そして、17日にち、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうは「今後こんごも新規しんき感染かんせん者しゃ数すうの増加ぞうかが予想よそうされ、ことし夏なつの『第だい7波は』のような感染かんせん拡大かくだいとなる可能かのう性せいもある」と指摘してきしました。

また、海外かいがいの状況じょうきょうを含ふくめた感染かんせん症しょうに詳くわしい東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ篤郎とくろう特とく任にん教授きょうじゅは「今いまの流行りゅうこうは『第だい7波は』の『BA.5』の残り火のこりびが再燃さいねんしている状況じょうきょうだと見みられる。大だい都市とし圏けんも増ふえているが、むしろ地方ちほう都市としで顕著けんちょに増ふえている。『第だい7波は』で比較的ひかくてき感染かんせん者しゃ数すうが少すくなく、感染かんせんによる免疫めんえきの獲得かくとくが少すくなかった地域ちいきで、残り火のこりびが再燃さいねんしていると考かんがえるのが妥当だとうだろう」と話はなしています。

「BA.5」による感染かんせんの再さい拡大かくだいは、ヨーロッパでも10月つきごろに起おきています。

イギリス・オックスフォード大学だいがくの研究けんきゅう者しゃなどが運営うんえいするサイト「アワ・ワールド・イン・データ」によりますと、100万まん人にんあたりの新規しんき感染かんせん者しゃ数すう（1週間しゅうかん平均へいきんの1日にちあたり）はドイツでは10月つき中旬ちゅうじゅんにおよそ1300人にんと、ことし7月つきのピークを超こえ、フランスでも10月つき中旬ちゅうじゅんにおよそ840人にんと、7月つき以来いらいの水準すいじゅんとなりました。

17日にちの専門せんもん家か会合かいごうのあと脇田わきだ座長ざちょうは、「BA.5」による今後こんごの感染かんせんのピークは年内ねんないにも訪おとずれるのではないかという見方みかたを示しめしました。

また、数理すうり疫学えきがくが専門せんもんの京都大きょうとだい学がくの西浦にしうら博ひろし教授きょうじゅは会合かいごうのあと「北海道ほっかいどうで見みられるように、地域ちいき的てきに広ひろがりながら感染かんせん拡大かくだいが進すすんでいるので、（『BA.5』の感染かんせん拡大かくだいがピークを迎むかえたとしても）減少げんしょうは緩ゆるやかとなり、時間じかんをかけてくすぶるものと思おもう」とコメントしました。

日本にっぽん国内こくないでも、これらの新あらたな変異へんいウイルスが確認かくにんされています。

「BA.5」は9月つきには98.4％を占しめていたので減少げんしょう傾向けいこうとなっています。

「BQ.1」系統けいとうのウイルスは「BA.5」がさらに変異へんいが加くわわったウイルスです。

「BA.2.75.2」はアメリカやインド、ヨーロッパ各国かっこくなどで検出けんしゅつされていて、「BA.2」が変異へんいを重かさねた「BA.2.75」にさらに3つの変異へんいが加くわわっています。

「XBB」は「BA.2」から派生はせいした変異へんいウイルスと「BA.2.75」から派生はせいした変異へんいウイルスが組くみ合あわさった「組み換くみかえ体たい」と呼よばれるタイプのウイルスです。

東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ特とく任にん教授きょうじゅは、こうした新あらたな変異へんいウイルスが日本にっぽんでも広ひろがると、「第だい8波は」が大おおきくなる可能かのう性せいがあると指摘してきしています。

「いま注目ちゅうもくされている変異へんいウイルスは『XBB』と『BQ.1』系統けいとうの2つだが、『XBB』は世界せかい的てきにはあまり拡大かくだいしていない。『BQ.1』は欧米おうべいで『BA.5』から置おき換がわりが進すすんでいる。欧米おうべいでは感染かんせん者しゃ数すうそのものは急増きゅうぞうしている状況じょうきょうではないが、今後こんご、新あらたな変異へんいウイルスが日本にっぽんにも多おおく入はいってきた場合ばあいに、『第だい8波は』が大おおきくなる可能かのう性せいがある。12月つきに入はいると、そのような状況じょうきょうになるのではないか。経過けいかを見みていく必要ひつようがある」

そして、「BQ.1」などの感染かんせん力りょくが「BA.5」の1.2倍ばいで、これまでに感染かんせんしたことによる免疫めんえきの効果こうかがないという想定そうていでは、東京とうきょう都とでの1週間しゅうかん平均へいきんでの1日にちあたりの感染かんせん者しゃ数すうが、12月つき半なかばにおよそ3万まん人にん、2023年ねん1月つき中旬ちゅうじゅんには「第だい7波は」のピークを超こえるおよそ3万まん6000人にんに上のぼるという予測よそくになりました。

この想定そうていでは、2023年ねん1月つき中旬ちゅうじゅんから2月つき下旬げじゅんには、東京とうきょう都内とないでコロナで亡なくなる人ひとは、1日にちに20人にん余あまりになるとしています。

また、「BQ.1」などの感染かんせん力りょくがこれまでと変かわらず、免疫めんえきの効果こうかがある程度あるていど保たもたれるという想定そうていでは、感染かんせん者しゃ数すうのピークは2023年ねん1月つき中旬ちゅうじゅんにおよそ2万まん5000人にんになるという予測よそくになりました。

「『BQ.1』など変異へんいウイルスの影響えいきょうを想定そうていすると、近ちかいうちに感染かんせん者しゃ数すうが急増きゅうぞうし始はじめる可能かのう性せいがある。人々ひとびとの活動かつどうも戻もどり、気温きおんも下さがり、感染かんせん者しゃ数すうが下さがる要因よういんはほぼない。変異へんいウイルスの特徴とくちょうはまだよく分わかっていないが、感染かんせん力りょくが強つよく、免疫めんえき回避かいひが強つよかった場合ばあいには、年末ねんまつにかけてかなり感染かんせん者しゃ数すうが増ふえることが予測よそくされる」

しかし、ほぼ患者かんじゃがいなかった去年きょねんとおととしに比くらべると多おおく、17日にちの新型しんがたコロナウイルス対策たいさくの厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうでは「関西かんさいで定点ていてんあたりの患者かんじゃ数すうや、休校きゅうこう、学年がくねん閉鎖へいさ、学級がっきゅう閉鎖へいさの施設しせつ数すうが増加ぞうか傾向けいこうにあり、注視ちゅうしが必要ひつようだ」と指摘してきがあったということです。

インフルエンザは、日本にっぽんとは季節きせつが逆ぎゃくの南半球みなみはんきゅうのオーストラリアで、ことし5月つきから6月つきにかけて感染かんせん者しゃ数すうが急増きゅうぞうし、コロナ前まえの大だい規模きぼな流行りゅうこうを超こえる拡大かくだいとなりました。

また、WHO＝世界せかい保健ほけん機関きかんの報告ほうこくによりますと、ここ数すう週間しゅうかんでアメリカやカナダで増加ぞうか傾向けいこうになったほか、ヨーロッパでも、低ひくい水準すいじゅんながら増加ぞうか傾向けいこうにあるとしています。

京都大きょうとだい学がくの西浦にしうら教授きょうじゅは「インフルエンザはいま、増ふえるスピードは非常ひじょうにゆっくりで、早はやくても最大さいだいの感染かんせん者しゃ数すうになるのは、年始ねんしの学校がっこう再開さいかい後ごかと推察すいさつされる。そのため、第だい8波はとインフルエンザのピークは少すくなくともずれる見込みこみだ」とコメントしています。

東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ特とく任にん教授きょうじゅは「日本にっぽんでも一部いちぶの地域ちいきでは子こどもの感染かんせんが増ふえて、学級がっきゅう閉鎖へいさも行おこなわれてきている。今後こんご、冬ふゆの流行りゅうこうは起おこると考かんがえておいたほうがいい。新型しんがたコロナのワクチンと同時どうじに接種せっしゅすることもできるので、インフルエンザのワクチンをぜひ今いまのうちに受うけていただきたい」と話はなしています。

また、東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ特とく任にん教授きょうじゅは「新あらたな変異へんいウイルスは免疫めんえきを逃避とうひすると言いわれているので、ワクチンを接種せっしゅしても効果こうかがないのではないかと思おもう人ひともいるかもしれないが、決けっしてそうではない。いま接種せっしゅが進すすんでいるオミクロン株かぶに対応たいおうしたワクチンは、今後こんご広ひろがる可能かのう性せいのある『BQ.1』や『XBB』にも効果こうかがあると考かんがえられる。年内ねんない、特とくに11月つき中ちゅうにワクチンを接種せっしゅしておいて、冬ふゆの『第だい8波は』に備そなえてほしい」と話はなしています。

▽手て指ゆびの消毒しょうどく、屋内おくないで人ひとと近ちかい距離きょりで会話かいわする場面ばめんなどではマスクを着用ちゃくようする。

▽飲食いんしょく店てんなどでは換気かんきを徹底てっていする。

濱田はまだ特とく任にん教授きょうじゅは「マスクや手洗てあらい、密みつを避さけるといった対策たいさくは今後こんごも続つづけてほしい。これから忘年ぼうねん会かいや新年しんねん会かい、里帰さとがえりのシーズンになってくる。今後こんごの流行りゅうこう状況じょうきょうによってはキャンセルしなければならないこともあるかもしれない。感染かんせん状況じょうきょうをよく見みながら行動こうどうすることが大切たいせつだ」と話はなしています。