歌舞伎かぶき俳優はいゆう 市川いちかわ猿翁えんおうさん死去しきょ 83歳さい “歌舞伎かぶき界かいの革命かくめい児じ”

市川いちかわ猿翁えんおうさんは、1939年ねんに三さん代目だいめ市川いちかわ段四郎だんしろうの長男ちょうなんとして生うまれ、7歳さいのときに市川いちかわ團だん子こを名乗なのって初はつ舞台ぶたいを踏ふみました。

23歳さいで三さん代目だいめ市川いちかわ猿之助えんのすけを襲名しゅうめいしたあとは伝統でんとうにとらわれない歌舞伎かぶきを目指めざして、「宙乗ちゅうのり」など江戸えど時代じだいのケレン味みのある芸げいの復活ふっかつや、古典こてん歌舞伎かぶきの新しん演出えんしゅつなどに意欲いよく的てきに取り組とりくみました。

また「ヤマトタケル」をはじめ日本にっぽんの古代こだい神話しんわなどを題材だいざいにわかりやすいせりふや音楽おんがくを用もちいて現代げんだい風ふうにした「スーパー歌舞伎かぶき」と呼よばれる新あたらしいジャンルを作り上つくりあげるなど伝統でんとう的てきな世界せかいに新風しんぷうを吹き込ふきこみ、“歌舞伎かぶき界かいの革命かくめい児じ”と称しょうされました。

このような功績こうせきが認みとめられ、2010年ねんには、文化ぶんか功労こうろう者しゃに選えらばれています。

猿翁えんおうさんは2003年ねんに脳のう梗塞こうそくをわずらってからは一門いちもんの演出えんしゅつや監修かんしゅうに専念せんねんしてきましたが、2012年ねんには猿之助えんのすけの名跡みょうせきをおいにゆずると同時どうじに本人ほんにんは二に代目だいめ市川いちかわ猿翁えんおうとして襲名しゅうめい披露ひろうの舞台ぶたいにも立たちました。

歌舞伎かぶき俳優はいゆうの市川いちかわ中車ちゅうしゃさんこと香川かがわ照之てるゆきさんは猿翁えんおうさんの長男ちょうなんにあたります。

猿翁えんおうさんは今月こんげつ13日にち、東京とうきょう都内とないで不整脈ふせいみゃくのため亡なくなりました。83歳さいでした。

市川いちかわ中車ちゅうしゃさん 市川いちかわ團だん子こさんコメント

猿翁えんおうさんの長男ちょうなんで歌舞伎かぶき俳優はいゆうの市川いちかわ中車ちゅうしゃさんこと香川かがわ照之てるゆきさんは「長ながく険けわしく、それでも『夢ゆめ』に邁進まいしんした歌舞伎かぶき俳優はいゆう人生じんせいでした。一いち生涯しょうがいをかけて、新あらたな道みちを切り開きりひらき、如何いかなる時ときも、天てん翔かける心こころを持もって、成し遂なしとげた俳優はいゆうだったと思おもいます。多おおくの人々ひとびとに愛あいされ、自みずからの歌舞伎かぶき道どうを全まっとう出来できたことは、本当ほんとうに幸しあわせなことだったと思おもいます。皆様みなさま、これまで父ちちを愛あいしてくださいましたこと、誠まことにありがとうございました」とコメントしています。

また市川いちかわ猿翁えんおうさんの孫まごで市川いちかわ團だん子こさんは「私わたしにとって祖父そふは偉大いだいなる存在そんざいで、目指めざすべき目標もくひょうでした。まだまだ教おしえてほしいことがたくさんありましたが、とても残念ざんねんでなりません。この先さきは、祖父そふが大切たいせつにしていた『天てん翔かける心こころ』『夢見ゆめみる力ちから』を忘わすれずに、精進しょうじんして参まいりたいと思おもいます」とコメントしています。

浜はま木綿子ゆうこさん「一門いちもんをずっとお見守みまもりください」

市川いちかわ猿翁えんおうさんの元もと妻つまで俳優はいゆうの浜はま木綿子ゆうこさんは「永ながきにわたり闘病とうびょう生活せいかつをおくっていらっしゃいましたが、驚おどろきました。中車ちゅうしゃ、團だん子こ、澤瀉屋おもだかや一門いちもんの活躍かつやくをお感かんじになり安心あんしんして、逝いかれたのだと、思おもいます。これからは泉下せんかより中車ちゅうしゃ、團だん子こ、澤瀉屋おもだかや一門いちもんをずっとお見守みまもりください。偉大いだいなる歌舞伎かぶき役者やくしゃ安やすらかに、お休やすみくださいませ。私わたしは今度こんどこそが、本当ほんとうのお別わかれでございます」というコメントを発表はっぴょうしました。