初回しょかいの講義こうぎでは、講師こうしから、今後こんご、ものづくりの現場げんばではITやデジタルの技術ぎじゅつを駆使くしできる人材じんざいが求もとめられると、リスキリングの意義いぎが説明せつめいされました。

そして、商品しょうひんの広告こうこくには、書類しょるいやカタログに加くわえて、商品しょうひんの特徴とくちょうや魅力みりょくを効率こうりつ的てきでわかりやすく伝つたえられる動画どうがの活用かつようが求もとめられるとして、スマートフォンで撮影さつえいした動画どうがをパソコン上じょうで編集へんしゅうする作業さぎょうに取り組とりくみました。

電機でんきメーカーで働はたらく20代だいの男性だんせいは「文系ぶんけいの学部がくぶを卒業そつぎょうし、家電かでんの広告こうこくを担当たんとうしていましたが、新あたらしいスキルを身みにつけて、ものづくりなどにも関かかわりたいと思おもいます」と話はなしていました。

看護かんご学校がっこうの60代だいの女性じょせい教員きょういんは「看護かんごの分野ぶんやもデジタル化かが必要ひつようですが、まだまだ遅おくれていています。看護かんごにロボットを導入どうにゅうしたいと考かんがえていて、その開発かいはつに携たずさわりたいと参加さんかしました」と話はなしていました。

名古屋なごや市しの印刷いんさつ会社かいしゃ、「西川にしかわコミュニケーションズ」は明治めいじ時代じだいの創業そうぎょう以来いらい、電話でんわ帳ちょうやカタログなど紙かみの印刷いんさつ事業じぎょうを続つづけていますが、ペーパーレスが進すすむなど会社かいしゃを取り巻とりまく環境かんきょうは大おおきく変かわっています。

そこで、5年ねんほど前まえから力ちからを入いれているのが、社員しゃいんのリスキリングです。

業務ぎょうむ時間じかんの2割わりまでを社内しゃない外がいの勉強べんきょう会かいや「eラーニング」などに充あてることを認みとめ、教材きょうざいの購入こうにゅうやセミナーへの参加さんか費用ひようも会社かいしゃが負担ふたんして、特とくにデジタル技術でじたるぎじゅつの習得しゅうとくを促うながします。

社員しゃいんの國くに田た圭けい佑たすくさんは（31）入社にゅうしゃ以降いこう、研究けんきゅう職しょくとして紙かみの粘着ねんちゃくテープの製造せいぞうにあたってきましたが、会社かいしゃの制度せいどを利用りようして、「ITパスポート」などデジタル関連かんれんの資格しかくを複数ふくすう、取得しゅとくしました。

今いまはAIエンジニアとして働はたらいていて、大量たいりょうの画像がぞうデータをAIに読み込よみこませ、顔かおの表情ひょうじょうや髪型かみがた、背景はいけいを指示しじして画像がぞうを作成さくせいしたり、写真しゃしんを加工かこうしたりする「画像がぞう生成せいせいAI」と呼よばれる分野ぶんやを研究けんきゅうしています。

これを発展はってんさせればモデルやカメラマンがいなくても、実際じっさいに撮影さつえいしたような鮮明せんめいなポスターやWEB広告こうこくを作り出つくりだせるということで、今後こんごの成長せいちょう分野ぶんやとして期待きたいされています。

会社かいしゃでは、顧客こきゃくの企業きぎょうが出だしている広告こうこくが売り上うりあげにどう影響えいきょうしているかをAIで分析ぶんせきして提供ていきょうするマーケティング事業じぎょうなど、すでにデジタル分野ぶんやへのシフトを進すすめていて、10年ねん前まえは売り上うりあげのほとんどが印刷いんさつ事業じぎょうでしたが、現在げんざいはデジタル事業じぎょうが半分はんぶんほどを占しめているということです。

この中なかで大嶋おおしま主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「学習がくしゅうコンテンツをそろえるだけではリスキリングは進すすまない。学まなんだことがどこで役に立やくにたつのか、どのように評価ひょうかされるのか、そのために何なにを学まなぶべきかがそろっていることが前提ぜんていで、従業じゅうぎょう員いんが納得なっとくして取り組とりくめるような環境かんきょうを作つくることが重要じゅうようだ」と指摘してきしています。

そのうえで、「7割わりの人ひとが働はたらいている中小ちゅうしょう企業きぎょうでのリスキリングを加速かそくしていくことが重要じゅうようなポイントだ。ただ、中小ちゅうしょう企業きぎょうがどのようにリスキリングをすればよいのかという情報じょうほうが日本にっぽん全体ぜんたいに不足ふそくしている。国くにと地方ちほう自治体じちたい、経営けいえい者しゃ団体だんたいが連携れんけいして、ノウハウを全国ぜんこくに展開てんかいすることが大事だいじだ」と強調きょうちょうしています。