この種目しゅもくで日本にっぽん選手せんしゅが金メダルきんめだるを獲得かくとくするのは初はじめてで北口きたぐち選手せんしゅは、来年らいねんのパリオリンピックの日本にっぽん代表だいひょうに内定ないていしました。

ハンガリーのブダペストで行おこなわれている陸上りくじょうの世界せかい選手権せんしゅけんは、25日にち、女子じょしやり投やりなげの決勝けっしょうが行おこなわれ、日本にっぽんからは、前回ぜんかい大会たいかいの銅どうメダリストで、

世界せかいランキング1位いの北口きたぐち選手せんしゅが出場しゅつじょうしました。

北口きたぐち選手せんしゅは1回かい目めから61メートルを超こえる投とうてきをみせると、3回かい目めでは63メートルちょうどに記録きろくを伸のばし2番手ばんてに順位じゅんいを上あげました。

このあと4番手ばんてに順位じゅんいを落おとして迎むかえた最終さいしゅうの6回かい目めで、66メートル73センチのビッグスローを見みせ、逆転ぎゃくてんで金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

北口きたぐち選手せんしゅは去年きょねんの銅メダルどうめだるに続つづき、2大会たいかい連続れんぞくのメダル獲得かくとくで、世界せかい選手権せんしゅけんのこの種目しゅもくで日本にっぽん選手せんしゅが金メダルきんめだるを獲得かくとくするのは初はじめての快挙かいきょです。

この結果けっか、北口きたぐち選手せんしゅは日本にっぽん陸上りくじょう競技きょうぎ連盟れんめいの基準きじゅんを満みたし、来年らいねんのパリオリンピックの日本にっぽん代表だいひょうに内定ないていしました。

陸上りくじょう競技きょうぎでパリオリンピックの代表だいひょうに内定ないていしたのは北口きたぐち選手せんしゅが初はじめてです。

北口きたぐち榛はしばみ花はな選手せんしゅとは

北口きたぐち榛はしばみ花はな選手せんしゅは北海道ほっかいどう出身しゅっしんの25歳さい。

身長しんちょう1メートル79センチの恵めぐまれた体格たいかくを生いかした力強ちからづよい投とうてきが特長とくちょうです。

今こんシーズンは、7月つきの国際こくさい大会たいかいで自身じしんが2019年ねんに記録きろくした日本にっぽん記録きろくを1メートル4センチ更新こうしんする67メートル4センチの日本にっぽん新しん記録きろくをマークし、世界せかいランキング1位いで世界せかい選手権せんしゅけんに臨のぞんでいました。

中学校ちゅうがっこうまでは競泳きょうえいやバドミントンに取り組とりくみ、高校こうこうから陸上りくじょうに本格ほんかく的てきに取り組とりくみ始はじめると、高校こうこう3年ねんだった2015年ねんに世界せかいユース選手権せんしゅけんで金メダルきんめだるを獲得かくとくして注目ちゅうもくを集あつめました。

やり投やりなげの強豪きょうごう国こく、チェコのジュニア世代せだいの代表だいひょうコーチを務つとめていたダヴィッド・セケラックさんに師事しじして、2019年ねん10月つきには66メートルちょうどという当時とうじの日本にっぽん記録きろくをマークし、2021年ねんの東京とうきょうオリンピックでは、この種目しゅもくで日本にっぽん選手せんしゅとして57年ねんぶりの決勝けっしょう進出しんしゅつを果はたし12位いでした。

その後そのご、徹底てってい的てきに体からだ作づくりを見直みなおし、高たかいパフォーマンスとけがをしないための柔軟じゅうなん性せいを両立りょうりつするためのトレーニング方法ほうほうや専門せんもん家かの指導しどうを受うけながら姿勢しせいを矯正きょうせいするなど様々さまざまな取り組とりくみを行おこなってきました。

そして、昨さくシーズンは、陸上りくじょうの世界せかい最高峰さいこうほうの大会たいかい、ダイヤモンドリーグで日本にっぽん選手せんしゅとして初はじめての優勝ゆうしょうを果はたし、去年きょねん7月つきの世界せかい選手権せんしゅけんではこの種目しゅもくでは日本にっぽん選手せんしゅとして初はじめての銅メダルどうめだるを獲得かくとくしていました。

北口きたぐち選手せんしゅ「自分じぶんが歴史れきし作つくると決きめてやってきた」

女子じょしやり投やりなげで日本にっぽん選手せんしゅ初はつの金メダルきんめだるを獲得かくとくした北口きたぐち榛はしばみ花はな選手せんしゅは「自分じぶんが必かならず歴史れきしを作つくると決きめて世界せかい選手権せんしゅけんにやってきた。本当ほんとうはもっと時間じかんがかかると思おもっていたが今いままで頑張がんばってきて本当ほんとうによかった。つらいことはたくさんあるがきょうだけは世界せかいで一番いちばん幸しあわせです」と喜よろこびをかみしめました。

そして「両親りょうしんなど応援おうえんしてくれるみんなの前まえで金メダルきんめだるをとれてよかった。トップで居い続つづけることは簡単かんたんではないが来年らいねんのパリオリンピックや2025年ねんには東京とうきょうで世界せかい選手権せんしゅけんもあるので努力どりょくし続つづけたい」と先さきを見据みすえていました。

取り戻とりもどした“体からだの柔やわらかさ”

2大会たいかい連続れんぞくのメダル獲得かくとくを目指めざして、世界せかい選手権せんしゅけんの舞台ぶたいに戻もどってきた北口きたぐち榛はしばみ花はな選手せんしゅ。

予選よせんでは2回かい目めに63メートル27センチをマークして全体ぜんたいの3番手ばんてで決勝けっしょう進出しんしゅつを決きめ「緊張きんちょうしていろいろなところに力ちからが入はいったが、思おもったより投なげられた」とトレードマークの笑顔えがおを見みせていました。

しかし、わずか2か月かげつ前まえの日本にっぽん選手権せんしゅけんでは自身じしんの投とうてきを見失みうしない、記録きろくは59メートル92センチにとどまり、大会たいかい3連覇れんぱを逃のがし大粒おおつぶの涙なみだを流ながしました。

このとき北口きたぐち選手せんしゅは「1本ほんも自分じぶんの思い描おもいえがいた投とうてきができなかった。理想りそうの投なげ方かたができれば絶対ぜったい飛とぶとわかっているが、今いまはそれができず苦くるしい」と話はなしていました。

惨敗ざんぱいした日本にっぽん選手権せんしゅけんのあと、理想りそうのやり投やりなげができないのはなぜなのかを考え抜かんがえぬいた結果けっか、持ち味もちあじである「体からだの柔やわらかさ」を生いかし切きれていないことに気きがついたといいます。

北口きたぐち選手せんしゅは「トレーニングをすればするほど記録きろくが出でると思おもっていたが、自分じぶんの持ち味もちあじは体からだの柔やわらかさなので自分じぶんの体からだを思おもうように動うごかせることが必要ひつようだと感かんじ日本にっぽん選手権せんしゅけんのあとコーチに相談そうだんしてメニューを変かえてもらった」と振り返ふりかえります。

筋力きんりょくレーニングの負荷ふかや回数かいすうを7割わりほどにとどめ、パワーの向上こうじょうよりも体からだの柔軟じゅうなん性せいを伸のばすトレーニング方法ほうほうに切り替きりかえたといいます。

さらに、拠点きょてんとするチェコにフィジカルケアを専門せんもんにするトレーナーを置おくなど、体からだの柔軟じゅうなん性せいを高たかめる取り組とりくみを強化きょうかしてきました。

その成果せいかはすぐにあらわれ、7月つきの国際こくさい大会たいかいで自身じしんの日本にっぽん記録きろくを4年ねんぶりに更新こうしんしました。

世界せかい選手権せんしゅけんを前まえに北口きたぐち選手せんしゅは「68メートルぐらいまでは想像そうぞうできる範囲はんいにある。日本にっぽん記録きろくの更新こうしんもすべての条件じょうけんが整ととのっていたわけではなかったので、条件じょうけんが整ととのえば70メートルを超こえる可能かのう性せいもある」と自信じしんを示しめしていました。