安倍元首相「国葬」中止求め大学教授や作家など署名呼びかけ - Easy News

参議院さんぎいん選挙せんきょの応援おうえん演説えんぜつ中ちゅうに銃じゅうで撃うたれて亡なくなった安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんの国葬こくそうまで1か月かげつ余あまりとなる中なか、大学だいがく教授きょうじゅや作家さっかなどが、国葬こくそうの実施じっしが憲法けんぽうで保障ほしょうする思想しそうの自由じゆうに反はんするとして、中止ちゅうしを求もとめる署名しょめい活動かつどうを始はじめると発表はっぴょうしました。

署名しょめい活動かつどうを始はじめるのは、東京とうきょう大学だいがくの上野うえの千鶴子ちづこ名誉めいよ教授きょうじゅや、作家さっかの落合おちあい恵子けいこ氏し、東海とうかい大学だいがくの永山ながやま茂樹しげき教授きょうじゅ、高こう千穂ちほ大学だいがくの五野井ごのい郁夫いくお教授きょうじゅなど17人にんです。

17人にんは、来月らいげつ27日にちに行おこなわれる安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんの国葬こくそうが法ほうの下したの平等びょうどうや思想しそう、良心りょうしんの自由じゆうなどを保障ほしょうする憲法けんぽうに反はんするなどとして、23日にちからおよそ1か月かげつ間かん、インターネット上じょうで中止ちゅうしを求もとめる署名しょめい活動かつどうを行おこなうことにしています。

22日にちの会見かいけんで、永山ながやま教授きょうじゅは「誰だれかを弔とむらう気持きもちと同おなじように弔とむらわない気持きもちも重要じゅうようだ。安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんを弔とむらうように強要きょうようすることは思想しそうの自由じゆうに国家こっかが土足どそくで踏み込ふみこむようなものだ」と指摘してきしました。

また、五野井ごのい教授きょうじゅは「国葬こくそうを行おこなう法的ほうてき根拠こんきょがない。われわれの税金ぜいきんを使つかうことには疑問ぎもんを感かんじる」と話はなしていました。

一方いっぽう、政府せいふは国葬こくそうの実施じっしについて「儀式ぎしきとして実施じっしされるものであり、国民こくみん一いち人にん一いち人にんに政治せいじ的てき評価ひょうかや喪もに服ふくすることを求もとめるものではない」としているほか、法的ほうてきな根拠こんきょについて「内閣ないかく府ふ設置せっち法ほうに内閣ないかく府ふの所掌しょしょう事務じむとして国くにの儀式ぎしきの事務じむに関にかんすることが明記めいきされ、閣議かくぎ決定けっていを根拠こんきょとして行おこなうことができる」としています。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかん「しっかりと説明せつめい」

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは、記者きしゃ会見かいけんで「安倍あべ元もと総理そうりの国葬こくそう儀ぎについてさまざまな意見いけんがあることは承知しょうちしている。海外かいがいからは各国かっこくで国くに全体ぜんたいを巻き込まきこんで敬意けいいと弔意ちょういが寄よせられている状況じょうきょうなどを踏ふまえ、わが国わがくにとしても敬意けいいと弔意ちょういを国くに全体ぜんたいとして表あらわす儀式ぎしきを国くにの儀式ぎしきとして開催かいさいし、各国かっこく代表だいひょうの出席しゅっせきを得える形かたちで葬儀そうぎを執り行とりおこなうことが適切てきせつだと判断はんだんした。国民こくみん一いち人にん一いち人にんに喪もに服ふくすることや政治せいじ的てき評価ひょうかを求もとめるものではないことを、しっかりと説明せつめいしていきたい」と述のべました。

「国葬こくそう」中止ちゅうし求もとめる裁判さいばんや反対はんたい声明せいめいも

安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんの国葬こくそうをめぐっては、実施じっしに反対はんたいする市民しみんや学者がくしゃなどのグループが中止ちゅうしを求もとめて裁判さいばんを起おこしているほか、一部いちぶの弁護士べんごし会かいが反対はんたいの声明せいめいを出だしています。

今月こんげつ9日にち、安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんの国葬こくそうに反対はんたいする市民しみんや法学ほうがく者しゃ、弁護士べんごしなどおよそ230人にんでつくるグループが国葬こくそうの中止ちゅうしなどを求もとめて東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょに訴うったえを起おこしました。

グループは「政府せいふによる決定けっていや実施じっしには法的ほうてき根拠こんきょがなく、国会こっかいの承認しょうにんも得えていない。内閣ないかくが国会こっかいを無視むしして恣意しい的てき（しいてき）に権限けんげんを行使こうししたもので憲法けんぽうに違反いはんする」と主張しゅちょうしています。

同様どうようの裁判さいばんは横浜よこはまとさいたま、大阪おおさかでも起おこされているほか、東京とうきょうを加くわえたこの4つの裁判所さいばんしょには国葬こくそう中止ちゅうしを求もとめる仮かり処分しょぶんの申し立もうしたても出だされています。

このうちの1つの仮かり処分しょぶんについて、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょは今月こんげつ2日にち「『国葬こくそう』によって思想しそうや良心りょうしんの自由じゆうが侵害しんがいされるとはいえない」などとして退しりぞける決定けっていを出だし、市民しみんグループは即時そくじ抗告こうこくをしています。

一方いっぽう、東京とうきょう弁護士べんごし会かいは今月こんげつ2日にちに安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんの国葬こくそうに反対はんたいし、撤回てっかいを求もとめる会長かいちょう声明せいめいを出だしました。

声明せいめいでは国葬こくそうの法的ほうてき根拠こんきょがないことや、学校がっこうの現場げんばで半旗はんきの掲揚けいようなど事実じじつ上じょうの弔意ちょういの強制きょうせいが行おこなわれるおそれがあり、憲法けんぽうで保障ほしょうされた思想しそう・良心りょうしんの自由じゆうの観点かんてんからも重大じゅうだいな懸念けねんがあるなどとしています。