複数ふくすうの入院にゅういん患者かんじゃへの性的せいてき虐待ぎゃくたいが繰り返くりかえされていた問題もんだいで福岡ふくおか県けん大牟田おおむた市しにある「独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん国立こくりつ病院びょういん機構きこう大牟田おおむた病院びょういん」は、2日にち記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、川崎かわさき雅之まさゆき院長いんちょうが「被害ひがい者しゃや家族かぞく、関係かんけい者しゃの皆みなさまに不安ふあんや心配しんぱいをおかけして誠まことに申し訳もうしわけございません」と謝罪しゃざいしました。

病院びょういんによりますと、去年きょねん12月つきに入院にゅういん患者かんじゃから「男性だんせいの介護かいご職員しょくいんに下半身かはんしんを触さわられた」と訴うったえがあり、院内いんないで調査ちょうさを行おこなったところ、介護かいご職員しょくいん3人にん、看護かんご師し2人にんのあわせて5人にんの男性だんせい職員しょくいんが体からだに障害しょうがいがある入院にゅういん患者かんじゃの男女だんじょ11人にんに対にたいし、3年ねん前まえごろから下しも半身はんしんや胸むねを触さわったりわいせつな言葉ことばをかけたりする性的せいてき虐待ぎゃくたいを繰り返くりかえしていた疑うたがいがあることがわかったということです。

こうした虐待ぎゃくたいは看護かんご師しなどが手薄てうすな夜間やかんの時間じかん帯たいに行おこなわれていたことが多おおく、全身ぜんしんの筋肉きんにくが萎縮いしゅくする筋ジストロフィーきんじすとろふぃ-などの患者かんじゃが入院にゅういんする病棟びょうとうで起おきたということです。

病院びょういんからの通報つうほうを受うけた複数ふくすうの自治体じちたいが調査ちょうさした結果けっか、入院にゅういん患者かんじゃ11人にんのうち女性じょせい4人にんと男性だんせい2人にんのあわせて6人にんについて性的せいてき虐待ぎゃくたいがあったと認定にんていしたということです。

また、1人にんは認定にんていされず、残のこる4人にんは調査ちょうさ中ちゅうだということです。

病院びょういんによりますと、虐待ぎゃくたいを行おこなった男性だんせい職員しょくいんは「通常つうじょうの介助かいじょ行為こういで、虐待ぎゃくたいにあたるとは感かんじていなかった」などと話はなしているということで、病院びょういんは、第三者だいさんしゃ委員いいん会かいを立たち上あげて原因げんいん究明きゅうめいを進すすめ、再発さいはつ防止ぼうし策さくを講こうじることにしています。

川崎かわさき院長いんちょうは、「性的せいてき虐待ぎゃくたいは夜間やかんの時間じかん帯たいが多おおく職員しょくいんがそれぞれ単独たんどくで行おこなったとみている。入院にゅういん患者かんじゃをちゃん付づけやくん付づけで呼よんでいたことも確認かくにんされ、職員しょくいんの倫理りんり観かんが欠如けつじょしていた」と述のべました。

そして、院内いんないの管理かんり態勢たいせいに不備ふびがあったとして、

▽職員しょくいんに対にたいして、入院にゅういん患者かんじゃの人権じんけんを尊重そんちょうした呼よび方かたをするよう指導しどうを徹底てっていするとともに

▽虐待ぎゃくたい防止ぼうしについてすべての職員しょくいんを対象たいしょうにした研修けんしゅうを行おこなうことや、

▽複数ふくすう人じんの介助かいじょや同性どうせいによる介助かいじょを徹底てっていすることなどに取り組とりくむ方針ほうしんを明あきらかにしました。

院内いんないでは、ほかにも身体しんたい的てき虐待ぎゃくたいや心理しんり的てき虐待ぎゃくたいがあった疑うたがいがあるとして、自治体じちたいに通報つうほうしたということで、これについても調査ちょうさを進すすめるとしています。