バイデン大統領だいとうりょう USスチール「アメリカ企業きぎょうであり続つづけるべき」

アメリカのバイデン大統領だいとうりょうは17日にち、ペンシルベニア州しゅうピッツバーグにあるUSW＝全米ぜんべい鉄鋼てっこう労働ろうどう組合くみあいの本部ほんぶを訪おとずれて演説えんぜつしました。

この中なかでバイデン大統領だいとうりょうは、USスチールは1世紀せいき以上いじょう、アメリカの象徴しょうちょう的てきな企業きぎょうだとした上うえで「完全かんぜんにアメリカ企業きぎょうであり続つづけるべきだ。アメリカ人じんによって所有しょゆうされ、世界せかいで最もっとも優秀ゆうしゅうな鉄鋼てっこう労働ろうどう組合くみあいの組合くみあい員いんによって操業そうぎょうされる企業きぎょうであり続つづけることを約束やくそくする」と述のべて改あらためて買収ばいしゅうに否定ひてい的てきな考かんがえを明確めいかくにしました。

また中国ちゅうごく製せいの鉄鋼てっこうとアルミニウムに課かしている関税かんぜいをいまの3倍ばいの水準すいじゅんに引き上ひきあげることを検討けんとうすると表明ひょうめいしました。

この買収ばいしゅう計画けいかくをめぐってはトランプ前ぜん大統領だいとうりょうも大統領だいとうりょうに再ふたたび就任しゅうにんした場合ばあい、買収ばいしゅうを認みとめない考かんがえをすでに明あきらかにしています。

USスチールが本社ほんしゃや生産せいさん拠点きょてんを置おくペンシルベニア州しゅうは秋あきの大統領だいとうりょう選挙せんきょで勝敗しょうはいのカギを握にぎる重要じゅうような州しゅうとされていて、バイデン氏しとトランプ氏しの発言はつげんはいずれも労働ろうどう組合くみあいや労働ろうどう者しゃに寄り添よりそう姿勢しせいをアピールする狙ねらいがあるとみられています。

USスチール買収ばいしゅうを巡めぐる動うごき

日本にっぽん製鉄せいてつによる「USスチール」の買収ばいしゅう計画けいかくについて、両社りょうしゃが発表はっぴょうしたのは去年きょねん12月つきのことでした。

しかし、発表はっぴょう後ごアメリカの鉄鋼てっこう業界ぎょうかいの労働ろうどう組合くみあい、USW＝全米ぜんべい鉄鋼てっこう労働ろうどう組合くみあいが買収ばいしゅうを批判ひはんする声明せいめいを発表はっぴょうし、与野党よやとうの一部いちぶの議員ぎいんからも強つよい反発はんぱつの声こえが上あがりました。

ことし1月末げつまつには秋あきの大統領だいとうりょう選挙せんきょに向むけて共和党きょうわとうの候補こうほ者しゃへの指名しめいが確実かくじつになっているトランプ前ぜん大統領だいとうりょうが「ひどい話はなしだ。私わたしなら即座そくざに阻止そしする。絶対ぜったいにだ」と述のべ、大統領だいとうりょうに再ふたたび就任しゅうにんした場合ばあいには買収ばいしゅうを認みとめない考かんがえを明あきらかにしました。

労働ろうどう組合くみあいが支持しじ基盤きばんで再選さいせんを目指めざすバイデン大統領だいとうりょうも3月つき「USスチールは国内こくないで所有しょゆう、運営うんえいされるアメリカ企業きぎょうであり続つづけることが不可欠ふかけつだ」とする声明せいめいを出だし、外国がいこく企業きぎょうによる買収ばいしゅうには否定ひてい的てきな考かんがえを示しめしました。

12日にちにはUSスチールが開ひらいた臨時りんじの株主かぶぬし総会そうかいで、日本にっぽん製鉄せいてつによる買収ばいしゅう計画けいかくは株主かぶぬしの圧倒的あっとうてきな賛成さんせい多数たすうで承認しょうにんされましたがこの直後ちょくごにUSWは声明せいめいを出だし、「株主かぶぬしの承認しょうにんによって買収ばいしゅう手続てつづきが完了かんりょうするわけではない。株主かぶぬしや経営けいえい陣じんだけで単純たんじゅんに決きめられる問題もんだいでもない」として買収ばいしゅうに反対はんたいする姿勢しせいを改あらためて示しめしました。

USスチールが本社ほんしゃを置おくペンシルベニア州しゅうは民主党みんしゅとうと共和党きょうわとうの支持しじがきっ抗きっこうする激戦げきせん州しゅうで、2016年ねんの大統領だいとうりょう選挙せんきょではトランプ氏しが制せいした一方いっぽう、2020年ねんはバイデン氏しが勝利しょうりしています。

秋あきの大統領だいとうりょう選挙せんきょでも勝敗しょうはいのカギを握にぎる重要じゅうような州しゅうとされていて、バイデン氏しとトランプ氏しの発言はつげんはいずれも労働ろうどう組合くみあいや労働ろうどう者しゃに寄り添よりそう姿勢しせいをアピールする狙ねらいがあるとみられています。