米べいデラウェア州しゅうの衡平法裁判所こうへいほうさいばんしょのキャスリーン・マコーミック判事はんじは３０日にち、米電気自動車べいでんきじどうしゃ（ＥＶ）メーカー、テスラがイーロン・マスク最高経営責任者さいこうけいえいせきにんしゃ（ＣＥＯ） に付与ふよするとした報酬ほうしゅうパッケージを無効むこうとする判断はんだんを下くだした。マスク氏しが世界有数せかいゆうすうの富豪ふごうとなるに当あたっては、この報酬ほうしゅうも寄与きよしていた。

マコーミック判事はんじは、マスク氏しとテスラの取締役会とりしまりやくかいについて、「報酬ほうしゅうプランが公正こうせいなものだと証明しょうめいする責任せきにんを負おっていながら、それを果はたさなかった」と指摘してきした。

３０日にちのテスラ株かぶの終値おわりねを基もとに計算けいさんした報酬ほうしゅうパッケージの現在げんざいの額がくは５１０億おくドル（約やく７兆ちょう５０００億円おくえん）。

デラウェア州しゅうでは、テスラをはじめ多おおくの米大企業べいだいきぎょうが会社かいしゃを設立せつりつしている。マスク氏しは今回こんかいの裁判所さいばんしょの判断はんだんにコメントしていないが、 Ｘ（旧きゅうツイッター）への投稿とうこうで「デラウェア州しゅうでは絶対ぜったいに会社かいしゃを設立せつりつしてはならない」とつぶやいた。

訴訟そしょうを起おこした株主かぶぬしらの弁護士べんごしは、報酬ほうしゅうパッケージのオプション価値かちが過剰かじょうだと主張しゅちょう。取締役会とりしまりやくかいの役員やくいんらも真しんに独立どくりつしておらず、マスク氏しに近ちかすぎるため株主かぶぬしの利益りえきを守まもれていないとした。

弁護士べんごしの一人ひとりは声明せいめいで、裁判所さいばんしょの判断はんだんへの感謝かんしゃを表明ひょうめい。この判断はんだんがテスラへの投資家とうしかの利益りえきになると述のべた。

一方いっぽう、マスク氏しとテスラ取締役会とりしまりやくかいの弁護士べんごしは報酬ほうしゅうパッケージについて、株主投票かぶぬしとうひょうで承認しょうにんされたものだと主張しゅちょう。投票とうひょうではマスク氏しと兄弟きょうだいの投票権とうひょうけんを除外じょがいした状態じょうたいで、７３％が報酬ほうしゅうパッケージを支持しじしたという。

今回こんかいの判断はんだんは、州最高裁しゅうさいこうさいに上訴じょうそされる可能性かのうせいがある。