日本新聞: 「叫ぶ女性のミイラ」、研究で新たな詳細判明　表情についての仮説も

「叫さけぶ女性じょせいのミイラ」、研究けんきゅうで新あらたな詳細判明しょうさいはんめい　表情ひょうじょうについての仮説かせつも

Aug 4, 2024 16:08

Furigana

大おおきく口くちを開あけ、叫さけび声ごえを上あげているような表情ひょうじょうが永遠えいえんに固定こていされた古代こだいエジプトの女性じょせい。１９３５年ねんにルクソール近郊きんこうでミイラ化かされた遺体いたいを見みつけた考古学者こうこがくしゃたちは、この女性じょせいに想像力そうぞうりょくをかき立たてられた。

約やく３５００年前ねんまえに亡なくなった「叫さけぶ女性じょせい」に今いまなお魅了みりょうされ、別べつの研究けんきゅうチームがこのほど、ＣＴスキャンでミイラの形態けいたいや健康状態けんこうじょうたい、保存状況ほぞんじょうきょうの詳細しょうさいを明あきらかにする調査ちょうさを行おこなった。赤外線撮像せきがいせんさつぞうその他たの高度こうどな技術ぎじゅつも駆使くしして遺体いたいの「バーチャル解剖かいぼう」を試ここのみ、印象的いんしょうてきな表情ひょうじょうの原因げんいんを探さぐった。

医学誌いがくしフロンティア・イン・メディシンに２日付ふつかづで発表はっぴょうされた研究結果けんきゅうけっかでは、年齢ねんれいと共ともに変化へんかする骨盤こつばんの関節かんせつの分析ぶんせきから、女性じょせいが４８歳さいであったことが判明はんめい。ミイラ化かに使つかわれたプロセスの一部いちぶに特徴とくちょうがあることも分わかった。

カイロ大おおカスル・アイニー病院びょういんの放射線科教授ほうしゃせんかきょうじゅを務つとめる論文ろんぶんの著者ちょしゃ、サハル・サレーム氏しによると、遺体いたいには乳香にゅうこうやネズの樹脂じゅしによる防腐処理ぼうふしょりが施ほどこされていた。これらは高価こうかな贅沢ぜいたく（ぜいたく）品ひんで、遠方えんぽうから交易こうえきで持もち込こまれたとみられる。