メタノール飲ませ妻を殺害か製薬会社の夫逮捕東京大田区 - Easy News

ことし1月つき、東京とうきょう大田おおた区くのマンションで妻つまにメタノールを飲のませるなどして殺害さつがいしたとして、製薬せいやくメーカーに勤つとめる40歳さいの夫おっとが殺人さつじんの疑うたがいで警視庁けいしちょうに逮捕たいほされました。

夫おっとは薬品やくひんの研究けんきゅうや開発かいはつの業務ぎょうむにあたっていて、警視庁けいしちょうが詳くわしいいきさつを調しらべています。

調しらべに対にたいし、容疑ようぎを否認ひにんしているということです。

逮捕たいほされたのは大田おおた区く西馬込にしまごめの製薬せいやくメーカーの社員しゃいん、吉田よしだ佳けい右みぎ容疑ようぎ者しゃ（40）です。

警視庁けいしちょうによりますと、ことし1月つき、自宅じたくのマンションで、妻つまの容子ようこさん（40）にメタノールを飲のませるなどして殺害さつがいしたとして、殺人さつじんの疑うたがいが持もたれています。

容子ようこさんは室内しつないで意識いしき不明ふめいの状態じょうたいとなって病院びょういんに運はこばれたあと死亡しぼうし、警視庁けいしちょうが詳くわしく調しらべた結果けっか、血液けつえきなどから致死ちし量りょうのメタノールが検出けんしゅつされ、死因しいんは「急性きゅうせいメタノール中毒ちゅうどく」だったということです。

胃いの内容ないよう物ぶつからもメタノールが検出けんしゅつされたことから食事しょくじに混まぜられた可能かのう性せいがあるということで、警視庁けいしちょうが殺害さつがいされた疑うたがいもあるとみて捜査そうさしていました。

捜査そうさ関係かんけい者しゃによりますと、夫おっとは勤務きんむ先さきで薬品やくひんの研究けんきゅう・開発かいはつの業務ぎょうむにあたっていてメタノールを取り扱とりあつかう機会きかいがあったということです。

市販しはんのものなど外部がいぶから購入こうにゅうした履歴りれきは確認かくにんされていないということで、警視庁けいしちょうが詳くわしいいきさつを調しらべています。

警視庁けいしちょうの調しらべに対にたいし「事実じじつではない。妻つまに殺意さついを抱だいたことはないし、家いえにメタノールを持ち込もちこんでいない」などと容疑ようぎを否認ひにんしているということです。

メタノール「少量しょうりょうでも死しに至いたる可能かのう性せい」

メタノールは、アルコールの一種いっしゅで、燃料ねんりょうや化学かがく品ひんの原料げんりょう、工業こうぎょう用品ようひんの洗浄せんじょうなど幅広はばひろい用途ようとで使つかわれています。

体内たいないに取り込とりこむと、分解ぶんかいされて有害ゆうがいな「ギ酸さん」という物質ぶっしつが生成せいせいされ、失明しつめいしたり、「急性きゅうせいメタノール中毒ちゅうどく」によって死亡しぼうしたりすることもあるということです。

また、飲料いんりょうなどに混まぜたとしても、味あじやにおいにほとんど変化へんかはないとされ、海外かいがいではメタノールを使つかった密造みつぞう酒しゅによって多数たすうの死者ししゃが出でる事故じこも報告ほうこくされています。

薬物やくぶつや毒物どくぶつの中毒ちゅうどくに詳くわしい国際こくさい医療いりょう福祉ふくし大学だいがく成田なりた病院びょういんの千葉ちば拓つぶせ世よ医師いしは「純度じゅんどの高たかいものを人ひとが口くちにするとかなり少量しょうりょうで死しに至いたる可能かのう性せいがある。刺激しげき臭しゅうや色いろがなく、アルコールのにおいがする程度ていどで、気付きづきにくく、非常ひじょうに危険きけんだ」と話はなしていました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、誤あやまって飲み込のみこむなどした場合ばあいは直ただちに医師いしに連絡れんらくするよう注意ちゅういを呼よびかけています。

第だい一いち三共さんきょう「厳正げんせいに対処たいしょ社員しゃいんの指導しどうを徹底てってい」

容疑ようぎ者しゃが勤務きんむする大手おおて製薬せいやくメーカーの第だい一いち三共さんきょうは、社員しゃいんが殺人さつじんの疑うたがいで逮捕たいほされたことについて眞まこと鍋なべ淳じゅん社長しゃちょう名めいでコメントを出だしました。

このなかで「社員しゃいんが逮捕たいほされたことを大変たいへん重おもく受け止うけとめており、警察けいさつの捜査そうさに全面ぜんめん的てきに協力きょうりょくし、事実じじつ関係かんけいを確認かくにんしたうえで、会社かいしゃとして厳正げんせいに対処たいしょするとともに、社員しゃいんの指導しどうを徹底てっていします」などとしています。