デジタル庁ちょうは実際じっさいにひも付つけるかどうかは利用りよう者しゃが選択せんたくでき、強制きょうせい的てきにひも付つけられることはないとしていて、不ふ正確せいかくな情報じょうほうに注意ちゅういが必要ひつようです。

Xでは計けい3500万まん回かい以上いじょうも…

3月つき下旬げじゅんからXやTikTokでは「4月つき1日にち以降いこうに自治体じちたいなどから届とどく書類しょるいに返送へんそうしないと、全ぜん預金よきん口座こうざが自動的じどうてきにマイナンバーにひも付づけされる」などとする不ふ正確せいかくな情報じょうほうが広ひろがりました。

16日にち正午しょうごまでに、Xではあわせて少すくなくとも3500万まん回かい以上いじょう閲覧えつらんされたほか、TikTokでも「絶対ぜったいに拒否きょひしろ」などと呼よびかける動画どうがが300万まん回かい以上いじょう再生さいせいされています。

広ひろがっている投稿とうこうは▽4月つき1日にちに施行しこうされた「口座こうざ管理かんり法ほう」と▽5月つき27日にちに施行しこうされる「改正かいせいマイナンバー法ほう」を混同こんどうしたものとみられます。

「口座こうざ管理かんり法ほう」で国くにが資産しさんを監視かんし？

デジタル庁ちょうによりますと、金融きんゆう機関きかんで口座こうざを作つくるときなどにマイナンバーを利用りようして管理かんりするかどうか、金融きんゆう機関きかんが利用りよう者しゃに確認かくにんすることが4月つき1日にちに施行しこうされた「口座こうざ管理かんり法ほう」で義務ぎむづけられました。

▽マイナンバーと預貯金よちょきんの口座こうざをひも付つけるかどうかや、

▽どの金融きんゆう機関きかんの口座こうざをひも付つけるかは、利用りよう者しゃが選えらべるようになっています。

複数ふくすうの口座こうざを登録とうろくした場合ばあい、相続そうぞくや災害さいがい時じの手続てつづきが簡略かんりゃく化かされ、今後こんごは例たとえば被災ひさい時じに1つの金融きんゆう機関きかんから別べつの金融きんゆう機関きかんの預貯金よちょきんを引き出ひきだせるようになるということです。

SNSには「国くにが国民こくみんの資産しさんを監視かんしできるようになる」などとする投稿とうこうも多おおくありますが、デジタル庁ちょうは否定ひていしています。

デジタル庁ちょう「国くにが口座こうざ情報じょうほうを確認かくにんできるのは法令ほうれいに基もとづき、必要ひつような税務ぜいむ調査ちょうさなどを行おこなう場合ばあいに限かぎられている。これらの調査ちょうさなどでマイナンバーを使つかって本人ほんにんの預貯金よちょきん口座こうざを確認かくにんする可能かのう性せいはあるものの、これらの調査ちょうさなど以外いがいで確認かくにんすることはできない」

「改正かいせいマイナンバー法ほう」で強制きょうせい登録とうろく？

一方いっぽうで5月つき27日にちに施行しこうされる「改正かいせいマイナンバー法ほう」では、今後こんご、「公金こうきん受取うけとり口座こうざ」について年金ねんきんを受け取うけとっている人ひとは同意どういしない場合ばあいを除のぞいて口座こうざの情報じょうほうとマイナンバーが国くにに登録とうろくされることなります。

コロナ禍かで国くにからの給付きゅうふ金きんの支給しきゅうが遅おくれるなどの影響えいきょうが出でたことなどを踏ふまえて法律ほうりつが改正かいせいされたもので、「公金こうきん受取うけとり口座こうざ」の情報じょうほうをマイナンバーとともに国くにに登録とうろくすることで、年金ねんきんや緊急きんきゅう時じの給付きゅうふ金きんの受け取うけとりが迅速じんそくかつ確実かくじつになるとしています。

国くにへの登録とうろくについては、書留かきとめ郵便ゆうびんなどで対象たいしょう者しゃに通知つうちし、▽同意どういを得えた場合ばあいか▽期限きげんまでに回答かいとうがない場合ばあいに同意どういしたものとみなす一方いっぽう、同意どういしないと回答かいとうした場合ばあいは登録とうろくされることはないとしています。

現在げんざいのところ、対象たいしょうは年金ねんきんを受け取うけとっている人ひとのみで、今後こんご、日本にっぽん年金ねんきん機構きこうから書留かきとめ郵便ゆうびんで通知つうちされますが、実際じっさいにいつから始はじめるかは決きまっていないということです。

デジタル庁ちょうは「国くにが把握はあくできるのは誰だれがどの金融きんゆう機関きかんの口座こうざを公金こうきん受取うけとり口座こうざとして登録とうろくしているかだけで、個人こじんの資産しさんがわかるようになるものではない」としています。

専門せんもん家か「国民こくみんに不信ふしん感かんや不安ふあん感かんが」

デジタル行政ぎょうせいに詳くわしい中央ちゅうおう大学だいがくの宮下みやした紘ひろし教授きょうじゅは、いずれの制度せいどについても「国民こくみんの利便りべん性せいを図はかるデジタル化かの一環いっかんであり、政府せいふとして国民こくみんのプライバシーを侵害しんがいするねらいはないと考かんがえている」としたうえで、SNSで不ふ正確せいかくな情報じょうほうが広ひろがる背景はいけいについて、こう指摘してきしました。

宮下みやした教授きょうじゅ「去年きょねん起おきた公金こうきん受取うけとり口座こうざの誤あやま登録とうろく問題もんだいなどで国民こくみんの間まに生しょうじたマイナンバー制度せいどに対にたいする不信ふしん感かんや不安ふあん感かんが依然いぜんとして残のこっているのではないか」

さらに、政府せいふの対応たいおうについては。

宮下みやした教授きょうじゅ「マイナンバー制度せいどは極きわめて複雑ふくざつでデジタル庁ちょうが次々つぎつぎと新あたらしい仕組しくみを拡大かくだいさせており、国民こくみんに正確せいかくな情報じょうほうが伝つたわっていない。デジタル化かに不可欠ふかけつなのは信頼しんらいだ。誤あやままった情報じょうほうを否定ひていするだけでは不十分ふじゅうぶんで、利用りよう者しゃ本位ほんいの制度せいど設計せっけいをして、時間じかんをかけて丁寧ていねいに対面たいめんも交まじえた情報じょうほう発信はっしんをしていくことが大切たいせつではないか」

SNSでは誰だれが情報じょうほうを発信はっしんしているかや公的こうてき機関きかんや報道ほうどう機関きかんの情報じょうほうを確認かくにんするなど、注意ちゅういすることが大切たいせつです。