このうち市内の公立高校では生徒たちが自転車や徒歩などで登校していました。ときおり、保護者に付き添われて登校する生徒の姿も見られました。
中心部では人や車が行き交い街は平常に戻りつつあります。市民たちはショックから立ち直るには時間がかかるもののなんとかふだんの生活を取り戻したいと話しています。
街中心部のオフィスで働く女性は「すこし神経質になっています。特にサイレンを聞いたり、大勢の警察官を見たりすると気になります。しかし、警備員もいますし、子どもたちも学校に戻りました。なんとか普通の生活を取り戻したいと思っています」と話していました。
また男性は「憂うつな気分です。普通の生活や仕事を続けなければならないことは分かっていますが、難しいかもしれません。これまでこんなことが起きたことはありませんでしたから」と話していました。
現場周辺の規制緩和 花束やメッセージ
ニュージーランドで50人が死亡した銃の乱射事件で、2か所目の現場となったリンウッドモスクは週明けの18日、近くの道路の規制が緩和されました。
モスクが見える場所には近くの住民が次々に訪れて、花束やメッセージを書いたカードをささげていました。また、先住民のマオリ系の人たちが訪れ、マオリ伝統の歌で、亡くなった人たちを追悼していました。
近くに住むアフガニスタン人のマスード・チャカリさんは「5人の友人が亡くなりました。これまで12年ニュージーランドに住んでいますが、こんなことが起きるとは考えたこともなく、とてもショックです。ただ、ニュージーランドの人たちは事件後われわれのことを大変よく支援してくれていてうれしく思っています」と話していました。
オーストラリアの警察も関係先を捜索
オーストラリアの警察は18日、ブレントン・タラント容疑者の出身地、オーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州でタラント容疑者の家族の自宅など2か所の住宅を捜索しました。
警察はニュージーランド警察の捜査に協力して事件に関係する資料を押収することが目的だとし、家族も捜査に協力しているということです。
さらに警察は周辺の住民たちに対して差し迫った脅威があるわけではないと説明しています。
NZ最大の銃見本市が中止
ニュージーランドで起きた銃の乱射事件を受けて、今月23日に最大都市のオークランドで開かれる予定だった、銃の見本市が中止されることが決まりました。
この見本市は過去5年間、毎年開かれていてさまざまな種類の銃器が販売されるニュージーランドでは最大規模のものです。
主催者はフェイスブック上で「クライストチャーチでのテロ攻撃の犠牲者を尊重し、治安上のリスクが高まっていることを受けて中止を決めました」と中止の理由を説明しています。
ニュージーランドでは110万丁、人口比でみると4人に1丁当たりの銃が出回っているみられていて、事件のあとアーダーン首相は銃規制を強化する方針を示しています。
NZ首相 追悼のことば記帳
ニュージーランドで50人が死亡した銃の乱射事件を受けて、アーダーン首相は18日朝、議会で犠牲になった人たちを追悼することばを記帳しました。
この中でアーダーン首相は「ニュージーランドのすべての人を代表し、深く悲しんでいます。私たちは1つです」などと直筆でメッセージを書き込んでいました。
菅官房長官「テロ対策しっかり取り組む」
菅官房長官は18日午前の記者会見で、「今回の事件についてはニュージーランド当局において鋭意、捜査・調査が進められていると承知している。わが国では今後、G20の大阪サミットやオリンピック・パラリンピック大会など、国際的な大規模重要行事の開催が相次ぐことから、情報収集の強化をはじめとするテロの未然防止対策やテロへの対処体制の強化にしっかり取り組んでいるところだ」と述べました。