日航にっこう機き墜落ついらく事故じこから39年ねん 遺族いぞくが「御巣鷹おすたかの尾根おね」へ慰霊いれい登山とざん

1985年ねん8月つき12日にち、お盆おぼんの帰省きせい客きゃくなどを乗のせた日本にっぽん航空こうくうのジャンボ機じゃんぼきが群馬ぐんま県けん上野うえの村むらの山中さんちゅうに墜落ついらくし、国内こくないの航空こうくう機き事故じこでは最もっとも多おおい520人にんが犠牲ぎせいになりました。

事故じこから39年ねんの12日にち、上野うえの村むらでは、墜落ついらく現場げんばの「御巣鷹おすたかの尾根おね」に向むけて慰霊いれいの登山とざんが行おこなわれ、遺族いぞくや関係かんけい者しゃが亡なくなった人ひとの墓標ぼひょうなどに花はなを手向たむけたり、線香せんこうを供そなえたりしました。

12日にちに慰霊いれいの登山とざんに訪おとずれた人ひとは午後ごご4時じの時点じてんで68家族かぞく230人にんで、去年きょねんより42人にん減へりました。

遺族いぞくたちは登山とざん道どう沿ぞいにある亡なくなった人ひとたちの墓標ぼひょうに着つくと、花はなを手向たむけたり線香せんこうを供そなえたりしていました。また、尾根おねにある慰霊いれい碑ひの「昇魂之碑しょうこんのひ」の前まえでも手てを合あわせて犠牲ぎせい者しゃを悼いたんでいました。

慰霊いれいの登山とざんは13日にちまでは遺族いぞくや関係かんけい者しゃに限かぎられていて、山やまでは臨時りんじの通信つうしん基地きち局きょくが設置せっちされ、遺族いぞくたちは、高齢こうれいなどのため現場げんばを訪おとずれることができない家族かぞくや知人ちじんにビデオ通話つうわなどで慰霊いれいの様子ようすを伝つたえることができるようになっています。

12日にちは午後ごご6時じからふもとで追悼ついとう慰霊いれい式しきが行おこなわれ、参列さんれつ者しゃが墜落ついらく時刻じこくの午後ごご6時じ56分ふんに合あわせて黙もくとうをし、空そらの安全あんぜんを祈いのります。

叔父おじを亡なくした男性だんせい「事故じこ後ごに生うまれた世代せだいが引き継ひきついで」

事故じこで叔父おじの加藤かとう博幸ひろゆきさん（当時とうじ21）を亡なくした東京とうきょうの小林こばやし準じゅん也さん（34）は家族かぞくとともに慰霊いれいの登山とざんを行おこない、叔父おじの墓標ぼひょうを訪おとずれました。

小林こばやしさんは、花はなと叔父おじが好すきだった野球やきゅうチームのタオルを供そなえて、静しずかに手てを合あわせていました。そして、高齢こうれいで登のぼれなくなった祖母そぼに見みせるため、スマートフォンで墓標ぼひょうや登山とざんの様子ようすを撮影さつえいしていました。

小林こばやしさんは「叔父おじが生いきていて野球やきゅうの話はなしができたら幸しあわせだっただろうなと思おもってしまいます。事故じこ後ごに生うまれたので当時とうじの詳くわしい状況じょうきょうは大人おとなになってから知しったが、風化ふうかするのがいちばん危険きけんだと思おもうので事故じこ後ごに生うまれた世代せだいが引き継ひきついで、慰霊いれいを続つづけていきたいです」と話はなしていました。

音楽おんがく学校がっこうの同期どうき亡なくした女性じょせい「会あえたうれしさと、悲かなしさと」

事故じこで亡なくなった女優じょゆうの吉田よしだ由美子ゆみこさん（当時とうじ24）と宝塚たからづか音楽おんがく学校がっこうで同期どうきだった南みなみ美佐子みさこさん（64）は、吉田よしださんの遺族いぞくなどと慰霊いれいの登山とざんを行おこないました。

南みなみさんは、吉田よしださんの墓標ぼひょうを掃除そうじして花はなを供そなえた後のち、宝塚たからづか音楽おんがく学校がっこうの校歌こうかなどを歌うたい、吉田よしださんを悼いたんでいました。

南みなみさんは「3年ねん前まえから慰霊いれい登山とざんを続つづけていますが、ことしも吉田よしださんに会あえたうれしさと生いきている姿すがたを見みたかったという悲かなしさで複雑ふくざつな気持きもちです。吉田よしださんは本当ほんとうにきれいで真面目まじめで、芸能げいのう界かいで活躍かつやくすることが事故じこで失うしなわれたと思おもうと悲かなしい。来年らいねんは40年ねんの節目ふしめの年としですが、風化ふうかしないように、事故じこのことを伝つたえ続つづけていきたいです」と話はなしていました。