急速きゅうそくに進すすむ地球温暖化ちきゅうおんだんかの影響えいきょうで南極なんきょくの海氷かいひょうが激減げきげんし、コウテイペンギンの存在そんざいそのものを脅おどかしている。

２４日にじゅうよっかの科学誌かがくしネイチャーに発表はっぴょうされた報告ほうこくによると、南極半島西側なんきょくはんとうにしがわのベリングスハウゼン海かいに生息せいそくするコウテイペンギンのコロニーを調査ちょうさした結果けっか、５コロニーのうち４コロニーで昨年さくねん、ヒナが全滅ぜんめつしていたことが分わかった。この地域ちいきでは同年どうねん、膨大ぼうだいな量りょうの海氷かいひょうが消失しょうしつしていた。

コウテイペンギンに関かんしてこれほどの規模きぼで「壊滅的かいめつてきな繁殖失敗はんしょくしっぱい」が記録きろくされたのは初はじめてだった。地球温暖化ちきゅうおんだんかに伴ともない、２１００年ねんまでにコウテイペンギンのコロニーの９０％以上いじょうが「準絶滅じゅんぜつめつ」状態じょうたいになるという悲惨ひさんな予測よそくを裏付うらづけている。

研究けんきゅうチームは、６３０組くみ～３５００組くみのつがいで構成こうせいされるコウテイペンギンのコロニー５つについて、２０１８～２２年ねんの衛星画像えいせいがぞうを使つかい、繁殖期はんしょくきの個体数こたいすうをコロニーごとに調査ちょうさした。

その結果けっか、２０２２年ねんは４つのコロニーで、ヒナが１羽わも生いき延のびられなかった可能性かのうせいが高たかいことが分わかった。

コウテイペンギンが巣作すづくりをしてヒナを育そだてるためには、陸地りくちとつながる安定あんていした海氷かいひょうを必要ひつようとする。５月がつ～６月がつにかけて卵たまごが産うまれ、孵化ふか（ふか）したヒナは耐水性たいすいせいの羽毛うもうが発達はったつして１２月がつ～１月がつごろに独ひとり立たちする。