この報告書は、ロシアの人権状況について調査を行った、国連の特別報告者であるマリアナ・カツァロバ氏がまとめ、18日に公表されたものです。
報告書によりますとロシアでは軍事侵攻開始後の去年3月、刑法が改正され、軍の活動について、うその情報を拡散したとみなされた場合、懲役などが科されるようになったことを指摘し、それ以降この法律で、少なくとも185人が起訴されたとしています。
また、市民による抗議活動への取り締まりも強化され、軍事侵攻への抗議デモに参加し、拘束された市民の数は、2万人を超えたとしています。
また、ロシア当局によって活動停止に追い込まれるなどしたメディアの数も、軍事侵攻以降300以上にのぼるとしています。
こうしたことから報告書では、国内での集会の自由や表現の自由などの権利が著しく制限されているなどとして、ロシア政府に関連した法律の見直しや、すでに拘束されている活動家らの解放を求めています。
報告書は、国連人権理事会が去年、ロシアの人権状況の調査のため特別報告者の設置を決めて以来、初めて公表されたものです。