新年度予算案は、27日参議院予算委員会で、締めくくりの質疑のあと、採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決され、参議院本会議に緊急上程されました。
本会議では、討論が行われ、自民党の石井準一氏は「新しい時代の国づくりにつながる予算案を1日も早く成立させ、さまざまな施策を力強く実行していかなければならない」と述べました。
これに対し、立憲民主党の会派に所属する小西洋之氏は「統計不正の本丸、アベノミクス偽装の疑惑は、政府・与党の抵抗により、何ら解明されていない」と訴えました。
そして採決が行われた結果、新年度予算は、自民・公明両党などの賛成多数で可決・成立しました。
新年度予算は、消費税率の引き上げに伴う景気対策の費用のほか、幼児教育と保育の無償化の経費や、新型迎撃ミサイルシステムを導入する費用などが盛り込まれていて、一般会計の総額が101兆4571億円と、初めて100兆円を超えました。
自民国対委員長「野党の理解と協力に感謝」
自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し、「野党の理解と協力もあり、国会が空転することなく、新年度予算案を成立させることができるのは非常にいいことだ。野党の審議への理解と協力に感謝したい」と述べました。
公明国対委員長「参議院の意思示すことを評価」
公明党の高木国会対策委員長は記者団に対し、「参議院でも丁寧な審議をして、自然成立を待たずに、参議院としての意思を示すことを評価している。早期の成立で景気にとってプラスになるのではないか」と述べました。
国民玉木代表「十分な審議なく強く抗議」
国民民主党の玉木代表は、記者会見で「消費税増税を前提にした予算になっており、軽減税率やポイント還元は現場に混乱を生じさせる可能性が高く、政策効果もよく分からない。大変問題の多い予算と言わざるをえず、家計にも大きな悪影響を与えるのではないかと認識している。十分な審議がなく、強く抗議したい」と述べました。
共産党国対委員長「消費増税前提の予算案認めず」
共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「消費税の10%への増税を前提にした予算案で通すわけにはいかない。統計不正の問題が出てきた中で、予算案の前提となる『実質賃金がプラスだったのか、マイナスだったのか、値を示すべきだ』という事も出していないなど、予算案と政府の姿勢に問題がある」と述べました。
日本維新の会幹事長「納税者が納得できる政治を」
日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で「総額100兆円を超える史上最大規模の予算で、予算が増える分、行政サービスを充実させ、一人一人の可処分所得が増えて、納税者が納得できる政治を実現していかなければならないが、与党側にはそういった部分で、欠落しているところがあるのではないか」と述べました。