陸上自衛隊の
ヘリコプターが
沖縄県の
宮古島の
周辺で
消息を
絶った
事故で、
新たに
機体のものとみられる
ドアの
一部や
部品などが
回収されたことが、
防衛省関係者への
取材でわかりました。
一部は、消息を絶った地点から離れた場所で見つかっていて、自衛隊は潮流で流された可能性もあるとみて、捜索範囲を広げて隊員の発見を急いでいます。
今月6日、陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島を離陸後に消息を絶った事故は、13日で発生から1週間となりますが、乗っていた第8師団の坂本雄一師団長など10人がいまも行方不明となっています。
現場周辺では自衛隊や海上保安庁による捜索が続いていますが、新たに機体のものとみられる部品などが回収されたことが、防衛省関係者への取材でわかりました。
回収されたのは、ドアの一部や、機体内部のパネル、機体外部にある空気抵抗を減らすための板などだということです。
ヘリコプターは、宮古島に隣接している伊良部島の北東およそ3キロの地点で消息を絶ちましたが、一部は、消息地点から南西の伊良部島と下地島の間の沿岸部で見つかっていて、複雑な潮流で流された可能性が高いということです。
一方、ヘリコプターは、レーダーの情報などから消息を絶つ直前の飛行高度は、150メートル前後だったとみられることが防衛省関係者への取材で分かりました。
ヘリコプターは発着時などを除いては、飛行の安全を確保するため、海上では原則として高度150メートル以上で飛行するよう法令で定められています。
陸上自衛隊は、飛行中に急激なトラブルが起きた可能性があるとみて、調査を進めるとともに、捜索範囲を広げて隊員の発見を急いでいます。
海保「非常に複雑な流れが混合 捜索は難航も」
12
日、
那覇市の
第11
管区海上保安本部で
開かれた
記者会見で、
木村琢磨海洋情報企画調整官はヘリコプターがレーダーから
消えた
海域について「
伊良部島と
宮古島の2つの
陸に
挟まれるような
海域になっていて、
一般的には
潮の
満ち
干によって
発生する
潮の
流れが
強くなる傾向が
ある。さらに
伊良部島の
北側には、
黒潮の
東向きの
非常に
強い潮の
流れが
常に
存在していて、
そこから
発生する
強い
流れが
入り込む可能性のある
海域でもある」と
指摘しました。
そのうえで、木村海洋情報企画調整官は「事故発生当日は大潮の時期にあたり干潮と満潮の差が大きく潮流が比較的強かったと想定できる。さらに、事故発生当時、風向きは南風だったがその後、非常に強い北風に変わり、風によって海水が引っ張られることで潮の流れも発生したとみられる。これらのことから非常に複雑な流れが混合する海域で、捜索は難航することが考えられる」と述べました。