A.とにかく2位いの倍ばいくらい（のホームラン数すう）でしょう。バッターとしての強烈きょうれつさというのを出だしていることがすごいと思おもう。

まだ5年ねん目めで、それだけほかの選手せんしゅを圧倒的あっとうてきに引き離ひきはなして、チームの勝利しょうりに貢献こうけんしている。

ファンの気持きもちの中なかに強烈きょうれつさを植え付うえつけ、見みせつけている。

そういうことは選手せんしゅとして最高さいこう。本人ほんにんも喜よろこんでいると思おもう。

話題わだいになることはすごいことだと思おもう。

5年ねん目めであれだけの強烈きょうれつなことをやれることがすごい。

Q.交流こうりゅう戦せんでソフトバンクと対戦たいせんし、千賀せんが滉ひろし大だい投手とうしゅや嘉よしみ弥わたる真ま新しん也投手とうしゅの難むずかしいボールをとらえたホームランもあった。村上むらかみ選手せんしゅのホームランバッターとしてのすごさや、すぐれているところをどう見みているか。

A.今いまの時代じだいはある程度あるていど、広角こうかくに打うてるというのは求もとめられるが、そういうことを十分じゅうぶんできる。練習れんしゅうでも思おもうが、ホームランの飛ひ距離きょりがすごい。

まあまあ普通ふつうのナイスホームランと、すごいと思おもわせるホームランは、ファンの人ひとから見みても全然ぜんぜん違ちがう。そういうホームランを打うてるようでないと、本数ほんすうもなかなか打うてない。

彼かれは常つねに飛ひ距離きょりにも技術ぎじゅつにもチャレンジしているだろう。今いまのような成績せいせきになっても全然ぜんぜん、慢心まんしんしていない。今いまが自分じぶんにとって1番ばん大事だいじな時ときだと取り組とりくんでいると思おもう。

野球やきゅう選手せんしゅとしてしっかりしているし、これからもっともっと、50本ほん、60本ほんとホームランを何なん回かいも打うてるような結果けっかを出だしてくれると僕ぼくは期待きたいしている。

A.去年きょねんのオリンピックで彼かれが打うったホームランも見みている。体勢たいせいをちょっと崩くずされながらでもホームランにするという応用おうよう力りょくをどんどん身みにつけている。

彼かれの中なかにはバッティングの迷まよいというのはあまりないと思おもう。

ホームランはそんなにコンスタントに出でるものではない。

2試合しあい、3試合しあい、4試合しあい出でなくても、次つぎ、普通ふつうにやっていたら、また1本ほん、2本ほんと出でる。自分じぶんに自信じしんを持もってやっていけば、それだけでいいと思おもう。

彼かれの強烈きょうれつさというのは、見みる者ものの胸むねに飛び込とびこんでくる。

彼かれのホームランは今いま、日本にっぽんで1番ばんの強烈きょうれつさを持もっている。

これからもファンは彼かれのホームランを楽たのしみにグラウンドに来きてくれたらいい。

テレビで見みるのではなくて、実物じつぶつを見みたいと思おもわせる選手せんしゅ。自分じぶんでグラウンドへ足あしを運はこんで、バットを振ふるところをみたいと思おもわせる選手せんしゅになったということがすばらしい。

村上むらかみくんもそうだと思おもう。皆みなさんからは「すごいな」とか言いわれるけど、本人ほんにんにしてみれば特別とくべつなことではない。

打うてちゃうから、打うてているだけで、べつにどうしようとか、こうしようとか、特別とくべつなことをやっているわけではない。

夏なつから秋あきにかけて、ずっと自分じぶんなりに、ことし1年ねんやってきたことを着実ちゃくじつにやっているだけだと思おもう。

その中なかでホームランの本数ほんすうが増ふえているし、5打席だせき連続れんぞくホームランを打うったり、技術ぎじゅつ的てきにも成長せいちょうしているし、精神せいしん的てきにも強つよくなっていると思おもう。だから本人ほんにんにとっては不思議ふしぎではないと思おもう。

不思議ふしぎではないから、もっともっと打うてるわけで、自分じぶんが感激かんげきしたり興奮こうふんしたりしているようでは打うてなくなってしまう。

だから本人ほんにんは、1本ほん打ぶてば、次つぎまた次つぎというふうに今いま、取り組とりくんでいると思おもう。残のこり試合しあいでどこまでいくか本当ほんとうに楽たのしみ。

A.僕ぼくはどちらかというと体からだがそんな大おおきい方ほうではなかった。

彼かれは打席だせきで構かまえても本当ほんとうにどっしりして、隙ひまがないという構かまえ方かたで、投なげる方ほうも大変たいへんだと思おもう。

アウトコースのいいところにいったのに、レフトとか左中間さちゅうかんに打ち込うちこまれたり、ちょっと泳およがしたと思おもってもスタンドまで十じゅう分ふん飛とんでいく。

この前まえ、アウトコースのスライダーを打うったのを見みたけれど、投なげる方ほうのピッチャーはすごく神経しんけいを使つかうと思おもう。

僕ぼくの経験けいけんからしても、ピッチャーが神経しんけいを使つかってくれればくれるほど、やっぱりミスが出でて、バッターは打うちやすい。

打うてるものなら打うってみろというくらいの球たまのほうが打うちにくい。

警戒けいかいしてくれたほうが、ちょっと手元てもとが狂くるったら球たまの勢いきおいも曲まがりの鋭するどさもいまいちだということで、打うつ方ほうからすればいいチャンスボールになる。

Q.警戒けいかいされるということで言いえば、王おう会長かいちょうもものすごくフォアボールが多おおくなった。村上むらかみ選手せんしゅもマークされてフォアボールが多おおい。

A.とにかく、無理むりして難むずかしい球たまを打うつことはない。いわゆる失投しっとう、ホームランになるようなボールは必かならず来くる。それを逃のがさないで打うつというだけでいいのではないか。もうフォアボールは止とめようが無ない。

だからそれは我慢がまんだと思おもう。

この打席だせきフォアボールだったら次つぎの打席だせきという切り替きりかえをうまくやればいいのではないか。

彼かれはそれをもう十分じゅうぶんできているのではないか。

A.チームが優勝ゆうしょう争あらそいしている中なかでは、ほかの選手せんしゅたちもものすごく燃もえているわけだから、そういう中なかでやれるのはいいこと。

たとえば最下位さいかいにいて、ほかの選手せんしゅはもう消化しょうか試合しあいだと思おもっている時ときに、1人にんで頑張がんばらないといけないのは、むしろ大変たいへんだと思おもう。

今いま、チームが1つになって、もちろん優勝ゆうしょうに近ちかいゲーム差さで、優勝ゆうしょうを決きめるまではみんながその気持きもちになってやるから、それは彼かれにとってはすごくいい状況じょうきょうではないか。

Q.村上むらかみ選手せんしゅはことし22歳さい。王おう会長かいちょうは24歳さいで55本ほんを達成たっせいし、その後そのごもホームラン王おうや三冠王さんかんおうのタイトルをとった。ここからの村上むらかみ選手せんしゅの成長せいちょうをどうみるか。会長かいちょうはどういう心境しんきょうで毎まいシーズンを迎むかえていたか。

A.とにかく彼かれは5年ねん目めでここまで来きた。今いままで5年ねん目めまでで、ここまで来きた選手せんしゅはいない。誰だれも歩あゆんだことのないところを、彼かれは1人にんで歩あるいている。

だからもう常つねに自分じぶんが切り開きりひらいていかないといけない。

ここまでの彼かれの歩あゆみを見みたら、それを十分じゅうぶん、彼かれができると思おもう。

1本ほん打うったら、次つぎまた1本ほんと考かんがえたらいい。

打うったことは過すぎたことだから、次つぎの1本ほんにチャレンジしていけばいい。

王おう会長かいちょうもたたいてホームランを打うたれていた。

彼かれのようなホームランバッターが出でてきたことをどう思おもうか。

A.フライボール革命かくめいというのは、いっときの流行りゅうこうだと思おもう。引力いんりょくがあって物ものは上うえから下したに落おちるわけだから、下したから上うえへというのは、もともと無理むりがある。

上うえから下したへ打ち込うちこんでいけばボールは上うえへ上あがっていく。丸まると丸まるが当あたってバットのほうが上うえにいったら、ボールは下したにいってしまう。

だからたたく感覚かんかくでいったらボールは上あがる。

僕ぼくらの時代じだいもずっとそうやってきた。そのこと自体じたいはよかったと自分じぶんで思おもっている。

村上むらかみくんもそういう思おもいを持もってやってくれているのだったら、彼かれは彼かれなりにホームランを打うつコツをそういう形かたちでとらえていると思おもいます。

Q.村上むらかみ選手せんしゅは若わかいが、彼かれのコメントはチームを背負せおう自覚じかくがあるように思おもう。その自覚じかくの中なかでホームランを打うっているように思おもうか。

A.年齢ねんれいというのはあんまり関係かんけいない。打うてる人ひとは打うてる。

ましてやクリーンアップはチームの勝敗しょうはいにいちばん関かかわる打順だじゅんだから、責任せきにんもほかの打順だじゅんの人ひとより多おおい。

村上むらかみくんは、それをもう十分じゅうぶん理解りかいして、試合しあいに臨のぞんでいると思おもう。

Q.いろんな選手せんしゅを見みてきた王おう会長かいちょう、村上むらかみ選手せんしゅの特徴とくちょうは。

A.あれだけの立派りっぱな体からだでどっしりして、少々しょうしょう、泳およいだり、つまったりしても、この前まえどこかの新聞しんぶんの談話だんわで「押し返おしかえした」と言いっていたけれど、あの若わかさでそれをつかんでいることはすごいこと。どうしても今いまはひっぱたこうとしてバットを振ふることで打うとうとしている人ひとが多おおい。

彼かれはボールとバットの芯しんを結むすんで、ボールが来きたところで押し返おしかえしていくという感かんじでいく。

ボールとバットがついている時間じかんも長ながく、ボールがなかなか落おちない。

彼かれのやっていることを僕ぼくは支持しじしたい。

久ひさしぶりに会長かいちょうの記録きろくに並ならぶ選手せんしゅが出でてきたことをどう思おもうか。

A.実際じっさいに50本ほん以上いじょう打うつというのは大変たいへんなこと。1年ねんを通をとおして、春はる夏秋なつあきとシーズンも変かわってくる。その間そのかんには体調たいちょうとか、調子ちょうしもあるから毎日まいにち同おなじというわけにいかない。このごろは、相手あいてもとにかくデータで研究けんきゅうしてくる。

同時どうじに、今いまは分業ぶんぎょう制せいだから、1試合しあいで同おなじピッチャーに4回かい当あたることもほとんどない。4回かい違ちがう場合ばあいもあるだろうし、最初さいしょのピッチャーは2回かい、3回かい当あたるけれど、あとは必かならず違ちがうピッチャー、専門せんもん家かが出でてくる。

そういう中なかで、今いま、ホームランを量産りょうさんするというのは、われわれの時代じだいよりも難むずかしい。

そういう中なかで、それだけ打うっていることは、彼かれの技術ぎじゅつがいかに今いまの時代じだいの若わかい選手せんしゅたちの中なかでずぬけているかということ。

Q.このペースでいけば三冠王さんかんおうも視野しやに入はいる。王おう会長かいちょうが55本ほんを打うった年としは三冠王さんかんおうを逃のがしている。打率だりつを含ふくめ、すべてをキープする難むずかしさをどう見みているか。

A.1番ばん難むずかしいのは打率だりつ。なぜかというと全ぜん選手せんしゅが相手あいてだから。

ホームランはある一部いちぶの人ひとが相手あいて。はなからホームランレースに入はいっていない人ひともいる。

ところが、打率だりつは途中とちゅうからは絞しぼられるけれど、みんなが敵てきでスタートする。やっぱり1つをねらう人ひとは、それなりの執念しゅうねんを持もってくる。

最後さいごの最後さいごまでどうなるかは分わからないけれど、彼かれは今いま、自分じぶんのバッティングを信しんじているだろうから、今いままでと同おなじようにやっていれば必かならずいい結果けっかが出でるのではないか。

A.とにかく1点てんを取とるのに、みんながあれだけ苦労くろうして野球やきゅうをやっている。たとえばノーアウト三塁さんるいだからといって絶対ぜったい点てんが入はいるとは限かぎらない。

ところが（ホームランであれば）ひと振ふりで最低さいていでも絶対ぜったいに1点てんが入はいる。ランナー3人にんいれば4点てん入はいる。

やっぱり「野球やきゅうの華はな」と言いわれるように、相手あいてはどうしようもない。

もうスタンドに入はいったら止とめようがない。ファンもそれを望のぞんでいる。

アメリカの大谷おおや（翔しょう平たいら）くんが注目ちゅうもくされているのはピッチャーとしてすごいこともあるけれど、日本にっぽんの選手せんしゅがホームラン王おう争あらそいに加くわわっていたことで、大おおきな騒さわぎになったと思おもう。

それだけホームランをファンの人ひとが望のぞんでいる。

人ひとが望のぞむようなことをできるのは、すばらしいこと。

村上むらかみくんには、これからもどんどんより大おおきなホームランをよりたくさん打うつということにチャレンジしてほしい。

Q.ホームラン60本ほんを超こえるか。

A.60本ほんも夢ゆめではない。

特とくにホームランは2本ほん、3本ほんと打うてるときがある。可能かのう性せいはあると思おもう。