ぶたいで主演しゅえんを務つとめるなど、舞台ぶたい俳優はいゆうとして長年ながねん、活躍かつやくしています。

30代だいからはテレビドラマや映画えいがにも活動かつどうの幅はばを広ひろげ、39歳さいで出演しゅつえんした連続れんぞくテレビ小説しょうせつ「ふたりっ子っこ」では、双子ふたごの主人公しゅじんこうの父親ちちおや役やくをユーモラスに演えんじ注目ちゅうもくされました。

幅広はばひろい役柄やくがらをこなす演技えんぎ力りょくでドラマを支ささえる名めい脇役わきやくとして活躍かつやくを続つづけ、大河ドラマたいがどらま「光ひかる君きみへ」では、権力けんりょくに固執こしつする藤原ふじわら兼けん家かの役やくの鬼気きき迫せまる演技えんぎが話題わだいを呼よんでいます。

受章じゅしょうについて段田だんださんは「米こめ一いち粒つぶ作つくれず、世間せけんのお役に立やくにたっているとは思おもえない私わたしが紫綬しじゅ褒章ほうしょうを賜たまわるとは、まさに望外ぼうがいの喜よろこびです。俳優はいゆうはゼロからは何なにも生み出うみだせません。舞台ぶたいの上うえ、カメラの前まえに立たたせていただいた方々かたがた、一緒いっしょに仕事しごとをさせていただいた方々かたがたのお力添ちからぞえに感謝かんしゃいたします。今後こんごもこれまでと変かわらず、仕事しごとに励はげむ所存しょぞんでございます」などとコメントしています。

紫綬しじゅ褒章ほうしょう 花柳はなやぎ寿ひさし楽らく（はなやぎ・じゅらく）さん

紫綬しじゅ褒章ほうしょうを受章じゅしょうする日本にっぽん舞踊ぶよう家かの花柳かりゅう寿ことぶき楽らくさんは、東京とうきょう都と出身しゅっしんの57歳さい。日本にっぽん舞踊ぶよう家かの二に世せい花柳かりゅう錦之にしきの輔の長男ちょうなんとして生うまれ、人間にんげん国宝こくほうだった祖父そふの二に世せい花柳かりゅう壽ことぶき楽らくのもとで芸げいを学まなび、5歳さいで初はつ舞台ぶたいを踏ふみました。格調かくちょう高たかく気品きひんあふれる舞踊ぶように定評ていひょうがあり、42歳さいで三さん代目だいめ花柳はなやぎ寿ひさし楽らくを襲名しゅうめいしました。

流派りゅうはを超こえて集あつまった日本にっぽん舞踊ぶよう家かのグループ「五ご耀會」に参加さんかし、国内こくない外がいで公演こうえんを行おこなうなど日本にっぽん舞踊ぶようの普及ふきゅうに取り組とりくんでいるほか、後進こうしんの育成いくせいにも貢献こうけんしています。

また、歌舞伎かぶきや演劇えんげきで振り付ふりつけの指導しどうをしているほか、NHKの大河ドラマたいがどらま「光ひかる君きみへ」では俳優はいゆうへの所作しょさ指導しどうを務つとめています。自身じしんも俳優はいゆうとして舞台ぶたいやドラマ、映画えいがに出演しゅつえんするなどさまざまなジャンルに活躍かつやくの場ばを広ひろげています。

受章じゅしょうについて寿ことぶき楽らくさんは「日本にっぽん舞踊ぶようは習い事ならいごとのニュアンスが強つよいジャンルだったので、見みてもらうための舞台ぶたい芸術げいじゅつだということを意識いしきして取り組とりくんできました。日本にっぽん舞踊ぶようの技術ぎじゅつでこういうこともできると伝つたえることで、お客様おきゃくさまに興味きょうみを持もって見みに来きてもらう橋渡はしわたしの役やくを続つづけていきたい」と話はなしていました。