北朝鮮の
国営メディアは、キム・ジョンウン(
金正恩)
朝鮮労働党委員長が、
北部に
ある軍需工場などを
相次いで
視察したことを
伝え、
制裁解除の
見通しが
立たない
中でも、みずからの
力で
経済を
立て直すとともに、
国防力の
強化を
重視する
姿勢を
示すねらいがあるとみられます。
1日付けの朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、キム・ジョンウン委員長が、4か所の工場などを相次いで視察したと1面から5面にかけて大きく報じました。
このうち、北部チャガン(慈江)道にある兵器を製造していると指摘される工場の視察では、「国防力強化にしっかりと貢献する性能の高い機械設備を思う存分生産している」として、軍事面での貢献を高く評価したということです。
キム委員長の視察が伝えられるのは、先月の短距離弾道ミサイルの発射訓練以来22日ぶりで、制裁解除の見通しが立たない中でも、みずからの力で経済を立て直すとともに、国防力の強化を重視する姿勢を示すねらいがあるとみられます。
また、芸術やスポーツの分野で優れた子どもを育てる施設も視察し、キム委員長の周りで感激のあまり泣きじゃくる子どもたちの写真も大きく掲載されるなど、包容力のある指導者像を演出して求心力を高めたい思惑もうかがわせています。