ＮＨＫえぬえいちけいが入手にゅうしゅした映像えいぞうではキム委員いいん長ちょうが、列車れっしゃとホームの間まに設置せっちされた階段かいだんを降おり、右手みぎてで帽子ぼうしを取とって出迎でむかえた人ひとたちにあいさつしていました。

駅えきのホームには赤あかいじゅうたんが敷しかれ、ロシア外務省がいむしょうのモルグロフ次官じかんなどロシア政府せいふの高官こうかんが出迎でむかえている様子ようすがわかります。

キム委員いいん長ちょうは、両国りょうこくの友好ゆうこうを記念きねんして建たてられた「キム・イルソン（金きむ日成いるそん）の家いえ」とも呼よばれる施設しせつを訪問ほうもんしたあと、再ふたたび専用せんよう列車れっしゃに乗り込のりこみ、国境こっきょうから300キロ余あまり離はなれた極東きょくとうの中心ちゅうしん都市としウラジオストクに向むかっています。

北朝鮮きたちょうせんの最高さいこう指導しどう者しゃがロシアを訪問ほうもんするのは、キム委員いいん長ちょうの父親ちちおやのキム・ジョンイル（金きむ正日じょんいる）総そう書記しょきが2011年ねん８月はちがつに訪おとずれて以来いらい、およそ８はち年ねんぶりです。

キム委員いいん長ちょうは24日にち午後ごご、ウラジオストクに到着とうちゃくし、25日にちロシアのプーチン大統領だいとうりょうと初はじめての首脳しゅのう会談かいだんに臨のぞむ予定よていで、朝鮮ちょうせん半島はんとうの非核ひかく化かをめぐってどのような意見いけんが交かわされるかが焦点しょうてんです。

なぜ列車れっしゃで？

キム・ジョンウン朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう委員いいん長ちょうは、ことし２月にがつの米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんのために訪おとずれたベトナムに続つづいて、ロシアにも専用せんよう列車れっしゃで向むかいました。

その理由りゆうの１ひとつとしては、移動いどうの安全あんぜん性せいを考慮こうりょしたことがありそうです。

キム委員いいん長ちょうの専用せんよう機きである旧きゅうソビエト製せいのジェット旅客機りょかくき、イリューシン62型がたは1993年ねんに生産せいさんが終了しゅうりょうしており、老朽ろうきゅう化かが指摘してきされています。

去年きょねん６月ろくがつにシンガポールで行おこなわれた初はじめての米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんの際さい、キム委員いいん長ちょうは中国ちゅうごく国際こくさい航空こうくうのチャーター機きで現地げんちを訪おとずれましたが、再ふたたび外国がいこくの力ちからを借かりることを避さけた可能かのう性せいもありそうです。

また、経済けいざいの立て直たてなおしに力ちからを入いれているキム委員いいん長ちょうが、列車れっしゃからロシアの経済けいざい発展はってんの状況じょうきょうを確認かくにんすることが目的もくてきになっていることも考かんがえられます。

さらに、長時間ちょうじかん、列車れっしゃに乗のって出発しゅっぱつから到着とうちゃくまで世界せかいのメディアから注目ちゅうもくを集あつめることで、みずからの存在そんざい感かんを誇示こじしたいという思惑おもわくもあるとみられます。

ウラジオストク駅えき周辺しゅうへんでは

北朝鮮きたちょうせんのキム・ジョンウン朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう委員いいん長ちょうが24日にち午後ごご、列車れっしゃで到着とうちゃくするとみられるウラジオストク駅えきの周辺しゅうへんでは、朝あさから警察官けいさつかんがところどころに配置はいちされ、車くるまの通行つうこうが制限せいげんされるなど、徐々じょじょに警備けいびが強化きょうかされています。

また、駅えきの正面しょうめんの高台たかだいには、キム委員いいん長ちょうの姿すがたをカメラでとらえようと、ロシアや日本にっぽん、それに韓国かんこくなどの報道ほうどう関係かんけい者しゃが大勢たいせい集あつまっていて、関心かんしんの高たかさがうかがえます。

首脳しゅのう会談かいだんが行おこなわれるウラジオストクでは、駅えきの周辺しゅうへんなどさまざまな場所ばしょに北朝鮮きたちょうせんとロシアの国旗こっきが掲かかげられ、キム委員いいん長ちょうを迎むかえる準備じゅんびが進すすめられています。