体からだは白しろく、動うごいていません。

息継いきつぎをすることができず死しんでしまったとみられます。

網あみをほどくため、船ふねに引き上ひきあげようとしましたが、重おもみで網あみが自然しぜんにほどけ、アカウミガメはそのまま海うみに沈しずんでいきました。

橋本はしもとさんが登別のぼりべつ沖おきでアカウミガメを見みたのは今年ことしが初はじめてです。

しかし9月つきの中旬ちゅうじゅんから1ヶ月かげつの間まに20頭とう以上いじょうが網あみにかかったといいます。

さらに、今年ことしは10月つき中旬ちゅうじゅんのカスベやアンコウの漁獲ぎょかくは例年れいねんの半分はんぶんにも満みたないといいます。

橋本はしもとさんは複雑ふくざつな胸むねの内うちを話はなしてくれました。

橋本はしもと和也かずやさん「網あみにかかってしまえばカメは減へってしまうし、環境かんきょうには良よくない。ですが、やっぱり生活せいかつもあるので…」

富安とみやす助じょ教きょうによると函館はこだて周辺しゅうへんの沖合おきあいでは、夏なつから秋あきにかけてアカウミガメが漁りょうの網あみにかかることはときどきあるということです。

しかし、登別のぼりべつのように一いち度どに多おおくのアカウミガメが網あみにかかったことはこれまでに例れいがないと話はなします。

北海道ほっかいどう大学だいがく水産すいさん科学かがく研究けんきゅう院いん 富安とみやす信助しんすけ教きょう

「ウミガメは群むれて泳およぎ回まわる生き物いきものでもないので、いっぺんに同おなじようなところで混獲えされるというのはかなり驚おどろきです」。

しかし、来年らいねんまた海うみが暖あたたかくなると同おなじように網あみにかかりアカウミガメが命いのちを落おとしてしまうかもしれません。

漁師りょうしの橋本はしもとさんは、来年らいねん以降いこうもアカウミガメが頻繁ひんぱんに網あみにかかる場合ばあいは、海水温かいすいおんが下さがるまで網あみを入いれる時期じきを遅おくらせることや、網あみの数かずを減へらすなど対策たいさくを検討けんとうしたいと話はなしています。

北海道ほっかいどう沖合おきあいで起おきた新あらたな異変いへん、気候きこう変動へんどうが私わたしたちの身近みぢかでも起おきていることを示しめす警告けいこくなのかもしれません。