大学生たちは事件をどのように受け止めたか
また、大学3年の男子学生は「試験の内容は簡単な問題が多いですが、事前に対策をしなければ回答できないものもあるので就活生はみんなしっかりと準備しています。不正をして入社しても仕事についていけないなど後で自分が苦労するだけだと思います」と話していました。
就職活動を終えたという大学4年の男子学生は「多くの場合はテストに合格しなければその後の面接にすら進むこともできないので、内定が欲しいあまりに代行を利用したくなる気持ちは理解できなくもないです。でも、みんな自分で勉強して備えているので、不正をせずに臨むべきだと思います」と話していました。
以前は大規模な会場に集めて試験を行うケースが多かったということですが、新型コロナウイルスの影響で、最近はIDなどを個別に送付して自宅などで受験してもらうオンライン試験が増えていて、これを背景に不正な代行が増加していると考えられるということです。 就職みらい研究所の栗田貴祥所長は、「SNSで客を募っているのを多く見かける。IDなどを送らせて別の場所から『替え玉受験』するものや、自宅などを訪ねて隣で解答を伝えるケースもあると聞いている。厳しい就職活動で心が折れそうだという就活生の気持ちにつけ込む非常に悪質なものだ」と指摘しました。 そのうえで、「試験の結果は採用のためだけでは無く、例えば、計算力が高ければ数字を多く使う部署への配属を検討するなど、入社後の人員配置に利用する企業もある。不正をして就職しても本来の自分の特徴に合っていない企業や部署で働くことになりかねないので不正な代行は利用せずにいま一度、自分が就職活動をする意味を見つめ直してほしい」と話していました。
専門家「就活生の気持ちにつけ込み非常に悪質」