今月8日に開幕したワールドカップフランス大会は1次リーグが行われています。
初戦で初出場のチリに42対12で勝った日本は、日本時間の今月18日に行われる2戦目で前回大会準優勝の強豪、イングランドとニースで対戦します。
選手たちは15日、試合会場となるスタジアムで調整を行い、その後、イングランド戦に向けた23人のメンバーが発表されました。
このうち15人の先発メンバーは、初戦のチリ戦から4人が入れ替わり、初戦をふくらはぎのけがの影響で欠場したキャプテンの姫野選手がナンバーエイトで復帰しました。
また、危険なタックルによる出場停止処分が明けたピーター・ラブスカフニ選手がフランカーに入ったほか、チーム最年長、37歳の堀江翔太選手がフッカーで、23歳の長田智希選手がセンターで先発出場します。
攻撃の起点となる、スクラムハーフには、副キャプテンの流大選手、司令塔のスタンドオフには松田力也選手がチリ戦に続いて入りました。
このほか控えには初戦でトライを決めたロックのワーナー・ディアンズ選手やスクラムハーフの齋藤直人選手などが入りました。
対戦するイングランドは、日本が過去10回対戦して一度も勝ったことがない相手で、この試合は1次リーグ突破に向けて大きな山場となります。
イングランドとの試合は、現地時間の今月17日、日本時間の18日に行われ、NHKは試合の模様をBS1やBS4K、ラジオ第1で中継します。
イングランド戦 先発メンバーは
ラグビーワールドカップフランス大会で1次リーグの第2戦、イングランド戦に臨む日本代表の先発メンバーです。
【フォワード】
▽プロップは稲垣啓太選手(33)、具智元選手(29)
▽フッカーは堀江翔太選手(37)
▽ロックはジャック・コーネルセン選手(28)、アマト・ファカタヴァ選手(28)
▽フランカーはリーチ マイケル選手(34)、ピーター・ラブスカフニ選手(34)
▽ナンバーエイトは姫野和樹選手(29)です。
【バックス】
▽スクラムハーフは流大選手(31)
▽スタンドオフは松田力也選手(29)です。
▽センターは中村亮土選手(32)、長田智希選手(23)
▽ウイングはジョネ・ナイカブラ選手(29)、松島幸太朗選手(30)
▽フルバックはセミシ・マシレワ選手(31)です。
控えメンバーは8人です。
▽坂手淳史選手(30)
▽クレイグ・ミラー選手(32)
▽ヴァル アサエリ愛選手(34)
▽ワーナー・ディアンズ選手(21)
▽下川甲嗣選手(24)
▽齋藤直人選手(26)
▽ディラン・ライリー選手(26)
▽レメキ ロマノ ラヴァ選手(34)が入りました。
ジョセフHC「チリ戦とは違う戦いになる」
ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはイングランド戦に向けて「この試合に向けてしっかり練習を重ねてきた。すばらしいチームと戦えることをうれしく思う。チリ戦とは違う戦いになる」と心境を話しました。
イングランドは、これまでの試合でも見せてきたボールを高く蹴り上げる「ハイボール」を使った戦術を多用してくることが予想されます。
ジョセフヘッドコーチは「たくさん蹴ってくると思うが、バックスの選手たちはボールをキャッチする練習をして成長している」と話し、ハイボールへの対応に自信を示しました。
また、相手のフォワードについては「スクラムやラインアウトのセットプレーでプレッシャーをかけてくる」と警戒しながらも、日本の先発のフォワード8人を「われわれのベストなフォワードだ」と強調し、イングランドの強力フォワード陣に対抗できると話しました。
姫野「コンディションはすごくいい リーダーシップ発揮したい」
キャプテンの姫野和樹選手は「前の試合はリスクを回避して欠場した。状態としては1試合スキップした分フレッシュだ。コンディションとしてはすごくいい状態」と話しました。
そして「今回の試合は、自分がキャプテンとしてしっかりパフォーマンスを出すことが非常に重要になると思う。自分のパフォーマンスでリーダーシップを発揮したい」とイングランド戦にかける意気込みを語りました。
そのうえで「自分たちができる準備は100%してきたのであとは本当にやるだけ。この試合に向けて『ブレイブ』ということばでチームを引っ張ってきた。本当に勇気を持って恐れずに自分たちのプレーをし続けるというマインドがすごく重要になってくる」と話しました。
松島「目の前の相手に集中していきたい」
ウイングの松島幸太朗選手は、イングランドが得意とする高く蹴り上げるハイボールの対策について「ハイボールを奪い合うときのプレッシャーはどのチームもきついので、毎試合準備している。ほかのチームより蹴ってくる回数が多いと思うので集中していきたい。まわりに味方の選手がいると信じてボールを捕りにいくだけだ」と話しました。
相手のバックスのディフェンス面については「結構守備のラインを上げてくる印象がある。自分たちは深く距離をとって空いているスペースにボールを回していきたい。上がってくる相手に対してパニックにならずに落ち着いてプレーしたい」と話しました。
そして「1次リーグを通過するにあたって負けていい試合はひとつもない。一戦一戦目の前の相手に集中していきたい」と落ち着いた語り口で決意を示しました。
リーチ マイケル「勝って歴史を変えたい」
ワールドカップ4大会連続出場のリーチ マイケル選手はイングランド戦を前にした心境について「ワクワクしたり、緊張したり、怖くなったりしてその繰り返しだ。ピッチに立ったらタックルやボールキャリーでチームに貢献していきたい」と話しました。
そして「2015年のワールドカップで南アフリカに勝って歴史が変わった。イングランド相手にも立ち向かっていき、勝って歴史を変えたい」とことばに力を込めました。
また、相手の強力フォワードについて「スクラムやモールへの対策、プランはある。試合を見ればわかりやすく何をしているかわかると思う。モールディフェンスは今週たくさん練習してきた」と自信を示しました。
一方、日本の攻撃面に関して「去年のテストマッチではまったく前進できずに終わってしまった。細かいパスを多く出して少しでも前に出られれば自分たちのアタックができる。前に出られなかったときのプランもある」と話し、状況によって戦い方を変えていくことを明かしました。
イングランドもメンバーを発表
日本が1次リーグの第2戦で対戦するイングランドが23人のメンバーを発表し、初戦でキックで全得点を挙げた司令塔のジョージ・フォード選手らが選ばれました。
15日、ニースで行われたイングランド代表のメンバー発表の記者会見には、スティーブ・ボーズウィックヘッドコーチと、日本戦のキャプテンを務めるコートニー・ローズ選手が出席しました。
15人の先発メンバーでは、初戦のアルゼンチン戦から3人が入れ替わりましたが、初戦、キックでチームの全得点をたたき出した司令塔のスタンドオフ、ジョージ・フォード選手や、ロックのポジションで、世界的名手として知られるマロ・イトジェ選手らが順当に選ばれました。
また控えには、イングランド代表として歴代最多キャップを誇り、多彩なキックに定評があるスクラムハーフのベン・ヤングス選手が入りました。
一方で、イングランド代表は危険なプレーによる出場停止処分が相次いでいて、日本戦は、本来のキャプテンであるオーウェン・ファレル選手、フランカーのトム・カリー選手の主力2選手が欠場します。
ボーズウィックヘッドコーチは「日本は技術とスピードがあるチームで、ボールを持つのがとてもうまくほかのチームとは違った方法で挑戦してくるチームなので要注意だ。今週は日本戦に向けた準備をしてきたので、選手たちは試合を楽しみにしている」と話していました。
また、ローズ選手は「できるだけ楽しんでプレーして勝ちたい。キャプテンの姫野和樹選手はボールを運ぶ能力がある素晴らしい選手だ。ほかにも優れた選手がいるが、彼らを超えて勝利したい」と話していました。
イングランドの先発メンバー
1次リーグの第2戦で日本と対戦するイングランドの先発メンバーです。
【フォワード】
▽プロップはジョー・マーラー選手(33)とカイル・シンクラー選手(30)
▽フッカーはジェイミー・ジョージ選手(32)
▽ロックはマロ・イトジェ選手(28)とオリー・チェサム選手(23)
▽フランカーはこの試合のキャプテンを務めるコートニー・ローズ選手(34)と、ベン・アール選手(25)
▽ナンバーエイトは、ルイス・ルドラム選手(27)です。
【バックス】
▽スクラムハーフは、アレックス・ミッチェル選手(26)
▽スタンドオフはジョージ・フォード選手(30)
▽センターは、マヌ・トゥイランギ選手(32)とジョー・マーチャント選手(27)
▽ウイングは、エリオット・デイリー選手(30)とジョニー・メイ選手(33)
▽フルバックはフレディー・スチュワード選手(22)です。
控えメンバーは8人です。
▽テオ・ダン選手(22)
▽エリス・ゲンジ選手(28)
▽ウィル・スチュアート選手(27)
▽ジョージ・マーティン選手(22)
▽ビリー・ブニポラ選手(30)
▽ベン・ヤングス選手(34)
▽マーカス・スミス選手(24)
▽オリー・ローレンス選手(23)