君塚教授は、女王が「コモンウエルス」と呼ばれるイギリス連邦の加盟国との関係を特に重視していたと述べたうえで「第二次世界大戦後、イギリス政府がアメリカやヨーロッパとの関係を重視する一方で、コモンウエルスとの関係をつなぎ止めていたのは女王だった。EU離脱後、その関係はますます大切になっていく」と功績をたたえました。
また日本との関係について「皇室とイギリス王室の関係は深かったが、第二次世界大戦で敵対国となり、断絶していた。しかし、女王から日本に手を差し伸べ、当時の昭和天皇がそれに応えたことから関係が復活した」と述べました。
そのうえで「昭和50年にはエリザベス女王がイギリスの君主として初めて日本を訪れた。女王は、日本とイギリスの戦後の和解についても心を砕いた」と両国の歴史を振り返りました。
長谷山さんは、2017年5月から去年5月まで慶應義塾の塾長を務めていて、任期中に日英関係の発展に貢献したとして先月、エリザベス女王から「名誉大英帝国勲章MBE」と呼ばれる勲章を受章しました。 長谷山さんはエリザベス女王が死去したことについて「突然の知らせで大変驚いた。長い在位期間の中でいろいろな時代を乗り越え、英国を率いてきたことに敬意を表するとともに、心からご苦労様でしたという気持ちでいっぱいです」と述べました。 長谷山さんは、慶應義塾の塾長として、横浜市や川崎市と連携して、東京オリンピック・パラリンピックのイギリス代表チームの事前キャンプを慶応大学の施設で受け入れたほか、イギリスの教育機関とのさまざまな交流に尽力したということです。 また毎年、女王の誕生日には、東京のイギリス大使公邸で開かれる誕生パーティーに参加して祝ってきたということです。 長谷山さんは「エリザベス女王は一人一人の勲章をみずから決定されたと伺っている。日本の大学の活動にもこまやかに目を配って評価していただいたことを大変うれしく思っていた。心から哀悼の念を伝えたい」と述べて追悼していました。
また、エリザベス女王の葬儀への日本政府からの参列について「現時点において『国葬儀』を含め、今後の日程について正式な発表があったとは承知していない。いずれにせよ、日本政府の対応ぶりについてはイギリス政府の発表も踏まえつつ、しかるべく検討していく」と述べました。
このうち、ことし6月に開かれたエリザベス女王の即位70年を記念するイベントで演奏を披露した歌手のエルトン・ジョンさんはツイッターに「女王は品位と慎み深さと真に思いやりのある温かさによって、私たちを導いてくれました。子どものころからきょうに至るまで私の人生の中で大きな部分を占めてきた女王を失ったことをとても悲しく思います」とコメントしています。 世界的な人気を誇るイギリスのロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーさんは、ツイッターで「私の生涯において、女王は常にそこにおられました。子どものころ、テレビで女王の結婚式の様子を見たことを覚えています。女王は若く美しい女性から、国民から愛されるおばあさんになられました。王室の皆様に深くお悔やみ申し上げます」としています。 サッカーの元イングランド代表のデビッド・ベッカムさんは自身のインスタグラムに「私たちが感じている悲しみは女王がこの国や世界の人々にとってどれほど重要な存在であったかを示しています。彼女のリーダーシップが私たちにどれほどの影響を与え、困難なときにどれだけ私たちを勇気づけてくれたでしょうか。女王はその最期の日まで品位と品格をもって国に尽くしてくれました」とコメントし、死を悼みました。
町では今も、ワインの醸造を行っている町の施設に、当時、女王が飲んだものと同じ年に作られたワインを展示して、こうしたエピソードを紹介しています。 池田町ブドウ・ブドウ酒研究所の佐野寛所長は「当時は町でワイン造りを始めたばかりでしたが、女王からお褒めのことばをいただいたことで、苦労が報われたととても喜び、その後のワイン造りの励みになったと聞いています」と話していました。 そのうえで、女王が亡くなったことについて「突然のことで今はただ驚くばかりです。これからこの驚きが悲しみに変わってくると思います。本当に残念です」と話していました。
このライトアップは一晩中行われるということです。
そのうえで「エリザベス女王陛下はイギリス王室史上最長の70年にわたって在位され、世界の平和と繁栄のために極めて大きな役割を果たされた。昭和50年に訪日するなど、特に日英関係の強化に大いに貢献された。激動の世界情勢においてイギリスを導いたエリザベス女王陛下の崩御はイギリス国民のみならず国際社会にとって大きな損失だ」と述べました。 そして「イギリス国民がこの深い悲しみを乗り越えるにあたり、日本は常にイギリスとともにある。謹んで哀悼の意を表させていただく」と述べました。
エリザベス女王は、1926年4月、のちの国王、ジョージ6世の長女として生まれ、1952年、国王の死去に伴い、エリザベス2世として25歳で、王位を継承しました。
エリザベス女王は、ソーシャルメディアを活用して、国民とコミュニケーションを積極的にはかる姿勢を打ち出し「開かれた王室」を実践しました。 新型コロナウイルスの感染が拡大し、社会に不安が広がった際には、テレビ演説で連帯を呼びかけるなど、国民に寄り添ってきました。
天皇陛下も3回にわたってイギリスを公式訪問するなど、交流を深められてきました。 エリザベス女王は去年4月、長年連れ添った夫のフィリップ殿下を亡くし、その後、公務に復帰しましたが、ことし6月の「プラチナ・ジュビリー」では体調を考慮して礼拝を欠席するなど限られた機会しか姿を見せず、イギリス国内では健康を気遣う声が上がっていました。
イギリス王室によりますと、女王は8日朝の診察のあと、健康が懸念される状態だとして、医師団の監督のもとに置かれていましたが、現地時間の8日午後、安らかに亡くなったということです。96歳でした。 エリザベス女王のひつぎは、今後、スコットランドからロンドンに運ばれ、 女王の葬儀は、国葬としてロンドン中心部のウェストミンスター寺院で行われます。
この中でチャールズ国王は「私の最愛の母、女王の死去は私と家族全員にとって最大の悲しみのときだ。私たちは大切な君主、そして愛すべき母の死去を深く悼んでいる。女王の死は国全体、イギリス連邦、そして世界中の数え切れないほどの人たちに深い悲しみを持って受け止められている」としています。 そのうえで「私と家族は女王が広く敬愛されていたことを知ることで慰められ支えられる」と述べています。
トップ画面には「きょう午後、女王がバルモラル城で安らかに息を引き取りました。国王と王妃は今夜はバルモラル城に残り、あすロンドンに戻る予定です」と記し、チャールズ国王とカミラ王妃は、9日にロンドンに戻ることを明らかにしています。
冒頭、トラス首相は「われわれは打ちひしがれている。イギリス国内や世界中にとって大きなショックだ。女王は現代のイギリスの礎であり、そのもとでわが国は繁栄と成長をしてきた。今のすばらしいイギリスがあるのは女王のおかげだ」と謝意を示しました。 そして「エリザベス女王はわれわれに必要な安定と強さをもたらした。まさにイギリスの精神そのものでその精神は永遠に続く。イギリスと世界中で愛され、私個人、そして多くの国民の励みだった。その公務に対する献身はわれわれの模範だった」としています。 そのうえで、トラス首相は「エリザベス女王は生涯で100か国以上を訪れ、難しい時代の中にあって多くの人々と触れ合ってきた。イギリスとイギリス連邦、そして世界中の友人とともに並外れた生涯の奉仕をたたえたい」と述べ、その死を悼みました。
このうち9月に辞任したジョンソン前首相は、ツイッターに声明を発表しました。 ジョンソン前首相は「私たちの国にとって最も悲しい日だ。一人一人の心の中には私たちが思っていた以上に女王死去の痛みや喪失感がある」としています。 そして「女王は多くの場で笑顔とぬくもり、そしてユーモアという魔法を70年というたぐいまれなる間、国中に広げてきた」と述べ、長年の活躍をたたえました。 また、メイ元首相もツイッターに声明を投稿し「イギリスとイギリス連邦全体で、女王の死去を嘆いている。首相として女王に仕えることができたのは私の人生の名誉だ」と述べて追悼しました。
また、ロンドン郊外のウィンザー城の上に虹が出ている様子も中継で伝えていました。 世界各国のメディアも、一斉に女王の死を速報で伝えています。
60代のイギリス人女性は「歴史の変わる瞬間を見届けようと来ました。本当に国に尽くした人でした。外国にルーツのある人もここには集まっています。イギリスは彼女のおかげで多文化の国となりました」と話していました。 60代のイギリス人男性は「新型コロナの間も女王は国を1つにし、新たな首相を見届けて亡くなりました。本当に長生きでした」と目に涙を浮かべて話していました。 20代のイギリス人女性は「とても悲しいです。彼女は皆のお手本でした。世界中がこの瞬間を見ていると思います。とても歴史的な瞬間です」と話していました。 花を手向けた30代のイギリス人男性は「彼女は象徴的な存在で、その影響力は国中に広がっていました。彼女のことばやふるまいが私は好きでした。すばらしい指導者でした」と話していました。
60代のイギリス人の男性は「たった今、ニュースを知ったばかりで予期していたとはいえ、ショックです。イギリス人にとっては受け入れがたい事実ですが、首相も新しくなり、きっと1つにまとまると思います」と話していました。 また、イギリスを観光で訪れていた50代のアメリカ人の女性は「エリザベス女王はとても長い間女王でしたし、アメリカでも誰からも愛されていました。とてもショックです」と話していました。
この中で、モディ首相は、女王と一緒に写った2枚の写真も投稿し、インド独立の父とされるマハトマ・ガンジーが女王の結婚の際に贈ったというハンカチを女王から見せてもらったというエピソードも紹介しています。
この中で「カナダの歴史のほぼ半分となる70年間、女王としてカナダ国民に対し深く、変わらぬ愛情を注ぎ、強さと知恵をもって私たちのために力を尽くしてくれた」と述べ、感謝の気持ちを示しました。 そして「女王は思慮深く、賢く、好奇心旺盛で、親切で、おもしろく、そしてそれ以上のものを持っていた。複雑な世界において、女王の安定した優雅さと決意はわれわれに癒やしと強さを与えてくれた。世界で最も好きな人の1人で、いなくなるのはさみしい」と哀悼の意を示しました。
そして「アメリカ中の人々の思いと祈りは、悲しみにくれるイギリスおよびイギリス連邦の人々とともにある。彼女のレガシーは、イギリスの歴史と世界の物語に深く刻まれるだろう」として追悼しました。
この中で、プーチン大統領は「女王陛下の名前は、イギリスの現代史の最も重要な出来事と切っても切れない関係にある。何十年にもわたり、人々から愛と尊敬を集め、世界の舞台でも尊敬されてきた。取り返しのつかない大きな損失に直面する中、勇気と不屈の精神を発揮されることを祈っている。イギリスの王室と国民にお悔やみを伝えたい」としています。
そのうえで、国として3日間、喪に服すことを宣言しました。
このうち、トランプ前大統領はソーシャルメディアへの投稿で「エリザベス女王による卓越した統治は、イギリスに、平和と発展というすばらしい遺産を残した。彼女のリーダーシップと外交はアメリカや世界の国々との同盟関係を、より深いものにした」と功績をたたえました。 また、オバマ元大統領は声明で「エリザベス女王は何十年もかけて、自身ならではの女王としての役割を確立した。寛大さと気品、そして絶え間ない勤勉さが表れた統治だった。彼女の世代における、女性への偏見に挑戦するものでもあった」とたたえ、その死を悼みました。
アルバニージー首相はテレビ演説で「女王は試練や苦難の時、私たちとともにいてくれた。特に洪水や森林火災、戦争やパンデミックといった悲劇や災害に見舞われた時、オーストラリア国民の気持ちに寄り添ってくれた。女王のことば、女王の存在は多くの国民にとって慰め、希望、そして癒やしの源だった」と功績をたたえました。 そして「悲しみの時は過ぎ去るものだが、オーストラリア国民が常に抱いてきた女王への深い敬意と温かいまなざしは、決して色あせないだろう」と謝意を示しました。 また、イギリス連邦の加盟国、ニュージーランドのアーダーン首相も声明で「女王は愛され、称賛された君主であり、70年という記録的な在位期間は、私たちに対する献身の、絶対的な証だ。世界中の人々が大きな喪失感を抱いており、ニュージーランド国民も悲しみを共有している」と哀悼の意を示しました。
女王から勲章受章の長谷山名誉教授「心から哀悼の念」
日本でも政府機関で半旗掲げ弔意
英各界著名人から追悼メッセージ
ワイン提供の北海道池田町「お褒めのことばいただき励みに」
ブラジル 追悼のため巨大キリスト像をライトアップ
岸田首相「心から哀悼の意」9時半すぎ
これ以前の動きや反応は以下にまとめています
【動画】エリザベス女王 戴冠式
【動画】エリザベス女王 来日(1975年)
新たに即位したチャールズ国王「最大の悲しみのとき」
王室ウェブサイト 背景が黒に
イギリス トラス首相「並外れた生涯の奉仕をたたえたい」
イギリス 首相経験者が相次いで哀悼の意
各国メディア 一斉に速報
バッキンガム宮殿 多くの人が訪れ花束を手向ける
市民「受け入れがたい事実」
国連安保理で黙とう
国連 グテーレス事務総長「深く悲しんでいる」
各国首脳が追悼
インド モディ首相「温かさと優しさを忘れることはない」
ウクライナ ゼレンスキー大統領「心から哀悼の意」
カナダ トルドー首相「いなくなるのはさみしい」
フランス マクロン大統領「心優しい女王」
アメリカ バイデン大統領「イギリスの人々誇り与える存在」
ドイツ ショルツ首相「模範で心の励み」
ロシア プーチン大統領「イギリスの王室と国民にお悔やみ」
ブラジル ボルソナロ大統領「大きな衝撃と悲しみ」
アメリカ 歴代大統領が相次いで哀悼の意
オーストラリア アルバニージー首相「慰め 希望 癒やしの源」