現場の山の頂上付近では、去年夏の大雨で被害が確認されていましたが、今月、ようやく復旧工事が始まったばかりで、市は土砂崩れの原因について詳しく調査することにしています。
12日午前4時前、松山城のある標高132メートルの「勝山」の斜面が幅50メートル、高さ100メートルにわたって崩れてふもとにある複数の住宅に土砂が流れ込みました。
巻き込まれた木造住宅に住む家族3人と連絡がとれなくなっていましたが、13日見つかり、90代の夫と80代の妻、それに40代の息子の死亡が確認されました。
松山市によりますと、土砂崩れが起きた斜面の頂上付近には、コンクリート製の壁が設けられていましたが、去年夏の大雨によって傾く被害が確認されていました。
さらに、先月末からの大雨の影響で、傾きがひどくなり、斜面の上にある緊急車両が通るアスファルトの道路にも、複数の亀裂があわせておよそ10メートルにわたって確認されていたということです。
市は、去年7月に被害が確認されて以降、復旧工事に向けた対応を取ってきましたが、今月になってようやく復旧工事が始まったばかりだったということです。
これについて松山市は「松山城は国の史跡に指定されているため、文化庁の許可や発掘調査などが必要だった」と説明しています。
去年の大雨の被害から工事までおよそ1年かかっていて、市は、この影響も含め、土砂崩れの原因について調査を進めることにしています。