イスラエル軍は、20日、イエメン西部の都市ホデイダにある反政府勢力フーシ派の軍事拠点を空爆したと発表しました。
イエメンのメディアは、石油の貯蔵施設が攻撃されたと伝えていて、海沿いの地区から大きな炎と煙が上がる様子をとらえた映像を伝えています。
イスラム組織ハマスとの連帯を示すフーシ派は前日の19日未明にイスラエル最大の商業都市テルアビブの中心部に無人機による攻撃を行ったほか、イスラエルへのミサイル攻撃や紅海周辺を航行する船舶への攻撃を続けていました。
イスラエル軍は今回の空爆は、ここ数か月間にフーシ派が行った数百回におよぶ攻撃への対抗措置だとしています。
イスラエルのネタニヤフ首相は「イスラエルの攻撃の手が届かない場所はない。イスラエルに危害を加えるものは誰であれ高い代償を払うことになる」と述べ、フーシ派をけん制しました。
イスラエルのメディアはイスラエル軍がイエメンを空爆したと明らかにしたのは初めてだと伝えていて、ガラント国防相は、「フーシ派がイスラエルの市民に危害を加えたため攻撃した。いかなる場所でも必要とあらば攻撃する」と述べています。
イスラエル軍がガザ地区への攻撃を続ける一方、20日には隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどが40発以上のロケット弾をイスラエル北部に撃ち込むなど中東各地の武装勢力との攻撃の応酬も激しくなっていて、紛争のさらなる拡大が懸念されています。
フーシ派の報道官 対抗措置をとると強調
イエメンの反政府勢力フーシ派の報道官はイスラエル軍の空爆について、「攻撃を受けたのは発電所や燃料タンクで民間の施設だ。われわれはこの言語道断の攻撃への報復を決意し、イスラエルの枢要部に攻撃を加えることをちゅうちょしない」と述べ、対抗措置をとると強調しました。
その上で、「われわれの軍事部門は長期戦に備えており、イスラエルがガザ地区への侵略や犯罪行為をやめるまで、作戦を続ける」と述べ、ガザ地区での戦闘が続く限り、イスラエルへの攻撃を続ける構えをみせています。