首都圏の1都3県では、
▼東京都が0.66倍、
▼神奈川県が0.71倍、
▼埼玉県が0.73倍、
▼千葉県が0.75倍と減少傾向が続いています。
関西では
▼大阪府が0.66倍、
▼兵庫県が0.68倍、
▼京都府が0.72倍、
東海でも
▼愛知県が0.71倍、
▼岐阜県が0.73倍、
▼三重県が0.70倍と先週から減少が続き、すべての都道府県で前の週より減少しました。
人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、
▼鹿児島県が1035.85人と全国で唯一1000人を超え、
次いで
▼徳島県が997.42人、
▼宮崎県が972.63人、
▼長崎県が966.31人、
▼高知県が899.02人となっているほか、
▼大阪府が757.34人、
▼東京都は578.53人、
▼全国では681.26人となっています。
国立感染症研究所の鈴木忠樹感染病理部長が提出した資料では、オミクロン株の「BA.1」が広がり始めていた去年11月からことし1月にかけて行った調査のデータが示されました。 調査では感染して症状が出た59人でウイルス量を調べたところ、発症した日を「0日」とした場合、7日から13日目までのウイルス量は、発症した日から3日目までの量のおよそ6分の1に減少していたということで、感染から7日後以降でもウイルスは排出しているものの、感染を広げるリスクは低下していると考えられるとしています。 また、発症した57人を対象に、何日目までウイルスが検出されるか調べたところ、ウイルスが検出された人の割合は発症した日を「0日」として、1日目は96.3%、2日目は87.1%などとなり、7日目で23.9%、8日目で16%、9日目で10.2%、10日目で6.2%と、低下していたということです。 一方、無症状だった26人ではウイルスが検出された人の割合は ▽4日から5日目は80%、 ▽6日から7日目は12.5%、 ▽8日目以降は0%だったということです。 このほか、京都大学の西浦博教授はアメリカのハーバード大学などのグループによる研究で、発症から5日目では半分以上の人でウイルスが検出され、8日目では25%の人で検出されたとする結果など、発症から一定期間を経た後でも感染を広げる可能性があるとするデータを紹介しました。
この中では、患者の療養期間を現在の10日間から7日間に短縮することについて、 ▽症状が出てから10日目までは感染リスクが残るが、発症後7日間が最も感染性が高いことが分かっているほか、 ▽医療や社会機能を維持することが必要なことも短縮が必要な理由になるとしています。 ただ、 ▽症状が続いている場合は10日間の待機とすること、 ▽療養期間が短くなった場合も10日目までは感染リスクが残るため外出する場合は感染対策を実施すること ▽医療従事者や高齢者施設のスタッフなど重症化リスクの高い人に接する場合は復帰の前に検査で陰性を確認することが求められるとしています。 また、入院が必要な患者が高齢者施設へ移ったり、医療機関の中での隔離を解除したりするのは、発症から10日間がたってからにする必要があるとしています。 さらに、無症状の感染者については最初の検査で陽性が確認されてから5日目に、抗原検査キットで陰性が確認された場合は療養を解除することが可能だとしています。 一方で、提言の中では、こうした考え方について専門家の中から「リスク評価に基づいた検討ができていないため同意できない」という意見があったとも記しています。
さらに「これからは、海外と日本でほぼタイムラグがなく新しい変異株が流入してくる可能性が高い。いつ来るかはわからないが、冬に向けていわゆる第8波が来る可能性が高く、これまで以上の感染拡大を想定して対策をしなければ、医療のひっ迫が必ず起きてしまうという議論があった。今後も流行状況の見通しやリスクの評価をアドバイザリーボードで伝えていく」と述べました。 また、自宅などでの療養期間の短縮について「おおむね容認できるのではないかという意見が複数あった一方で、リスクがきちんと対策に反映されていないという意見もあった。また個人が主体的にリスクを低減するために、どういう行動をしたらいいかをわかりやすく周知することが必要ではないかという意見や、高齢者が多い医療機関や高齢者施設は、従来の10日間をしっかり守るべきではないかという意見もあった」と専門家の間でも議論になったと述べました。 そして「療養期間を今の10日から短縮するならば、一定程度、リスクが残存する。その状況で、自由に行動すれば感染を広げるリスクがあり、感染の減少速度が遅くなるといった傾向が出る可能性はあるだろう。そうしたリスクを認識して対策をしてもらう必要がある」との考えを示しました。
感染後何日間ウイルスが検出されるかのデータも紹介
専門家の有志が療養期間の短縮などについて提言
脇田座長「完全に安心できるような状況ではない」