英BBC放送の司会者が性的な写真への支払いを行った疑惑で出演停止になっている問題で、著名アンカーのヒュー・エドワーズ氏の妻は12日、渦中の人物は夫だと公表した。
エドワーズ氏はBBCのベテランアンカーで、局内で最も給料が高いスター従業員の一人。昨年9月のエリザベス女王死去や王室の結婚式、選挙、2012年夏季五輪など、近年の英国の主なニュースの報道を主導してきた。
BBCニュースに掲載された声明によると、妻のビッキー・フリンド氏は、エドワーズ氏が「深刻な精神衛生上の問題」を抱え病院で治療を受けていると説明。臆測が飛び交った後に夫に代わって声明を出した理由については、「主に夫の精神衛生への懸念、そして子どもたちを守るため」だと述べた。
声明発表に先立ち、ロンドン警視庁は犯罪が行われたことを示す情報はないと明らかにした。
フリンド氏は「ヒューは深刻な精神衛生上の問題を抱えています。よく知られているように、彼は近年、深刻なうつ病で治療を受けていました」「ここ数日の出来事で問題が悪化して症状が再発し、現在は入院治療を受けています。当面、病院にとどまる見通しです」と述べた。
声明ではエドワーズ氏に対する疑惑について詳しく触れていない。フリンド氏は、今回の声明で他のBBC司会者をめぐるメディアの臆測に終止符が打たれることを望むとしている。
英国メディアがこの問題一色となったきっかけは、英紙サンの7日の報道だった。これによると、母親は名指しせずに、ある司会者が10代の子どもから性的に露骨な写真を買い取ったと非難。最初に接触があった時の子どもの年齢は17歳で、現在は20歳になっているという。
この報道を受けBBCは「男性職員1人」を出演停止とし、9日の声明で、苦情について最初に認識したのは5月だったと明らかにしていた。
司会者が誰なのかを巡り臆測が過熱する中、子どもの弁護士はサン紙で報じられた主張を否定。BBC宛ての書簡で、報道は「でたらめ」だと述べた。