イラン大統領反米・保守強硬派のライシ師が当選 - Easy News

イランの大統領だいとうりょう選挙せんきょで反米はんべい・保守ほしゅ強硬きょうこう派はのライシ師しが当選とうせんし、現在げんざいのロウハニ政権せいけんがとってきた欧米おうべいとの対話たいわ路線ろせんが転換てんかんされる見通みとおしとなりました。イラン核かく合意ごういの立て直たてなおしに向むけ続つづけられているアメリカとの間接かんせつ協議きょうぎに、どのような影響えいきょうが出でるのかが当面とうめんの焦点しょうてんとなります。

18日にちに投票とうひょうが行おこなわれたイランの大統領だいとうりょう選挙せんきょは、司法しほう府ふ代表だいひょうを務つとめるイスラム法学ほうがく者しゃで保守ほしゅ強硬きょうこう派はのライシ師しが、得票とくひょう率りつおよそ62％で2位い以下いかに大差たいさをつけて当選とうせんしました。

ライシ師しはことし8月つきに大統領だいとうりょうに就任しゅうにんします。

反米はんべい・保守ほしゅ強硬きょうこう派はの政権せいけんが誕生たんじょうするのは8年ねんぶりで、現在げんざいのロウハニ政権せいけんがとってきた欧米おうべいとの対話たいわ路線ろせんが転換てんかんされる見通みとおしとなりました。

ライシ師しは19日にち、ロウハニ大統領だいとうりょうと会談かいだんしたあと「国民こくみんから与あたえられた重おもい職責しょくせきを果はたすため全力ぜんりょくを尽つくしたい」と決意けついを語かたりました。

ライシ師しは、最大さいだいの懸案けんあんの一ひとつで、アメリカのトランプ前ぜん政権せいけんが一方いっぽう的てきに離脱りだつしたイラン核かく合意ごういについて、合意ごういを維持いじする意向いこうを示しめしています。

一方いっぽうで、アメリカに安易あんいな譲歩じょうほはしないとも強調きょうちょうしていることから、合意ごういの立て直たてなおしに向むけことし4月つきから続つづけられているアメリカとの間接かんせつ協議きょうぎに、どのような影響えいきょうが出でるのかが当面とうめんの焦点しょうてんとなります。

支持しじ者しゃが当選とうせん祝いわう集会しゅうかい「アメリカに死しを」と声こえ上あげる

イランの首都しゅとテヘランの中心ちゅうしん部ぶでは、ライシ師しの当選とうせんを祝いわおうと1000人にん以上いじょうの支持しじ者しゃらが集あつまりました。

集あつまった人ひとたちは花火はなびを打ち上うちあげたり、ライシ師しの顔かお写真しゃしんを掲かかげて名前なまえを連呼れんこしたりして盛大せいだいに当選とうせんを祝いわっていました。

中なかには「アメリカに死しを」とか「イスラエルに死しを」などとイランと敵対てきたいする国くにを名指なざしして、シュプレヒコールをあげている支持しじ者しゃもいました。

26歳さいの男性だんせいは「幸しあわせな気分きぶんだ。ライシ大統領だいとうりょうのもとで、イランがどんどん強つよい国くにになってほしい」と興奮こうふん気味ぎみに話はなしていました。

国民こくみんからは期待きたいと不安ふあんの声こえ

イランの大統領だいとうりょう選挙せんきょについて、首都しゅとテヘランでは、ライシ師しに投票とうひょうした人ひとからは歓迎かんげいと期待きたいの声こえが聞きかれる一方いっぽう、投票とうひょうを棄権きけんした人ひとからは失望しつぼうや不安ふあんの声こえが多おおく聞きかれました。

このうちライシ師しに投票とうひょうしたという27歳さいの女性じょせいは「とてもうれしいです。若者わかものの雇用こようが改善かいぜんし、経済けいざいが少すこしでも正常せいじょうになることを最もっとも期待きたいします」と話はなしていました。

同おなじくライシ師しに投票とうひょうしたという35歳さいの男性だんせいは「現在げんざいの苦境くきょうから抜ぬけだし、状況じょうきょうが改善かいぜんしてくれるとうれしいです」と話はなし、アメリカの制裁せいさいなどで疲弊ひへいした経済けいざいの立て直たてなおしに期待きたいを示しめしました。

一方いっぽう、投票とうひょうを棄権きけんしたという35歳さいの女性じょせいは、反米はんべい・保守ほしゅ強硬きょうこう派はの政権せいけんが誕生たんじょうすることについて「アメリカの制裁せいさいは続つづき、解除かいじょされることはないでしょう。経済けいざいが改善かいぜんするとは思おもえず、今いまよりもっと悪わるくなるかもしれません」と不安ふあんげに話はなしていました。

また、同おなじように投票とうひょうに行いかなかったという35歳さいの男性だんせいは「ライシ師しは反米はんべいなので状況じょうきょうは何なにも変かわりません。アメリカと友達ともだちになれとはいいませんが、少すくなくとも敵対てきたいするのはやめてほしいです」と話はなし、アメリカとの関係かんけい改善かいぜんに悲観ひかん的てきな見方みかたを示しめしていました。

プーチン大統領だいとうりょう「2国こく間かん協力きょうりょくのさらなる発展はってんに期待きたい」と祝福しゅくふく

イランの友好国ゆうこうこく、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは、ライシ師しの当選とうせんを祝福しゅくふくするメッセージを送おくりました。

ロシア大統領だいとうりょう府ふによりますと、このなかでプーチン大統領だいとうりょうは「あなたの活動かつどうが建設けんせつ的てきな2国こく間かん協力きょうりょくや、国際こくさい問題もんだいにおけるパートナーシップのさらなる発展はってんにつながることを期待きたいする。こうした協力きょうりょくは両りょう国民こくみんの利益りえきに完全かんぜんに合致がっちし、地域ちいきの安全あんぜんと安定あんていを強化きょうかすることにもなる」としています。

エルドアン大統領だいとうりょう「イラン訪問ほうもんを楽たのしみにしている」

イランを地域ちいきの大国たいこくとして重視じゅうしする、隣国りんごくトルコのエルドアン大統領だいとうりょうは、当選とうせんしたライシ師しにメッセージを送おくり祝意しゅくいを伝つたえたということです。

トルコ大統領だいとうりょう府ふによりますと、この中なかでエルドアン大統領だいとうりょうは「あなたが大統領だいとうりょうの間まに両国りょうこくの協力きょうりょくが一層いっそう強化きょうかされると信しんじている。新型しんがたコロナウイルスのパンデミックを乗り越のりこえたあと、イランを訪問ほうもんするのを楽たのしみにしている」としています。

イスラエル「史上しじょう最もっとも過激かげきな大統領だいとうりょう」と声明せいめい

イランと敵対てきたいするイスラエルの外務省がいむしょうは声明せいめいを発表はっぴょうし「誰だれが当選とうせんするか最高さいこう指導しどう者しゃが実質じっしつ的てきに指示しじした結果けっか、全ぜん有権者ゆうけんしゃの50％にも満みたないイラン国民こくみんが史上しじょう最もっとも過激かげきな大統領だいとうりょうを誕生たんじょうさせた」と強つよく非難ひなんしました。

そのうえで、「イランの核かく計画けいかくは即座そくざに停止ていしし、完全かんぜんに元もとに戻もどし、絶対ぜったい的てきに止とめられなければならない」などと訴うったえました。

今月こんげつ就任しゅうにんしたイスラエルのベネット首相しゅしょうは演説えんぜつで「イランの核かく武装ぶそうを許ゆるさない。われわれは核かく合意ごういのメンバーではなく、自由じゆうに行動こうどうを起おこすことができる」と述のべ、イランをけん制けんせいしていて、激はげしく対立たいりつする両国りょうこくの関係かんけいは、今後こんごも緊張きんちょうした状態じょうたいが続つづくものとみられます。