


鹿児島県から来たという男性は「新型コロナウイルスの世界的な流行もあり、心配していましたが、開幕を迎えられ、とてもうれしいです。強豪チームばかりとの対戦なので、日本代表には気持ちで勝ってもらいたいです。特に谷口選手の堅い守備を期待しています」と話していました。
また、千葉県から来た男性は「日本代表はけが人が多い状況ですが、どこのチームも同じだと思うので、苦しい中でも奇跡を起こしてくれることを期待しています」と話していました。
会場を訪れたエクアドル人の男性は「とても興奮している。開幕戦でエクアドルが勝ってその後は決勝トーナメントに進むことを期待している」と話していました。 開幕戦は日本時間の21日午前1時から行われ、日本代表は23日に1次リーグの初戦でドイツ代表と対戦します。
日本代表ではイングランド2部リーグでプレーする中山雄太選手が今月1日のメンバー発表直後の2日の試合でけがをして代表を辞退しました。 さらに、中盤の要の遠藤航選手は相手選手との接触プレーで脳しんとうがあったほか複数の選手が大会前最後の強化試合となった17日のカナダ戦を欠場するなど、代表に合流できている選手でも難しい調整を強いられています。 影響は受けているのは日本だけではありません。 今月23日に日本と1次リーグの初戦で対戦するドイツは、攻撃の中心の1人でフォワードのティモ・ベルナー選手が3日のリーグ戦で大けがを負い、10日の代表発表ではメンバーに入りませんでした。 さらに、これまで各チームが大会前に行ったきた2週間程度の事前合宿も行うことができず、コンディションを整えたりチームの戦術の練度を高めたりするための準備期間の短さもこれまでの大会とは異なっています。 4回目のワールドカップとなる日本代表の川島永嗣選手は「準備期間が短いところが大きく違う。その中で最善の準備をしないといけない。どれだけ自分たちが4年間準備してきたことをこの大会で出せるかが一番大きなポイントかと思う」などと話していました。 またNHKサッカー解説の山本昌邦さんは、「これまでの大会のようにしっかり休んで調整が長期間とれる大会ではないのでどこのチームも苦労している。リカバーが間に合わないときに全体の選手層が大事でどうマネジメントしていくかっていうところが今大会の監督の采配に求められている部分だ」と各チームの監督に難しい舵取りが求められると指摘しています。
カタールではワールドカップ開催のため、4万人から8万人を収容するスタジアムを7つ新設し、FIFA=国際サッカー連盟やカタールは小規模な国ならではの各会場へのアクセスの良さをメリットとして強調しています。 また、11月でも日中の気温が30度を上回るカタールの暑さ対策として、スタジアムで空調を使用して選手や観客に快適な環境を提供するとしています。 さらに、スタジアム974は輸送用のコンテナが使用され、大会後には解体して再利用するほか、スタジアムの多くは観客席の規模を縮小して、持続可能なものだとアピールしています。 これに対してヨーロッパの国からは環境問題を懸念する声が挙がっています。 密閉されていないスタジアムで空調を使用することで大量の二酸化炭素が排出されるなど、環境への悪影響があるとして、フランスでは抗議の意思を示そうとパリやリヨンなど複数の都市でパブリック・ビューイングが中止されました。 取材に訪れているフランスのテレビ局の女性は「フランスでは多くの人が今回のワールドカップをボイコットすべきだと言っている。大会が始まるとどうなるかはわからないが、現段階では競技よりも環境問題など政治的な話題により多くの注目が集まっている」と話していました。
ロゴやエンブレムをユニフォームと同じ色で目立たなくしたほか、ユニフォームのひとつを黒を基調としたものにしていてユニフォームを制作した会社は「抗議を示し、人権に関して必要な議論を引き起こしたいと考えた」ということです。 カタールで調整するデンマークの選手たちは、ロゴなどが目立たない練習用のシャツを着用して練習に臨んでいました。 デンマークサッカー協会のCEOは「カタールの移民労働者の状況を改善するため努力を続けてきた。今大会では、移民労働者や性的マイノリティーの人たちの権利を向上させるためベストを尽くすつもりだ」と話していました。 カタールでは、同性愛が違法とされていることも、批判の対象となっています。 大会ではヨーロッパの複数のチームが、差別に抗議を示すため、虹色の下地に「OneLove」と書かれたキャプテンマークを着用する計画で、このうちドイツのゴールキーパーの、マヌエル・ノイアー選手は「一緒にやることはいいことだ」と話しこのマークを着用する考えを示しました。 ドイツでは大会のボイコットを求めるサポーターからの声も強く、日本代表のキャプテン、吉田麻也選手が所属する1部リーグのシャルケは「カタールでの大会開催は歴史的な間違いだ」とクラブのSNSで発信しました。 さらに、オーストラリア代表の選手たちは10月、カタール政府を非難する声明を発表し、外国人労働者の職場環境や性的マイノリティーの権利の改善を求める動画を公開しました。 こうした動きに対し、主催者側は反発し、沈静化を図ろうとしています。 FIFAのインファンティーノ会長は19日の記者会見で「移民労働者のことはとても悲しいことだと思うが、ヨーロッパ人は説教をする前に過去3000年、世界で行ってきたことを謝罪するべきだ。ドーハもカタールも過去最高の大会にする準備ができている。大会が始まりボールが動き始めたら人々はそれだけに集中するだろう」と反論しました。 また、大会組織委員会の担当者は、海外メディアの取材に対して「不運にも、誤った情報伝達によって、中東やアラブ世界についての偏見や固定観念に基づいた人種差別的な見方をされて、違いが拒絶されている」とコメントしています。
大会初 11月開幕 けがで代表外れる選手も
ヨーロッパの国から環境問題を懸念する声
人権問題 参加チームや選手からも抗議も