会議かいぎのあと林りん鄭てい長官ちょうかんはテレビを通つうじ、容疑ようぎ者しゃの身柄みがらを中国ちゅうごく本土ほんどにも引き渡ひきわたせるようにする条例じょうれいの改正かいせい案あんについて、正式せいしきに撤回てっかいすることを表明ひょうめいしました。

条例じょうれいの改正かいせい案あんについて林はやし鄭てい長官ちょうかんはことし６月ろくがつ、事実じじつ上じょう廃案はいあんになるという認識にんしきを示しめしていましたが、正式せいしきに撤回てっかいはしておらず、多おおくの市民しみんが撤回てっかいを求もとめて抗議こうぎを続つづけていました。

一連いちれんの抗議こうぎ活動かつどうは３さんか月かげつ近ちかく続つづいていて、警察けいさつとの激はげしい衝突しょうとつが相次あいついでいるほか、国際こくさい空港くうこうや地下鉄ちかてつが一時いちじ使つかえなくなるなど市民しみん生活せいかつにも大おおきな影響えいきょうを及およぼしています。

抗議こうぎ活動かつどうの中なかで改正かいせい案あんの完全かんぜんな撤回てっかいは当初とうしょから掲かかげられていた要求ようきゅうだっただけに、香港ほんこん政府せいふとしては、これを受け入うけいれることで事態じたいの収束しゅうそくを図はかりたい思惑おもわくがあるとみられます。

香港ほんこん 抗議こうぎ活動かつどうの経緯けいい

抗議こうぎ活動かつどうのきっかけとなったのは、容疑ようぎ者しゃの身柄みがらを香港ほんこんから中国ちゅうごく本土ほんどにも引き渡ひきわたせるようにする条例じょうれいの改正かいせい案あんが、議会ぎかいにあたる立法りっぽう会かいの本ほん会議かいぎで審議しんぎされようとしたことでした。

民主みんしゅ派はの団体だんたいは、条例じょうれいが改正かいせいされれば中国ちゅうごくに批判ひはん的てきな活動かつどうをしている人ひとなどの引き渡ひきわたしを中国ちゅうごく側がわに求もとめられるおそれがあり、高度こうどな自治じちを認みとめる一いち国こく二に制度せいどが脅おびやかされる、として反発はんぱつを強つよめ、デモを呼よびかけました。

ことし６月ろくがつ９きゅう日にちには主催しゅさい者しゃ側がわの発表はっぴょうで103万まん人にんがデモを行おこない、参加さんか者しゃと警察けいさつが衝突しょうとつしてけが人けがにんも出でる事態じたいとなりました。

こうした事態じたいを受うけて６月ろくがつ15日にち、香港ほんこん政府せいふトップの林はやし鄭てい月つき娥行政ぎょうせい長官ちょうかんは「さらに説明せつめいし、意見いけんを聞きく時間じかんを持もつことにした」と述のべ、条例じょうれい改正かいせい案あんの審議しんぎを当面とうめん延期えんきすると発表はっぴょうしました。

しかし民主みんしゅ派はの団体だんたいはあくまでも改正かいせい案あんの撤回てっかいを求もとめ、翌よく16日にちには香港ほんこんに住すむおよそ４よん分ぶんの１いちにあたる200万まん人にん近ちかくがデモに参加さんかし過去かこ最大さいだい規模きぼとなりました。

林はやし鄭てい長官ちょうかんは２に日にち後ごの18日にち、改正かいせい案あんは立法りっぽう会かいの議員ぎいんの任期にんき中ちゅうに採決さいけつが行おこなわれる可能かのう性せいは低ひくいとして、事実じじつ上じょう廃案はいあんになるという認識にんしきを示しめしました。

しかし抗議こうぎ活動かつどうは、改正かいせい案あんの完全かんぜんな撤回てっかいや民主みんしゅ的てきな普通ふつう選挙せんきょの実施じっしなど５いつつの要求ようきゅうを掲かかげながら続つづけられ、若者わかものらが議会ぎかいに突入とつにゅうしたり、国際こくさい空港くうこうで座り込すわりこみをして多おおくの便びんが欠航けっこうしたりするなど、混乱こんらんが続つづいていました。