ナワリヌイ氏の広報担当者「殺害された」
ロシアのプーチン政権への批判を続け、16日に刑務所で死亡したナワリヌイ氏について、ナワリヌイ氏の広報担当者は17日公表した映像で「ナワリヌイは殺害された」と述べ、死亡の情報を確認したと明らかにしました。
広報担当者は、当時の状況などについて公式な結論を待つとともに、遺体を遺族のもとに返すよう求めていくと述べました。
ただ、母親と弁護士が刑務所の職員からナワリヌイ氏の遺体の所在を聞いて向かったものの、そこに遺体はなかったということで、引き渡しが受けられない状態が続いています。
また、当局はこれまでに詳しい死因を発表していませんが、支援団体の幹部によりますと、刑務所を訪れた母親と弁護士は「死因は『突然死症候群』だ」と言われたということです。
各地で追悼続き 400人以上拘束か
こうした中ロシア各地では17日もナワリヌイ氏を追悼する動きが続きました。
このうち第2の都市サンクトペテルブルクではソビエト時代の政治弾圧の記念碑の前に集まった人たちが、治安部隊による警戒の中、礼拝を行ったり花を供えたりして死を悼みました。
この場所で「死亡したのではなく殺害された」と書かれたカードを掲げた83歳の女性は、「彼のことと、破滅に向かうこの国のことを思うと心が痛む。もはやロシアの未来を信じられない。今はソビエトのスターリン時代よりも悪いと感じるほどだ」と嘆きました。
女性はこのあと一時、拘束されたとみられます。
人権団体などによりますと16日から17日にかけてサンクトペテルブルクや首都モスクワなど32の都市であわせて400人以上が拘束されたということで、当局はプーチン政権を批判する声の広がりに神経をとがらせているとみられます。