京都きょうとでは、ことしの紅葉こうようのシーズンに観光かんこう客きゃくの大幅おおはばな増加ぞうかが予想よそうされています。シーズンを控ひかえ、地元じもとではさまざまな対策たいさくがとられています。

（大だい津放送局つほうそうきょく 記者きしゃ 門脇かどわき誉ほまれ幸みゆき／大阪おおさか放送ほうそう局きょく 記者きしゃ 瀬川せかわ愛あい生せい／大阪おおさか放送ほうそう局きょく ディレクター 近藤こんどう伸郎のぶお）

バスが観光かんこう客きゃくで混雑こんざつ 住民じゅうみんが乗車じょうしゃできないことも

京都きょうと駅前えきまえのバス乗り場のりば。取材しゅざいした11日にちも、観光かんこう地ちに向むかうバス乗り場のりばには多おおくの観光かんこう客きゃくが並ならんでいました。

京都きょうと市しでは以前いぜんから、バスが観光かんこう客きゃくで混雑こんざつして、地元じもとの住民じゅうみんが乗車じょうしゃできないことが課題かだいとなっていて、住民じゅうみんから市しに対にたいして改善かいぜんを求もとめる声こえがあがっています。

市内しないに住すむ50代だい男性だんせい

「人ひとがいっぱいだとバスに乗のるのを見送みおくることもあります。私わたしは足あしが悪わるいので座すわりたいですが、最近さいきんはほとんど座すわれていません」

市内しないに住すむ80代だい女性じょせい

「キャリーケースを持もったグループの観光かんこう客きゃくがいてバスに乗のることができなくて、地下鉄ちかてつを利用りようしたこともありました。観光かんこう客きゃくと地域ちいきの住民じゅうみんを分わけてバスを利用りようできたらいいなと思おもいます」

市しは地下鉄ちかてつの利用りようを呼よびかけ

京都きょうと市しは混雑こんざつを解消かいしょうするため、市内しないを走はしるバスに一いち日にちに何なん度どでも乗り降のりおりできる乗車じょうしゃ券けんの販売はんばいを9月つきいっぱいで終了しゅうりょうし、来年らいねん3月つきで廃止はいしすることを決きめています。

さらに、11月つきの行楽こうらくシーズンには、バスの乗客じょうきゃくに地下鉄ちかてつへの乗り換のりかえ券けんを配くばり、バスよりもすいている地下鉄ちかてつの利用りようを呼よびかけることにしています。

特とくに混雑こんざつする夕方ゆうがたに京都きょうと駅えきに向むかうバスの利用りよう者しゃに配付はいふしているもので、途中とちゅうで地下鉄ちかてつに乗り換のりかえても、この券けんを使つかえば、地下鉄ちかてつの料金りょうきんは支払しはらわずにバスの運賃うんちんだけで京都きょうと駅えきまで行いくことができます。

乗り換のりかえ券けんを配付はいふしているバス停ばすていは、

▽東山ひがしやま三条さんじょう駅えき

▽金閣寺きんかくじ道どう駅えき

▽銀閣寺ぎんかくじ道どう駅えき

▽岡崎おかざき公園こうえん美術館びじゅつかん・平安へいあん神宮前じんぐうまえ駅えきの

4つです。

このほか、地下鉄ちかてつを利用りようして観光かんこう地ちに行いくルートが書かかれた案内あんない図ずをJRの駅えきや観光かんこう案内あんない所しょに置おいて、混雑こんざつの緩和かんわを促うながしています。

“京都きょうとの台所だいどころ”錦にしき市場しじょう 食たべ歩あるきやごみの問題もんだい

串くし揚あげや焼き物やきものを販売はんばいするおよそ120の店みせが軒のきを連つらねる、京都きょうと市しの商店しょうてん街がい「錦にしき市場しじょう」でも、秋あきの行楽こうらくシーズンに向むけて、オーバーツーリズムの対策たいさくに力ちからを入いれています。

「錦にしき市場しじょう」では2017年ねんごろから海外かいがいの観光かんこう客きゃくが増加ぞうかし、ごみのポイ捨ぽいすてが課題かだいになっていて、今後こんご、観光かんこう客きゃくの増加ぞうかに伴ともない、再ふたたび問題もんだいにならないか懸念けねんしています。

食たべ歩あるきの禁止きんしを呼よびかける貼り紙はりがみを、日本にっぽん語ごのほか英語えいご、中国ちゅうごく語ご、韓国かんこく語ごの4か国かこく語ごで掲示けいじし、さらに日本語にほんご、英語えいご、中国ちゅうごく語ごでアナウンスもしています。

カナダから来きた観光かんこう客きゃく

「市場しじょうで流ながれているアナウンスで食たべ歩あるき禁止きんしを知しりました」

ブラジルから来きた観光かんこう客きゃく

「店みせの貼り紙はりがみを見みて、食たべる時ときは店みせの端はじに寄よって食たべました」

店みせでも食たべ歩あるきをせずに店みせの前まえで食たべるよう、商品しょうひんを手渡てわたす際さいに呼よびかけるとともに、専用せんようのスペースを設もうけたり、ごみ箱ごみばこを置おいたりしています。

だし巻まき卵たまごを販売はんばいする店みせでは、商品しょうひん棚たながあった場所ばしょを飲食いんしょく専用せんようスペースに変更へんこうしました。

店みせを経営けいえいする田中たなか久美子くみこさんは「この市場しじょうでは食たべ歩あるきが禁止きんしということを知しらない人ひともいますが、売うる側がわにも責任せきにんがあると思おもいます。買かったものをすぐに食たべたいという観光かんこう客きゃくの気持きもちもわかるので、スペースを設もうけました」と話はなしていました。

また、「錦にしき市場しじょう」は道幅みちはばが狭せまく、地元じもとの人ひとが通とおるのが難むずかしくなるほど混雑こんざつすることがあるということです。

そこで、二に酸化さんか炭素たんその量りょうで人ひとの流ながれがわかるモニターを設置せっちしました。この表示ひょうじを見みて行いき先さきを変更へんこうしたり訪おとずれる時間じかんをずらしたりするよう呼よびかけています。

清水しみず寺てらの周辺しゅうへん ことしも11月つき下旬げじゅんに交通こうつう規制きせい

清水しみず寺てらなどの観光かんこうスポットがある京都きょうと市し東山ひがしやま区くでは、タクシーやマイカーによる渋滞じゅうたいが問題もんだいとなっていて、紅葉こうようシーズンを前まえに、11日にち、地元じもとの自治じち会かいをはじめ寺てらや神社じんじゃの関係かんけい者しゃ、それに京都きょうと市しや警察けいさつの担当たんとう者しゃが対策たいさくを話し合はなしあいました。

このなかで、観光かんこう客きゃくが集中しゅうちゅうすることが予想よそうされる11月つき下旬げじゅんの土日どにちと祝日しゅくじつは、渋滞じゅうたいを防ふせぐため、

▼ことや、

▼ことなどが決きまりました。

会議かいぎでは、住民じゅうみんが日常にちじょう的てきに使つかっている道路どうろが渋滞じゅうたいの際さいに抜ぬけ道どうとして使つかわれるようになっていて、事故じこが心配しんぱいだという意見いけんも出だされていました。

京都きょうと市し歩あるくまち京都きょうと推進すいしん室しつの小川おがわ実みのるさんは、「観光かんこう客きゃくに京都きょうとにまた来きたいと思おもっていただくことも大切たいせつな一方いっぽう、市民しみんの日常にちじょう生活せいかつを守まもることも大事だいじだ。しっかりと対策たいさくを進すすめていきたい」と話はなしていました。

京都きょうと市し 新あらたなオーバーツーリズム対策たいさくまとめる

オーバーツーリズムが懸念けねんされる中なか、京都きょうと市しは11日にち、新あらたな対策たいさくをまとめました。

発表はっぴょうされた新あらたな対策たいさくでは、地下鉄ちかてつ京都きょうと駅えきや烏丸からすま御池みいけ駅えきに電子でんし看板かんばんを設置せっちし、英語えいごや中国ちゅうごく語ごなどで、観光かんこうで守まもってほしいルールやマナーを呼よびかけるとしています。

また、10月つきには、通訳つうやくのガイドが外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくを対象たいしょうに、京都きょうとの観光かんこう地ちを回まわりながら歴史れきしや文化ぶんかとともにマナーを伝つたえるツアーを行おこなうことにしています。

さらに、混雑こんざつの対策たいさくとして、

▼ほか、

▼などとしています。

京都きょうと市しは「市民しみん生活せいかつと調和ちょうわした持続じぞく可能かのうな観光かんこうになるよう、引き続ひきつづき取り組とりくみを進すすめていきたい」としています。