認知にんち症しょうの原因げんいんの1つである「アルツハイマー病びょう」の新あたらしい治療ちりょう薬やく、「レカネマブ」は、日本にっぽんの製薬せいやく大手おおて「エーザイ」がアメリカの「バイオジェン」と共同きょうどうで開発かいはつを進すすめてきた薬くすりです。

アルツハイマー病びょうの患者かんじゃの脳のうにたまる「アミロイドβべ-た」という、異常いじょうなたんぱく質たんぱくしつを取り除とりのぞくことで、症状しょうじょうの進行しんこうを抑おさえることが期待きたいされています。

エーザイはことし1月つきに「レカネマブ」について、厚生こうせい労働ろうどう省しょうに承認しょうにんを求もとめる申請しんせいを行おこなっていましたが、これを受うけて厚生こうせい労働ろうどう省しょうは21日にち、専門せんもん家か部会ぶかいを開ひらき、薬くすりの使用しようを認みとめるかどうか審議しんぎすることにしています。

「エーザイ」などの研究けんきゅうグループによりますと、最終さいしゅう段階だんかいの治験ちけんの結果けっかでは、この薬くすりを投与とうよされた患者かんじゃは、偽にせの薬くすりを投与とうよされた患者かんじゃと比くらべて1年ねん半はん後ごの認知にんち機能きのうの低下ていかがおよそ27％抑おさえられ、病状びょうじょうの進行しんこうを緩ゆるやかにする効果こうかが確認かくにんされたということです。

アメリカでは先月せんげつ上旬じょうじゅんに治療ちりょう薬やくとして承認しょうにんされていて、日本にっぽんでも認みとめられれば、アルツハイマー病びょうの原因げんいん物質ぶっしつを取り除とりのぞくための初はじめての薬くすりが国内こくないでも製造せいぞう・販売はんばいできるようになります。

アルツハイマー病びょう 日本にっぽんでは600万まん人にんと推計すいけい

アルツハイマー病びょうは認知にんち症しょうの原因げんいんとなる病気びょうきの1つで、日本にっぽんでは認知にんち症しょうと診断しんだんされた高齢こうれい者しゃの6割わり以上いじょうを占しめています。

アルツハイマー病びょうを発症はっしょうした人ひとの脳のうでは、「アミロイドβべ-た」と呼よばれる異常いじょうなたんぱく質たんぱくしつがたまっていて、これにより神経しんけい細胞さいぼうが壊こわれ、脳のうが委縮いしゅくし、その結果けっか、脳のうの働はたらきが低下ていかすると考かんがえられています。

典型てんけい的てきな症状しょうじょうとして初期しょきに物忘ものわすれが目立めだち、経過けいかとともに理解りかいや判断はんだんの力ちからが衰おとろえたり、身体しんたい的てきな機能きのうも低下ていかして動うごきが不自由ふじゆうになったりするなど、さまざまな症状しょうじょうが徐々じょじょに出でてくるようになります。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、日本にっぽんでは認知にんち症しょうの人ひとは3年ねん前まえの時点じてんで600万まん人にんと推計すいけいされていて、さらに団塊だんかいの世代せだいが全員ぜんいん75歳さい以上いじょうの後期こうき高齢こうれい者しゃとなる2025年ねんには、およそ700万まん人にんにのぼると予測よそくされています。