全国に
ある国立ハンセン病療養所に
少なくとも1000
人以上の
入所者の
遺体を
解剖した
記録が
残されていることがNHKの
取材で
新たに
分かりました。
入所する
際に
本人に
一律に
同意を
求めていた
療養所もあり、
専門家は「
本来、
医学目的で
行われるべき
解剖が
常態化していたことを
伺わせるもので、
国は
検証のためにも
全国の
療養所の
記録の
有無を
速やかに
調査すべきだ」としています。
国立ハンセン病療養所で
行われていた
遺体の
解剖をめぐっては
これまで
詳細が
分かっていませんでしたが、ことし9
月熊本県の「
菊池恵楓園」が
施設などに
残る資料から
少なくとも389
人の
遺体が
解剖されていたと
明らかにし、
元患者などからは
全国の
療養所での
調査と
検証を
求める声があがっていました。
NHKが熊本以外の全国12の療養所に同様の資料が残されていないかアンケートを行ったところ、鹿児島県の星塚敬愛園で1081人、青森県の松丘保養園で少なくとも112人の解剖を行った記録が残っていたことが新たにわかりました。
現在、解剖は医師が必要だと判断すれば原則、遺族の同意のもと行うことができますが、「星塚敬愛園」では昭和40年代まで入所する際の誓約書で一律に解剖への同意を求めていたということで、NHKの取材に対し、「同意の取り方はいまから考えれば人権への配慮が不十分だったと考えられる。亡くなった場合には解剖されることが前提となっていたのではないかとみられ、のちの検証のためにも資料を残していきたい」と話しています。
ハンセン病の問題に詳しい九州大学の内田博文名誉教授は「療養所が解剖の記録の存在を認めたことは今後、医学的な目的だったのか検証していくうえで大きなステップになる。本来、医学目的で行われるべき遺体の解剖が常態化していたことを伺わせるもので、国は速やかに全国の療養所で記録の有無や実態を調査すべきだ」と話しています。