“袴田事件”元警察官「立証できなかったのは警察検察の負け」 - Easy News

いわゆる「袴田はかまだ事件じけん」で、裁判所さいばんしょが13日にちに、捜査そうさ機関きかんによる証拠しょうこのねつ造ねつぞうの疑うたがいに言及げんきゅうした上うえで再審さいしん＝裁判さいばんのやり直やりなおしを認みとめたことについて、57年ねん前まえの事件じけん発生はっせい当時とうじ、捜査そうさにあたった元もと警察官けいさつかんは、NHKの取材しゅざいに対にたいし、「ねつ造ねつぞうはありえないと思おもうが、十分じゅうぶんな立証りっしょうができなかったのは警察けいさつ・検察けんさつの負まけだ」と話はなしました。

東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょが13日にちに出だした決定けっていは、袴田はかまだ巌いわおさんの逮捕たいほから1年ねん以上いじょうあとに現場げんば近ちかくのみそタンクから見みつかった、血ちの付ついた「5点てんの衣類いるい」について、「事件じけんから相当そうとうな期間きかんが経過けいかしたあとに捜査そうさ機関きかんの者ものが隠かくした可能かのう性せいが極きわめて高たかい。到底とうてい袴田はかまださんを犯人はんにんと認定にんていすることはできない」として、証拠しょうこがねつ造ねつぞうされた疑うたがいに言及げんきゅうし、再審さいしんを認みとめました。

この衣類いるいについて、57年ねん前まえ、事件じけん発生はっせいの4日にち後ごにみそタンクを捜索そうさくした、80代だいの元もと警察官けいさつかんは、再審さいしん開始かいし決定けっていが出でる前まえ、NHKの取材しゅざいに対にたいし、「長ながい棒ぼうのようなものを使つかって徹底的てっていてきに調しらべたが、タンクから見みつからなかった。衣類いるいという大おおきいものを見落みおとすなんてことはほぼありえないし、そんなに甘あまい検証けんしょうはしていない。1年ねんもたって発見はっけんされるのはおかしいと感かんじる」と証言しょうげんしていました。

東京とうきょう高裁こうさいの決定けっていを受うけて、元もと警察官けいさつかんは「衣類いるいが発見はっけんされた時点じてんでは捜査そうさから外はずれていたので、どのような状況じょうきょうだったかはわからない」とした上うえで、「捜査そうさ員いんがねつ造ねつぞうするのはありえないと思おもうが、十分じゅうぶんな立証りっしょうができなかったのは警察けいさつ・検察けんさつの負まけだ」と話はなしていました。

法務ほうむ・検察けんさつ幹部かんぶの受け止うけとめは

袴田はかまだ事件じけんの再審さいしん開始かいし決定けっていについて、法務ほうむ・検察けんさつ幹部かんぶからはさまざまな受け止うけとめが聞きかれました。

検察けんさつ幹部かんぶの1人にんは「絶対ぜったい勝かてるとまでは思おもっていなかったが、請求せいきゅうは認みとめられないと思おもっていた。この事件じけんは検察けんさつとして死刑しけいを求もとめた事件じけんで重おもみがある。裁判所さいばんしょの決定けっていに対にたいしてどう対処たいしょすべきか、真剣しんけんに慎重しんちょうに考かんがえないといけない」と話はなしていました。

別べつの幹部かんぶは「裁判所さいばんしょは捜査そうさ機関きかんによる証拠しょうこのねつ造ねつぞうの疑うたがいまで指摘してきしていたが、ありえないことだと思おもう」と話はなしていました。

別べつの再審さいしん事件じけんを担当たんとうした経験けいけんがある幹部かんぶの1人にんは「再審さいしん事件じけんでは古ふるい事件じけんの証拠しょうこ関係かんけいを今いまの司法しほうの感覚かんかくで判断はんだんすることに難むずかしさがある。新あたらしい証拠しょうこの価値かちの大おおきさを見極みきわめ、判決はんけつにどれくらい影響えいきょうを与あたえるか、しっかり考かんがえるべきだ」と話はなしていました。

齋藤さいとう法相ほうしょう再審さいしん請求せいきゅう審しんでの証拠しょうこ開示かいじ「協議きょうぎ会かいで協議きょうぎの予定よてい」

齋藤さいとう法務ほうむ大臣だいじんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、再審さいしん手続てつづきを定さだめた法律ほうりつには証拠しょうこ開示かいじについての規定きていがないことについて、「去年きょねん7月つきから有識ゆうしき者しゃや法曹ほうそう3者しゃ、警察庁けいさつちょうや法務省ほうむしょうの担当たんとう者しゃによって構成こうせいされる、刑事けいじ手続てつづきのあり方ありかた協議きょうぎ会かいを開催かいさいしていて、再審さいしん請求せいきゅう審しんにおける証拠しょうこ開示かいじについても協議きょうぎが行おこなわれる予定よていだ」と述のべました。

その上うえで「法務省ほうむしょうとしては協議きょうぎが充実じゅうじつした形かたちで行おこなえるよう、適切てきせつに対応たいおうしていきたい」と述のべました。