今月12日、松山市中心部の松山城がある山の斜面が崩れ、ふもとの木造住宅に住む家族3人が巻き込まれて死亡した土砂崩れを受けて、松山市は16日災害対策本部の会議を開きました。
会議には市の幹部など20人余りが出席し、冒頭、1分間の黙とうをささげました。
そのあと、会議は非公開で行われましたが、市によりますと、16日の時点で避難所に避難している合わせて32人など、避難生活が続く人たちなどの支援に全力を挙げる方針を確認したということです。
終了後、野志市長は記者団に対して、現場の山の頂上付近の道路に複数の亀裂が確認されていたことについて、「土砂崩れとの関連については詳細な調査分析をしたい」と述べました。
そのうえで野志市長は、「ひび割れがあるので工事をしたいという話は把握していた。工事には文化庁の許可や発掘調査などが必要で、市としてはなるべく早く工事に取りかかりたいという思いは当然あったが、こういう現状になっている」と述べました。
また、土砂崩れを受けて松山城の石垣の安全性を確認するため地質調査を実施するとして、現在、中止している松山城の営業の再開までは1か月程度かかるという見通しを示しました。
愛媛県 中村知事 原因究明などで専門家会議設置へ
愛媛県の中村知事は、今月12日に発生した松山市の土砂崩れを受けて原因の究明と再発防止策の検討のため専門家の会議を設置する考えを示しました。
中村知事は、16日の記者会見で松山市の土砂崩れを受けて「亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げたい。一日も早い住民の皆さんの日常生活を取り戻すことが重要だと感じている」と述べました。
そのうえで、「同様の災害が二度と起こらないよう幅広い観点から再発防止策を検討したい」として、原因の究明や再発防止策を検討するため、国や松山市などと、地盤工学の専門家などで構成する会議を設置する考えを示しました。
また、今後の雨によってさらなる被害が発生しないよう、今回の土砂崩れで壊れた県が管理する砂防施設について、現場の土砂の撤去が完了した段階で、すぐに復旧工事に取りかかる準備を進めていることも明らかにしました。
さらに、松山市からの要請があれば被災者を対象に県営住宅の提供なども検討しているとしています。