桂由美さんは東京生まれで、大学卒業後にフランスに留学し、デザインや縫製の技術を学びました。
公式ホームページによりますと、1965年に東京・赤坂に日本で初めてのブライダル専門店をオープンし日本初のブライダルショーも開催しました。
当時は、一般的ではなかったウエディングドレスを浸透させ、女性のシルエットを美しく引き出すドレスで日本の結婚式のスタイルにも強い影響を与えてきました。
また、1980年代からはニューヨークやパリなど世界の30以上の都市でショーを開いて活動の場を広げ、日本を代表するファッションデザイナーとしての地位を築きました。
1993年には当時のローマ教皇、ヨハネ・パウロ二世が復活祭のミサで着ていた祭服をデザインしたことでも知られています。
桂さんは、3月に東京で最新作およそ70点を発表するファッションショーを開催するなど精力的に活動していましたが、94歳で亡くなりました。
假屋崎省吾さん「アイデアが枯渇せずあふれて出てくる天才」
亡くなった桂由美さんと親交があった華道家の假屋崎省吾さんは「桂先生とは30年弱、ご一緒させてもらっている美の開拓者としての同志でした。桂先生は、アイデアが枯渇せずあふれて出てくる天才で、思いついたら人をどんどん巻き込んでいく行動力もあって実業家としても大きな才能を持っていたと思います。桂先生から刺激を受けてきたので、本当にショックです。いないと思うと涙が出て心にぽっかり穴が空いたような気持ちです。なにしろ仕事仕事という方だったので、少しゆっくり休んでくださいと声をかけたいです」と話していました。