堀井議員は、東京地検特捜部が自身の事務所などを捜索したことを受けて、自民党を離党しました。
捜索を受けているのは、18日に自民党を離党した堀井学議員(52)の、東京・千代田区の衆議院第二議員会館にある事務所や、北海道登別市にある地元事務所、それに自宅です。
このうち議員会館の事務所には、午前10時45分ごろに東京地検特捜部の係官10数人が入りました。
公職選挙法は、政治家本人が参列してその場で渡す場合を除き、選挙区内の人に香典を渡すことを違法な寄付にあたるとして禁じていますが、関係者によりますと、衆議院比例代表北海道ブロック選出の堀井議員は、2年ほど前に、みずからが参列しない通夜や葬儀で、選挙区内の人に複数の秘書や家族を通じてたびたび議員名義の香典を渡していた疑いがあるということです。
また、選挙区内で枕花も贈っていて、違法な寄付はあわせて数十万円分になる疑いがあるということです。
特捜部は、派閥の政治資金パーティーをめぐる捜査の過程でこうした疑いを把握し、捜査を進めていました。
堀井議員は、国会出席などのため地元を離れている時も、香典を渡す相手や金額について秘書などからLINEで報告を受けたり指示したりしていたということで、特捜部は捜索で押収した資料を分析するなどして、議員の認識など詳しい経緯の解明を進めるものとみられます。
自民党に離党届 18日付けで受理
堀井議員は、東京地検特捜部が自身の事務所などを捜索したことを受けて、自民党に離党届を提出し、18日付けで受理されました。
堀井議員は衆議院比例代表北海道ブロック選出の当選4回で52歳。スピードスケートの選手として1994年のリレハンメルオリンピックで銅メダルを獲得したあと、道議会議員を経て、2012年の衆議院選挙で初当選し、外務政務官や内閣府副大臣などを務めました。
しかし、自民党安倍派からキックバックを受けたパーティー券収入を政治資金収支報告書に記載していなかったことが明らかになり、副大臣を辞任しました。
不記載の金額はおととしまでの5年間で2196万円に上り、1年間の党の役職停止処分を受けました。
そして、6月、記者会見を開き、次の衆議院選挙に立候補しない意向を表明していました。
自民 茂木幹事長「極めて遺憾 しっかり説明責任を」
自民党の茂木幹事長は「今回のような事態に至ったことは極めて遺憾だ。現在、捜査が進んでいる状況だが、今後、堀井議員にはしっかり説明責任を果たしてもらいたい」というコメントを出しました。
自民 稲田幹事長代理「信頼回復はまだ途上」
自民党の稲田幹事長代理はNHKの取材に対し「捜査が始まったところなので、行方を注視したい。今回もいわゆる政治とカネの問題での強制捜査ということで、政治家や自民党への信頼回復はまだ途上にある。党としては小手先ではない政治改革・政治刷新の取り組みを進めなければならない」と述べました。
北海道 自民党道連「誠に遺憾 厳粛に受け止めている」
堀井議員の事務所などが特捜部の捜索を受けたことについて、自民党道連は、「わが党の堀井議員が公職選挙法違反の疑いで捜査を受けていることは誠に遺憾であり、厳粛に受け止めている。国民の皆さまにおわび申し上げるとともに、議員1人1人がしっかりと襟を正し、政治の信頼回復に向けて全力で取り組んでいく」というコメントを出しました。
林官房長官「政府として答えることは差し控える」
林官房長官は午前の記者会見で「捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、政府として答えることは差し控える。一般論として、選挙や政治活動は公職選挙法など関係諸法令の規定に従い、一人ひとりの政治家が適正に対応すべきものだ」と述べました。
公明 北側副代表「いまだにあるのは驚きだ」
公明党の北側副代表は記者会見で「極めて遺憾だ。堀井議員は捜査にしっかり協力してほしい。地元の有権者に葬儀などで香典を持っていくことがいまだにあるのは驚きだ。堀井議員だけでなく、すべての政治家が公職選挙法に明確に規定されているルールをしっかり守らなければならない」と述べました。