大だい相撲すもう 元もと横綱よこづな 曙あけぼの太郎たろうさん死去しきょ 54歳さい 外国がいこく出身しゅっしん力士りきし史上しじょう初はつの横綱よこづな

記事きじ後半こうはんでは、現役げんえき時代じだい、しのぎを削けずってきた「若貴わかたか兄弟きょうだい」との歴史れきしや、角界かくかいなどからの追悼ついとうのメッセージをお伝おつたえしています。

元もと横綱よこづな 曙あけぼの太郎たろうさん死去しきょ 外国がいこく出身しゅっしん力士りきし史上しじょう初はつの横綱よこづな

元もと横綱よこづな・曙あけぼのの曙あけぼの太郎たろうさんは、ハワイ・オアフ島とう出身しゅっしん。若乃花わかのはな、貴乃花たかのはなと同おなじ昭和しょうわ63年ねんの春場所はるばしょで初はつ土俵どひょうを踏ふみました。

身長しんちょう2メートル3センチ、体重たいじゅう200キロを超こえる体格たいかくと長ながい腕うでを生いかした突つき押おし相撲すもうで活躍かつやくしました。

そして、大関おおぜきとして臨のぞんだ平成へいせい4年ねんの九州きゅうしゅう場所ばしょと続つづく平成へいせい5年ねんの初はつ場所ばしょで連続れんぞく優勝ゆうしょうして、外国がいこく出身しゅっしん力士りきしとしては初はじめての横綱よこづなに昇進しょうしんし、平成へいせい13年ねんの初はつ場所ばしょ後ごに引退いんたいするまで11回かいの優勝ゆうしょうを果はたしました。

引退いんたい後ごは、東関ひがしせき部屋へやの部屋へや付つきの親方おやかたとして後進こうしんの指導しどうにあたっていましたが平成へいせい15年ねんに日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいを退職たいしょくし、その後そのご、プロレスなどほかの格闘技かくとうぎに舞台ぶたいを移うつして活動かつどうしました。

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいによりますと、今月こんげつ上旬じょうじゅん、都内とないの病院びょういんで心不全しんふぜんのため、亡なくなったということです。54歳さいでした。

（※しこ名しこなは者ものの上うえに点てん）

元もと横綱よこづな 若乃花わかのはなの花田はなた虎とら上じょうさん「ただただ寂さびしい」

曙あけぼの太郎たろうさんが亡なくなったことについて、同おなじ時期じきに角界かくかい入いりした元もと横綱よこづな 若乃花わかのはなの花田はなた虎とら上じょうさんは「曙あけぼのの訃報ふほうに際にさいし」というタイトルでみずからのブログを更新こうしんし「ライバルであり友ともであり、苦楽くらくをともにした仲間なかまが旅立たびだちました。現在げんざい、曙あけぼのの訃報ふほうに際にさいし、コメントを求もとめられていますが、あまりのショックにお話おはなしできるような状態じょうたいではありませんので申し訳もうしわけありませんが文章ぶんしょうにします。突然とつぜんのことに送り出おくりだす言葉ことばが全まったく見みつかりません」と心境しんきょうをつづっています。

そして「お互おたがい協会きょうかいから離はなれて頑張がんばってきたけれど、離はなれていてもいつも心こころにいました。切磋せっさ琢磨たくましてライバルとして戦たたかってきた分ぶん、愛情あいじょうが深ふかく、言葉ことばでは言い表いいあらわせないものがあります。また会あいたい気持きもちが強つよく、年としを取とったらハワイの木の下このしたで同期どうき生せいみんなで会あおうと曙あけぼのと話はなしていた、その約束やくそくも果はたせず、ただただ寂さびしいです」とコメントしました。

そして、最後さいごに「ゆっくり待まってて。ハワイの木の下このしたでまた会あおうね。会あいに行いくね」と締しめくくっています。

◇外国がいこく出身しゅっしん横綱よこづなの先駆さきがけとして活躍かつやく

元もと横綱よこづな 曙あけぼのの曙あけぼの太郎たろうさんは、ハワイ・オアフ島とう出身しゅっしんの54歳さい。昭和しょうわ63年ねん春場所はるばしょで初はつ土俵どひょうを踏ふみ、兄弟きょうだいで横綱よこづなになった若乃花わかのはなや貴乃花たかのはななど同期どうき入門にゅうもんのライバルたちとともに「花はなのロクサン組ぐみ」として土俵どひょうを沸わかせました。

身長しんちょう2メートル余あまり、体重たいじゅう200キロを超こえる体格たいかくと長ながい腕うでを生いかした突つき押おし相撲すもうで番付ばんづけをあげ、平成へいせい4年ねんの夏場なつば所しょ後ごに大関おおぜきに昇進しょうしんしました。

そして、その年としの九州きゅうしゅう場所ばしょから2場所ばしょ続つづけて優勝ゆうしょうして第だい64代だい横綱よこづなに昇進しょうしんしました。

外国がいこく出身しゅっしん力士りきしの横綱よこづな昇進しょうしんは史上しじょう初はじめてで、その後そのごの武蔵丸むさしまるや朝あさ青龍せいりゅう、白はく鵬ほうなどの外国がいこく出身しゅっしん横綱よこづなの先駆さきがけとして活躍かつやくし史上しじょう10位いとなる11回かいの優勝ゆうしょうを果はたしました。

また、平成へいせい10年ねんの長野ながのオリンピックでは開会かいかい式しきで力強ちからづよい横綱よこづな土俵入どひょういりを披露ひろうし話題わだいとなりました。

平成へいせい13年ねんの初はつ場所ばしょ後ごに引退いんたいしたあとは東関ひがしせき部屋へやの部屋へや付つきの親方おやかたとして後進こうしんの指導しどうにあたっていましたが、平成へいせい15年ねんに日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいを退職たいしょくしました。

そして、この年としの大おおみそかに格闘かくとう技わざの「K―1」に参戦さんせんし、当時とうじ、人気にんきの絶頂ぜっちょうにあったボブ・サップ選手せんしゅと対戦たいせんし、大おおきな話題わだいを集あつめました。その後そのごも格闘かくとう技わざやプロレスなどの大会たいかいに出場しゅつじょうし、みずからプロレス団体だんたいを立たち上あげるなど精力せいりょく的てきに活動かつどうしてきました。

若貴わかたか兄弟きょうだいと何なん度ども名めい勝負しょうぶ

元もと横綱よこづな 曙あけぼのの曙あけぼの太郎たろうさんは大だい相撲すもうの現役げんえき時代じだい、兄弟きょうだいで横綱よこづなに昇進しょうしんした若乃花わかのはなと貴乃花たかのはなの「若貴わかたか兄弟きょうだい」としのぎを削けずってきました。

曙あけぼのさんと若貴わかたか兄弟きょうだいは昭和しょうわ63年ねんの春場所はるばしょで初はつ土俵どひょうを踏ふんだ同期どうき生せいで、曙あけぼのさんは平成へいせい5年ねんの初はつ場所ばしょ後ごに横綱よこづなに昇進しょうしんしたあと、横綱よこづなを目指めざす兄弟きょうだいの大おおきな壁かべとなってきました。

横綱よこづな3場所ばしょ目めとなった平成へいせい5年ねんの名古屋なごや場所ばしょ千秋楽せんしゅうらくで、曙あけぼのさんは、当時とうじの大関おおぜき 貴たかノ花はな、関脇せきわけ 若ノ花わかのはなと13勝しょう2敗はいで並ならび、ともえ戦せんで優勝ゆうしょうを争あらそいました。

最初さいしょに2連勝れんしょうした力士りきしが優勝ゆうしょうとなる方式ほうしきで、曙あけぼのさんは最初さいしょの一番いちばんで若ノ花わかのはなを押し倒おしたおすと、貴たかノ花はなも寄り倒よりたおして2連勝れんしょうし、兄弟きょうだいの直接ちょくせつ対決たいけつに持ち込もちこませず横綱よこづなとして初はじめての優勝ゆうしょうを果はたしました。

その後そのごも兄弟きょうだいと何なん度ども名めい勝負しょうぶを繰り広くりひろげ、平成へいせい6年ねんの九州きゅうしゅう場所ばしょ千秋楽せんしゅうらくでは、29連勝れんしょう中ちゅうだった貴乃花たかのはなに50秒びょう近ちかい熱戦ねっせんの末すえに敗やぶれ、貴乃花たかのはなは2場所ばしょ連続れんぞく優勝ゆうしょうを飾かざり場所ばしょ後ごに横綱よこづなに昇進しょうしんしました。

優勝ゆうしょう決定けってい戦せんを除のぞいた若貴わかたか兄弟きょうだいとの対戦たいせん成績せいせきは、若乃花わかのはなとは18勝しょう17敗はい、貴乃花たかのはなとは21勝しょう21敗はいときっ抗きっこうしていて、この時代じだいの大だい相撲すもうを3人にんで盛り上もりあげてきました。

▽わかのはな

・若ノ花わかのはな:平成へいせい5年ねん5月つき～平成へいせい6年ねん9月つき（＝平成へいせい6年ねんの秋場所あきばしょまで）

・若乃花わかのはな:平成へいせい6年ねん11月つき～（＝平成へいせい6年ねんの九州きゅうしゅう場所ばしょから）

▽たかのはな

・貴たかノ花はな:平成へいせい5年ねん3月つき～平成へいせい6年ねん9月つき（＝平成へいせい6年ねんの秋場所あきばしょまで）

・貴乃花たかのはな:平成へいせい6年ねん11月つき～（＝平成へいせい6年ねんの九州きゅうしゅう場所ばしょから）

《角界かくかいなどから追悼ついとうの声こえ》

元もと小結こむすび 高見たかみ盛もりの東関ひがしせき親方おやかた「ことばにできない」

元もと小結こむすび 高見たかみ盛もりの東関ひがしせき親方おやかたは現役げんえき時代じだいに付け人つけびとを務つとめたこともある曙あけぼのさんの訃報ふほうについて「体調たいちょうが悪わるいとは聞きいていたが、なんと言いっていいか、ことばにできない」と静しずかに話はなしました。

そして「自分じぶんが入門にゅうもんした時ときには横綱よこづなとしていて、大おおきな存在そんざいだった。伝つたえたいのは感謝かんしゃのことばだ。強つよさも厳きびしさもあった人ひとだった」と振り返ふりかえりました。

出羽海でわのうみ親方おやかた「優やさしい力士りきしだった」

元もと幕内まくうち 小城おぎ乃花はなの出羽海でわのうみ親方おやかたは「同どう年代ねんだいで相撲すもうを取とっていて稽古けいこもしたことがあります。横綱よこづなでしたが、私わたしに対にたいしても気遣きづかいをしてくれる優やさしい力士りきしでした。こんなに早はやく亡なくなるとは思おもわず、びっくりしていますが、心こころよりご冥福めいふくをお祈おいのりします」と述のべました。

また曙あけぼのさんとの取組とりくみの思い出おもいでについて「足あしが長ながくて腰こしの位置いちが高たかく、ボンと突つかれたら体からだが届とどかなかった。本当ほんとうにポン、ポンと突っ張つっぱられて、いっぺんに持もって行いかれ、相撲すもうにならなかったのを覚おぼえています」と振り返ふりかえっていました。

元もとプロレスラー 武藤むとう敬たかし司つかささん「ゆっくりと休やすんで」

元もとプロレスラーの武藤むとう敬たかし司つかささんはみずからのSNSを更新こうしんし「大相撲おおずもうからプロレス界かいへ、真摯しんしに向き合むきあう姿勢しせいにプロレスLOVEを感かんじた人ひとでした。俺おれの引退いんたい前まえに今いま一いち度ど闘たたかいたかった思おもいもありましたが叶かないませんでした。横綱よこづな、ゆっくりと休やすんでください。心こころよりご冥福めいふくをお祈おいのり致いたします」と曙あけぼのさんへの思おもいをつづりました。

ハワイのメディアも功績こうせきたたえる

出身しゅっしん地ちハワイのメディアも相次あいついで速報そくほうしました。

このうち「スター・アドバタイザー」は「ハワイ生うまれの相撲すもうチャンピオン曙あけぼのさん死去しきょ」という見出みだしで、「外国がいこく出身しゅっしん者しゃとして初はじめて横綱よこづなになり、相撲すもうの歴史れきしを塗り替ぬりかえた」と功績こうせきをたたえました。

また「ハワイ・ニュース・ナウ」は「スターの地位ちいにありながら、謙虚けんきょで、自分じぶんのルーツに忠実ちゅうじつであり続つづけた」と振り返ふりかえっています。

ハワイ州しゅうのグリーン知事ちじは旧きゅうツイッターのXに「決意けついと懸命けんめいさがあれば夢ゆめは実現じつげんできるという希望きぼうをハワイの数え切かぞえきれないほどの若者わかものに与あたえた。ハワイと日本にっぽんのチャンピオンとして大使たいしの役割やくわりを果はたし、そのレガシーは残のこるだろう」と投稿とうこうしました。

大だい相撲すもうファンから驚おどろきや悼いたむ声こえ

大だい相撲すもうファンからは、曙あけぼのさんが亡なくなったことを悼いたむ声こえが相次あいつぎました。

大だい相撲すもうの現役げんえき当時とうじをテレビで観戦かんせんしていた男性だんせいは「若乃花わかのはなや貴乃花たかのはなとの勝負しょうぶを思い出おもいだしました。いろんな名めい勝負しょうぶがあった。残念ざんねんでまだ若わかすぎる。もう少もうすこし長ながく生いきてほしかった」と悼いたんでいて、「びっくりです。明あかるくて楽たのしい方ほうで、ただ強つよいというイメージがあった」と驚おどろきの声こえをあげる女性じょせいもいました。

また、30代だいの男性だんせいは「格闘技かくとうぎのイメージが強つよい。映像えいぞうで振り返ふりかえると、かなり大柄おおがらな体格たいかくを生いかしてパワフルな相撲すもうをする印象いんしょうです。あんなに強つよい人ひとでも早はやく死しんでしまうのは、怖こわさもあります」と話はなしていました。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかん「常つねに熱戦ねっせんを繰り広くりひろげ 大だい相撲すもう人気にんきけん引けんいん」

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは、11日にち午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで「外国がいこく出身しゅっしんの力士りきしとして初はじめて横綱よこづなになり、同おなじ時期じきに入門にゅうもんした貴乃花たかのはなや若乃花わかのはならと常つねに熱戦ねっせんを繰り広くりひろげ、大だい相撲すもう人気にんきをけん引けんいんするなど角界かくかいで大おおいに活躍かつやくされた。心こころより哀悼あいとうの意いを表あらわしたい」と述のべました。